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ジュウ・ショのサブカルマンガマガジン

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マンガについてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、 極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
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2022年2月の記事一覧

人間がヲタクになり推し活を終えるまでを4ステップで解読してみた

私は主にアート、マンガ、音楽、小説といった分野でライティングをしている。これらの創作物は、広義で「文化(カルチャー)」という枠でくくられる。 ただ、カルチャーは決してエンタメだけに特化した言葉じゃない。カップ焼きそばUFOのパッケージとか、無印良品のオーガニック食材とか、そういうものもひっくるめて文化だ。決して一過性のブームではない。何人かのヲタがソレを推して歴史を作ったもの。それが文化となる。 カルチャーについては以下の記事で紹介していますので、暇すぎてもう飲料の原材料

「綺麗な顔してるだろ。」あのタッチの名シーンは、なぜマンガ史に名を刻んだのか

「綺麗な顔してるだろ。うそみたいだろ。死んでるんだぜ。それで……」 もうこれは日本マンガ史に残る名ゼリフだ。「クリリンのことかー!」とか「諦めたらそこで試合終了ですよ」とかに並ぶほどのモンスター級の名シーンである。 もちろん言わずもがな、あだち充のマンガ『タッチ』のいち場面である。初出は1981年。私は完全に世代じゃない。 ただ、タッチは少年時代にCATVかレンタルDVDかのアニメで観ていた記憶がある。南が暗い病室に入っていく場面では「え……」と思った。「嘘やん、カッち

天才・田村由美のマンガの魅力についてオタクに熱く語らせてくれ

20年代前半のころに「禅」に関する本を書いていたんです。ブックライターとしては初めての仕事で、6時間くらい禅寺で取材をして、文字起こしして300ページくらいにまとめるっていう仕事でした。 当時は私自身が仕事やら人間関係やらにものすごく悩んでいた暗黒期で……。もうなんか「全裸で下向いて大殺界を歩き回る」みたいな。しかも出口の鍵がないんですよね。そんなときに「禅」に触れたわけですから、そりゃもうむちゃくちゃ食らった。で、だんだん「人の生き方」について深ぼって考えるようになる。

fumufumu newsさまより記事が出ました〜。意外と語られない戦時中のアニメ、そして「手塚治虫って結局何がすごいの?」という話です! https://fumufumunews.jp/articles/-/22420

ヤンキーマンガ(不良マンガ)の歴史|1960〜2020年代までのマンガを「ヤンキー像」とともに振り返る

「私の中学には窓が1つもなかった。理由は単純で「割られるから」である。冬休みに入るころに生物のおじいちゃん先生が、手を擦りながら「あぁ寒い……」とこぼしたのを見て「無理すな。もう防弾ガラスでもつけろ」と思ったのをめちゃめちゃ覚えている。 福岡市博多区の我が学び舎は、地元でも有名なヤンキー校で、出席率が異様に低く、私服率が異様に高かった。バイクに2人乗りでやってくる輩もいれば、万引きした文房具などを学校で売り捌いている利益率100%の商売をしてる奴もいた。卒業式には警察が張っ