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【相関図あり】カードキャプターさくらの恋愛観はもうほぼヒッピーです

元日からネカフェでカードキャプターさくら(クロウカード編)を全巻読んでぼろぼろ号泣した私です。いやホント名作過ぎるやろ。CLAMPやっぱすごい。アシ無しで描いてるのマジか。ちょっとペンが速すぎるよね。

しかしひとしきり感動した後、トイレに行く途中に「……いやちょっと待てよ」と気づいた。いや恋愛模様が自由過ぎるやろ、と。LGBTとかもうそんなスケールじゃないぞこれ。倫理観が爆死してるぞ。思考が完全にヒッピーだぞ、と。なんだ?友枝町は1960年代のカリフォルニアなのか?「あれ?桜、Superflyのあの緊箍児みたいなやつ付けてたっけ?」と思わず見返したのはいうまでもない。

今回はカードキャプターさくらをあらためて読み返しての感想とともに、その自由奔放すぎる恋愛模様を相関図に起こしながら紹介する

カードキャプターさくらの見開き画のすごさ

四段ぶち抜き画など、漫画表現にはぶち抜き画という手法があるが、CLAMPはもうそれを超越して見開き1ページで超大胆な絵を描く。ことカートキャプターさくらはめっさ多い。これはもうCLAMPの圧倒的な絵の上手さがあるからできるのでしょう。マンガを読みながら「うわぁ、すごい」と声が漏れてしまうほどの画力がある。CLAMPのなかでもさくらの作画はもこなさんがやっているそうだ。

これマジですごいのは、同じもこなさん作画でもレイアースは全然違う絵なのよね……。

もこなさんは毎回、意識的に絵柄を変えているそうで、もうこれだいぶ天才だと思う。特にさくらのタッチはもう、動画に見えるくらい躍動感がある。

それでいて描き込みの多さとかもうびっくりする。主人公の名前がらみで「さくら」が背景に多用されるが、トーンとか素材じゃない。背景のパターンをちゃんと1枚ずつ手で描いている。

これは漫勉の西炯子さんの回でも言及されていたが、少女漫画はコマの外にパターンを描いて感情を表現するという文化がある。

カードキャプターさくらはコマ外というよりも、各コマ内に人物画だけではない「雰囲気」「空気」を感じさせる表現がある。この細かさとダイナミックな1枚絵は圧倒される。これは本当にすごい。見ごたえがありすぎる。もう画集見てる気分になるよホント。

カードキャプターさくらは戦闘服が決まっていない

もう1つワクワクしながら見たのは「さくらの戦闘服」だ。クラスメイトの知世ちゃんが毎回作ってくれるという設定なので、毎回服が変わる。珍しいよね。

いやこれホントすごいんじゃないか? だって7巻くらいまで毎話戦闘シーンあるもん。ヤマモトヨウジとかミヤケイッセイとかよりハイペースで服のデザイン考えてるでしょコレ。で、しかも毎回外さない。絶対かわいい。100パーかわいい。しかもアニメよ。アニメの締め切りの速さで毎回衣装変えるってどうなっとん作画班。マッドハウスの設定案があった。

もこなさんは着物マニアで、ファッション本も出しているくらいだし、すごいおしゃれだものね。特に今作では中国がキープレイスになっているので、チャイナ服とかすんごいおしゃれで、素晴らしい。

ストーリーもキャラ設定も、もちろん完璧! 展開の速さに引き込まれる

作画のことばっかり描いたが、もちろんストーリーもすごいですよ。クロウカード編は12巻ですが、よくこのちょうどいい量にまとめられたな、と。それほどまでに展開がスピーディーでどんどんページをめくってしまう。一枚絵が多いのも理由の1つだけど、いやマジでさらっと読める。

何がすごいって「嫌な奴がいない」んだよこのマンガ。「カードから出ちゃったモンスター的なやつをカードに収める」というのが本筋だけど、この”鬼退治パターン”って必ず敵が出てくるはず。でも出さない。出さないのに面白い。作品全体が美しく見えるのは作画だけじゃなく、この清廉潔白なストーリーも理由がある。すごく美しくてかわいい世界に見える。あと桜はもう一生はにゃ~んとかほええええって唱えといてほしい。「汝のあるべき姿に戻れ」とかもういらない。「はにゃーん」でカードに封印しようもう。かわいいから。

そしてクロウカードを集める、という大筋のなかにきっちり恋愛の筋があるのね。これは少女漫画ならではだろうけど、この恋愛の要素があるからエンタメ性が担保されるんだろう。没入できる本当の要因はここにあるのかもしれない……と思っていたが「いやちょっと待てよ」(唐突)

恋愛に関してはこのマンガほんとにヤバすぎる。というか自由過ぎるだろ。地球でやっていい話なのかコレ? コンプラぶっ飛んでねぇか?

