【歴代一覧】テレ朝日曜8時30分アニメ枠が好きな大人たちへ
どうもクリスマスイヴだというのに「魔女見習いを探して」を見てしまった男です。いやはや、おもしろかった……。
いや〜、そりゃ、おもしろいわ。だってメタ設定が、もう……。ターゲットが完全に我々世代じゃないですかこの映画。カラオケで「おジャ魔女カーニバル!!」を歌って「教科書見〜ても!」のあとに(みーてもっ!?)って、渾身の合いの手入れたがる世代に向けた映画じゃないですか。
あと「おジャ魔女どれみ 誕生20周年」と見て「に……20年!? まじで? 果てたいんだが」となった大人は多いでしょう。そっかー、あのころまだ9歳だったか。
比較的、少年趣味ではなく少女趣味で育ったクチでして、妹と観てましたね。みんなおんぷちゃんが好きだったよね。私は、はづきちゃんの箒の座り方が好きでした。あの子、初期メンで唯一横に座るんすよ。今考えたら体幹えぐいな。いちばんインドアっぽいのに。で、後からおんぷちゃんに体幹アイデンティティ奪われて、も〜っと地味になっちゃうんですよね〜。
ここでがっつり映画レビューを書いてもいいんですが、やはりここは自力で見ていただきたい。すぐ答えを書くのは大人っぽくて嫌ですよね。まだまだ子どもですからね我々は。全然、魔法使えますからね。
なのでここはちょっと視点を変えて「テレ朝日曜朝8:30枠」の歴代作品を書いていこうではないか、と。テレ朝が少女をターゲットにして番組編成をしていたむっちゃ希少な30分は、きっと日本中の女子カルチャーに貢献したはず。ざーっと歴史を振り返っていきます。
『とんがり帽子のメモル』1984年
中部ヨーロッパベレヌ村の湖に浮かぶ小さな島にある「リルル村」。宇宙船の事故で地球に不時着したリルル星人(身長10センチ前後で、皆がとんがり帽子をかぶっている)が住む。
リルル星人のメモルはとっても元気でおしゃまな女の子。毎日友達のポピット、ルパング、ピーとともに元気に遊びまわる。ある日、メモルは自分たちと同じ姿形、でも何十倍も大きい女の子がピアノを弾く姿を見る。
はじめて見た地球人、マリエルは病弱で孤独な女の子。メモルはマリエルと友達になり、その中でとても大切なことをマリエルに伝えてゆく。
Wikipediaより一部抜粋
もともとテレ朝は19:00からの枠でこのアニメを放送していたが、番組改編に合わせて日曜8時30分になったんだとさ。このアニメから枠が形成されるわけだ。原作はなくオリジナルアニメーションである。舞台もキャラデザもどことなく漂うトーベ・ヤンソン感……。メモルがむちゃむちゃかわいい。
『はーいステップじゅん!』1985年
14歳の女の子・野々宮ジュンは、メカ製作が大好きで、人並みはずれた小柄さが悩みの中学生。そんなジュンは、背の高いバッドガイ・加納零(ゼロ)に恋をしてしまうが、正反対のふたりの恋愛成就はまさしく可能性ゼロ。おまけに容姿端麗なライバル・洋子がジュンの前に現われる。でも彼女は、自ら汗まみれで作りあげたロボット、吉之介と雪之嬢に助けられつつ波乱万丈の毎日のなかを切り抜けてゆく。
Wikipediaより一部抜粋
「はーい」ってなんかいいよね。この作品は、少年マガジンとなかよしの両方で連載をもったという異色すぎるマンガが原作です。主人公の女の子がオタク趣味で、自分でドラえもん的なロボを作るという設定がぶっ飛んでておもしろい。かつヒーローが嶋大輔スタイル。もうキャラが爆発している作品である。
『メイプルタウン物語シリーズ』1986〜1987年
主人公であるウサギの女の子・パティを中心とした、カナダにある「メイプルタウン」という町に暮らす動物たちの日々の生活を描く。
Wikipediaより一部抜粋
有名ですね。メイプルタウン物語。いつみても目が怖いですよね。なんでだろう。同じ白黒反転スタイルでもピカチュウは怖くないのに。この作品は大人の事情が絡みまくっていて、おもちゃ原作なんですね〜。バンダイがライバル社のエポック社「シルバニアファミリー」に対抗するためのプロモーションとしてアニメを作ったんですってよ。アニメも人気で一時期は売り上げでシルバニアファミリーを抜いたこともあったらしい。極めて大人的な勝利で遺憾の意まるだし。