カードキャプターさくらのぶっ飛び恋愛相関図

はい。こっから本題です。もうマジで今のマンガじゃ考えられないくらい友枝地区の皆さんは自由な恋愛を楽しんでいます。三角関係とかじゃない。もう角多すぎて〇。〇関係。しかもみんなすげぇ大人。とりあえず相関図を描いてみました。

年の差、同性愛なんでもありの完全なるカオス状態。ちょっと物語に沿って解説しましょう。まず最初、桜(10歳)は雪兎(17歳)が好きなんです。まぁこれはかわいいじゃないですか。全然ありでしょう。で、知世(10歳)が桜のことガチ百合ってのがだんだんわかってくるんですね。これがまずすごいな、と。小学生のガチ百合は少女漫画誌であんま描けないですよ。泣けるしこの設定。知世は恋じゃなくて愛を知っているんですよ。

で、桜の兄・桃矢がなーんか雪兎にべたべたしてんな、という匂わせ描写が出てくる。「おや?」と思っていたら別のシーンで、同じクラスの千春と山崎はどうやら付き合ってるらしい描写がある。「5歳からの付き合いだからね~」とか言ってて、もはや掛け合いに熟年夫婦感すらある。その「5歳からの付き合い」って男女的な付き合いなん? ませすぎやろ。30で天寿全うする速さで人生過ごしとんなこいつらとか思っていたら、桜の担任の寺田先生(25歳)が利佳に婚約指輪を買う描写があって、もうなんか何もかもどうでもよくなった。クロウカードの前に寺田をカードに閉じ込めろ。社会的懲戒免職だからこいつ。「文科省。早くこの男の教員免許焼き払って」と思ってたら、小狼くんが転校してくる。

小狼くんはすぐ桜と恋仲になるかと思いきや、目が合った瞬間に恥ずかしくて逃げちゃうくらい雪兎さんが好き。バレンタインデーとか渡しちゃうくらい好き。「え?そっち?え?」と再度きょとんとしているところに教師・観月歌帆がやってきて算数を教えることに。出会った瞬間に逃げ出す桃矢。「ここもひと悶着あるんかい~」と思っていると、歌帆が教育実習中に当時・中学生の桃矢と付き合っていたことが発覚する。おい、お前は何の実習をしているんだ? 文科省この女の免許も至急焼き払ってくれ。

「収拾つくんかな、これ」と不安になっていると、知世の母親・園子が桜の亡き母・撫子のいとこということが発覚。さらに園子は百合で撫子を大好きだったとのこと。知世よ、百合属性は母の血だ。で、しかも桜の父・藤隆と撫子との出会いが高校の先生と教え子だったことが分かる。出会ったきっかけが「撫子が木から落ちたところに藤隆がいて、クッションになった」みたいな感じで藤隆が「天使が落ちてきたのかと思いましたよははは」とかもう即座に教え子を口説いとる。で、無粋にも計算したんですよ。撫子さんが27歳で亡くなったとき桜が3歳らしい。桃矢が7個上でしょ。となると17歳で出産……いやもう何も言うまい。

これだけ複雑な恋愛事情のなか、すっかり忘れていた桃矢と雪兎の関係だが、その後にはっきり両思いということが分かる。さくらが雪兎さんに告白するときに確定するのだけれど、まさかだよね。まさか兄がライバルとは思っていないよね。最終的に小狼くんとさくらが両思いになってハッピーエンドだけど、個人的には寺田先生と利佳のその後が気になりすぎてそれどころじゃない。というか付き合い始めたときどんな感じ? 寺田からいったはずないよな……。10歳から告られてOK出すて、50年前のインドのしきたりか?

カードキャプターさくらの小学生たちはもうとにかく大人なんです

でもこんなとんでも設定を見ていて思ったのは「カードキャプターさくら」は決して小学生を舐めていないということだ。小学生って以外と大人だ。自分自身がそうだったが、例えば大人から「えらいね~」と褒められたときも「私が子どもだから褒めてもらえるんだ」と考えてたし「こういう言動をすれば大人は喜ぶだろう」と思っていた。

そう考えたらカードキャプターさくらは決して小学生を舐めてない。ものすごく大人だ。利佳ちゃんも寺田先生と付き合っていることをちゃんと隠している。桜なんて最終巻で「利佳ちゃんがお付き合いしている人って仕事しているの?」という台詞を放つ。もう半端ない年の差が普通の世界だから。それは背伸びしているわけじゃなくて、むしろ小学生のほうが周りがよく見えてるしね。

ちなみにこのとんでも恋愛模様はCLAMP作品名物でもあり、他の作品でも全然あります。この尖り方は同人作家の部分が出ているのかもしれないですよね。

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