『ビックリマンシリーズ』1987年、1992年
天聖界のヘッドであるスーパーゼウスは、かつて天使と悪魔が仲良く暮らしていた平和な時代を取り戻すべく新天地の「次界」を築くため、8人の若神子を集めて次界を目指す旅をするよう命じる。一方、聖動源で生まれた若神子の1人、ヤマト王子は次界へ行けば偉い天使になれるという夢のお告げを受け、次界への旅を始めたのであった。
Wikipediaより一部抜粋
ロッテ製品を原作にしたアニメーション。一世を風靡した誰もが知ってるやつね。前作の「はーい(後略)」もそうだが、この辺りは男子・女子問わず子どもがターゲットみたいな感じ。ビックリマンはアニメも大ヒット。3期まで作られている。
『まじかる☆タルるートくん』1990年
江戸城本丸は勉強・運動ともに得意ではなく、喧嘩も弱くてイジメられっ子。ある時、絵本作家の父の部屋にある大魔法百科の魔法陣で偶然にも、魔法使いのタルるートを召喚した。本丸はタルるートの魔法を悪用してイタズラを繰り返したり騒動を巻き起こしたり、不敵なライバルキャラである原子力(はらこ つとむ)と幾度となく対決する。
Wikipediaより一部抜粋
少年ジャンプで連載されていた漫画が原作。東京大学物語などちょっと大人な作品でも知られる江川達也さんが原作者。小学生向けアニメーションだけどライバルの名前が「原子力」ってところが尖りまくっててやばい。東京大学物語のラストも尖りまくってたもんな〜。この人やっぱヤバいんだろうな。
『GS美神』1993年
悪霊や妖怪の退治を仕事とするゴーストスイーパーの美神令子と助手の横島忠夫。己の欲望のまま動く二人と、まともだが幽霊のおキヌを中心とした日常のドタバタや、悪霊・妖怪との戦いを描くオカルトコメディ。連載中盤からは美神や横島をとりまく運命との戦いを主軸として描く物語となる。
Wikipediaより抜粋
ゴーストスイーパー美神はサンデーですね。「ゴーストスイーパー」って直訳したら「霊の掃除屋」ですよ。少年マンガのテイストありありで厨二感満載でかっこいい。この絵のテイストが「ザ・1990年代初頭」って感じで好きです。ギャグ的なピンチのときは基本大泣きしつつ笑ってるんだよなぁ。なんだこの表現。
『ママレード・ボーイ』1994年
小石川 光希は、ある日両親から「離婚する」ことを告げられる。ハワイ旅行で出会った松浦夫婦と気が合い、母親がその夫と、父親がその妻と恋に落ちたため、お互いパートナーを交換して再婚するのだと言う。しかも、松浦夫妻の息子の松浦 遊も含めて、みんなで一緒に暮らそうとまで言い出す始末。そんな非常識な生活の中、一緒に暮らす遊に惹かれ始めていく。
Wikipediaより一部抜粋
さて!きました! みんな大好き『ママレード・ボーイ』ですよ。この「だいぶ強引な設定で同居することになる」という昔の少女マンガあるあるね。あらすじ読んでもいまいち分からんレベルの複雑な背景を経てます。ここからテレ朝日曜8:30枠はトレンディドラマっぽくなっていきます。
『ご近所物語』1995年
幸田実果子は服飾デザイン科に通う高校1年生。夢はデザイナーになって自分のブランドの店を持つこと。同じマンションのお隣さん山口ツトムとの恋愛や、彼女を取り巻く友人・知人たちの人間模様・恋模様を描く。
Wikipediaより一部抜粋
矢沢あい大先生の「ご近所物語」も、テレ朝8:30枠だったんですね〜。朝から矢沢先生はちょっと大人な気がするが……。作画が素晴らしいね。明らかに海外風の色合いで、もうすっごくオシャレ。原作も読みましたけど、舞台設定も踏まえてファッションセンスがめちゃめちゃおしゃれなんです。
ちなみに実果子の声をした宍戸留美さんはおんぷちゃんの声でもあります。テレ朝日曜8時30分枠はけっこう声優使い回しなんで、そこにも注目するといいかも!
『花より男子』1996年
学園に、娘の玉の輿を願う母親の勧めで入学した一般庶民の牧野つくし。学校は、道明寺財閥の御曹司・司、花沢物産の御曹司・類、日本一の茶道の家元「西門流」の跡取り息子・総二郎、総合商社・美作商事の息子あきらのF4(Flower 4―“花の四人組”)に牛耳られていた。そんななか道明寺はつくしのことを好きになってしまう。つくしの人生が、このF4によって変わり始めた。
Wikipediaより一部抜粋
言うまでもないね。マーガレットの名作ですな。ドラマの認知度が高いイメージですが、実はこの枠でアニメ化されていたんですね!(知らなかった)。しかしトレンディ過ぎたのか、アニメ化は大失敗だったらしく、いったん大人っぽいアニメシリーズはここで終わります。
『夢のクレヨン王国』1997年
クレヨン王国のシルバー王女が12歳の誕生日を迎えた日、かつて封印された死神がよみがえった。そして城内に颯爽と現れた謎の少年クラウドが、シルバーの両親のゴールデン国王とオパール王妃を石にしてしまった。死神の詫び証文を手に入れて封印しなければならない。シルバーは死神を倒すため国中を旅する。
Wikipediaより一部抜粋
急に女児向けにハンドル切り過ぎで笑うよね。テレ朝のプロデューサーは5歳か18歳しかターゲットにできないのか? いやしかしこの作品はちょっと覚えていて、観てた記憶があります。ストーリーとか全く覚えてないけど、このキャラデザだけ覚えてるなぁ。ちなみにシルバーの決め台詞は「のーみそくすぐっちゃうよ!」です。こわっ。ハンターハンターかな?
『おジャ魔女どれみシリーズ』1999年
ドジで妹の春風ぽっぷからもバカにされる自称「世界一不幸な美少女」の小学3年生・春風どれみ。魔女に憧れ、好きな人に告白する勇気を魔法で手に入れたいと思っていた彼女は、ひょんなことから本物の魔女・マジョリカと出会う……。
Wikipediaより一部抜粋
出ました。ここでおジャ魔女どれみです。東映アニメーション15年ぶりのオリジナルアニメですよ。そして東映名物「東堂いづみ」が初めて登場したのも今作。結果、これまでで最長の5期まで続きました。大傑作です。
ちなみに1期が「友情」、2期(♯)が「愛情」、3期(も〜っと)が「成長」、4期(ドッカーン)が「卒業(本当はここで終わるはずだった)」、5期(ナ・イ・ショ)が「秘密」をテーマにしてたんです。個人的には「ケーキにクッキー! 魔法のレシピ、教えてあーげる!」の決め台詞が好きですね。マジで10万払うから教えてく……いかん、危うく大人に戻りそうだった。
『明日のナージャ』2003年
イギリスの首都、ロンドン近郊のアップルフィールド孤児院で育った少女ナージャは、13歳の誕生日を迎えようとする頃に亡くなったと思われていた母親が実は生きていることを知らされ、母が初めての舞踏会で身に着けたドレスと母の日記帳を譲り受ける。
Wikipediaより一部抜粋
どれみに続いて東映のオリアニですよ。どれみとプリキュアの間の1年間しか放映されていなかったので影が薄く、視聴率的に大爆死した作品で知られているやつ。当時「なんか……どれみよりもなんか……う〜ん、なんか違うなぁ」って後ろから母親が言ってましたね。どれみに慣れた私たちには戦闘描写や友情・努力・勝利的な描写がないナージャは物足りなかったんでしょうね。コケにコケて今でもいじられてるやつですな。
でも個人的には小学生ながらナージャはおしゃれで素敵で好きでしたね。ヨーロッパの空気感で、色素薄めの作画で綺麗だったんですよね〜。あと戦って勝ち負けをつけるのが、当時から苦手だったので、安心して見れて嬉しかったなぁ。
『プリキュアシリーズ』2004年
世界を闇に染めようとする悪の勢力・ドツクゾーンは、7つのプリズムストーンを奪うため「光の園」を侵略していた。妖精・メップルとミップルは2つのプリズムストーンを携え「虹の園」(地球)に逃げ込む。その妖精達を偶然発見した美墨なぎさと雪城ほのかは、妖精を追いかけてきたドツクゾーンの怪物に突然襲われてしまう。なぎさとほのかは妖精たちと出会い、伝説の戦士・プリキュアへ変身する力を与えられ、キュアブラックとキュアホワイトに変身してザケンナーと戦うことに。
Wikipediaより一部抜粋
いや、こう並べるとプリキュアってすげえな。16年目ですか。いやもう完全に流れ変えたよね。プリキュアがヒットした裏には明日のナージャという犠牲があったのを覚えててほしい。それくらいプリキュアの戦闘シーンは凄まじいものがある。
有名な話だがプリキュアの鷲尾プロデューサーが掲げた合言葉は「女の子だって暴れたい」である。そして鷲尾氏の右腕となったディレクターはドラゴンボールシリーズの西尾大介氏だ。
なので、どれみと違って戦闘は肉弾戦だし、男性の助っ人キャラもいない。この自立した強い女性像を描いた結果、女児だけでなく大人の女性にウケた。プリキュアは間違いなく、テレ朝日曜8時30分枠の革命よ。なぜなら、強い女性像に憧れているのって、実は弱い大人のほうなんだから。一度ハマったら実は16年間ずっと面白いアニメなんだから。ターゲットがグーンと広がったんですなぁ。
テレ朝日曜8時30分枠は日本の女子に影響を与え続けてきた偉大な時間
いや〜、テレ朝日曜8時30分枠は見事に良作ばっかりだ。どれみが20年目だけど、プリキュアも16年目なんだ。もうプリキュアとか「ヒーリングっど♥プリキュア」なんだね。完全にネーミングのネタが尽きてきてるよね。しかも地球環境がテーマなんだ。すごい。サスティナブルですもんな。時代に合わせてきてて最高。
いやしかし、少子化なのにこの枠がいまだにあることがすごいな、と。囲碁将棋とか、煎茶とか、家庭の医学とか、年配向けにしない勇気よ。テレ朝は「とんがり帽子のメモル」から45年以上、この枠を死守して日本の女性に影響を与え続けてきてるんだな。と考えたらすごいことですよね。
初代プリキュア世代が今22〜28歳くらいでしょ。
強い女子・肉食女子が増えているのも、マジでプリキュアの影響あるんじゃないか? 小学生低学年の吸収力スポンジ期に観るアニメってかなり人格に影響与えるはずだし、いやほんとにあり得るぞこれ。自立した女性って素敵!
テレ朝と東映は素晴らしい。44年間ありがとうございます。私は住所が東映本社がある中野、職場がテレ朝がある六本木なんです。明日、家を出る時と会社を出る時に敬礼しますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?