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ジュウ・ショのサブカルマンガマガジン

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マンガについてサブカルチャー的な視点から紹介・解説。 学術書とか解説本みたいに小難しくなく、 極めてやさしく、おもしろく、深ーく書きまーす。
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2021年1月の記事一覧

「私を構成する5つのマンガ」を超いまさらやってみる

「いや、いまさらやな!」と思うだろう。そうです。いまさらやりますこのハッシュタグ。「#私を構成する5つのマンガ」が流行ったのが2020年の4月。約7カ月遅れて流行りに乗ります。もうほぼ波ないです。凪です。 だって「構成する」って! 緊張するじゃない!「私の好きな」じゃウケないのは分かる。でも構成するって、もう人間性が決まるみたいな言葉で怖いじゃないか。もうなんか、その人の生き方とか考え方が決まるじゃないですかマンガの趣味って。でも今年は毎日更新を決めたので、これはもう、私の

漫画雑誌・ガロを徹底解説!おすすめマンガ、代表的な作者一覧など

いわゆる「サブカルマンガ好き」のペルソナとは誰なのか。例えば諸星大二郎、伊藤潤二、大橋裕之、などなどのマンガを好む層は、どこが厚いのだろう。 さすがに中学生はまだ早い。高校生もまだ沼に浸かる人は少ないだろう。とはいえ就職すると、クリエイターなどの特殊な仕事じゃない限りは、みんな丸くなって、自分から情報を探らなくなる。 そう。サブカルマンガの濃いターゲットは大学生(青年層)だ。そして「青年がサブカルマンガを好むこと」を発見したのが雑誌・月刊漫画ガロである。前後の文脈は以下の

【2024年最新版】マンガの歴史を総まとめ! 代表作で振り返り【平安時代から令和まで】

普段からマンガ作品・作者の記事を日々アップしている私。できるだけ前後の文脈を含めて、点ではなく線でわかりやすく書くことに努めています。 ただ、実際のところ漫画の歴史をぜんぶ確認できる場所があったほうがもっと分かりやすいと思いまして、今回は日本の漫画(マンガ)の歴史を一気にデータベース化してみます。 鳥獣戯画から呪術廻戦まで、1000年近い歴史を振り返っていきますので、ぜひご覧くださいませ。 平安時代〜江戸時代までのマンガの歴史平安時代〜江戸時代までの主な漫画作品一覧

【鳥獣戯画展も!】鳥獣戯画の解説文!作者不詳・日本初の漫画が意味することとは?

漫画とは日本の重要なカルチャーであり、私のような日陰で生きる民族としては、特に生活に深く関わってくるクリエイティブの1つだ。 毎週のように漫画を読んで爆笑し、漫画を読んで号泣する。漫画によって誰かとつながって、漫画について話しながら生きてゆく。我々はもはや漫画を単なるエンタメとは見ていない。漫画がない世界なんて考えられない。息を吸って吐くようにページをめくって絵とセリフを味わいたい。 そんな、つい人を熱くさせる漫画の世界だが、皆さんは日本で初めて描かれた漫画をご存知だろう

【自己紹介】私がnoteでやっていること・やらないと決めていること

突然ですが、フォロワーさんからこんなメールが届きました。(送信先は伏せますが、ご本人さまにちゃんと了承をいただいてます〜!) 月に数件ほど、法人だけじゃなくて個人の方からもメールとかTwitterのDMとかをいただけるのですが、正直めちゃんこ嬉しいです。はしゃいでます。勝手に友だちと思ってます。懇切丁寧にお返事させていただきますので、お気軽にどしどしください。 話を戻そう。私「カルチャーを知ると、もっと作品がおもしろくなる」をコンセプトに記事を書いとりますが、そもそも「こ

Netflix版「今際の国のアリス」の実写化が原作を超えてる件

『今際の国のアリス』は週刊少年サンデーで連載されていたマンガです。2020年の12月にNetflixで実写ドラマが解禁になったんです。今をときめく山崎賢人くんと土屋太鳳ちゃんが主役で。 「実写化決定(バァーン!)」となったとき「はい爆死フラグいっちょあがり!」と正直思ってて。これたぶん「神様の言うとおり」みたいになるやろな、と思ってました。いやしかし蓋を開けてみると超おもしろくて、世論も大絶賛の嵐ですよ。今回は(ちょっといつもの記事と趣旨が違うけど)Netflix版・今際の

サブカルチャーとは? 日本と海外の意味の違いを事例で簡単に解説【アニメ・マンガなど】

前回の記事で「カルチャーとは」について「メインカルチャー・サブカルチャー・ハイカルチャー・カウンターカルチャー」に分かれまっせ!」ということを、そこそこちゃんと説明した。 しかし、実はすごく大事なことが抜け落ちているんです。土下寝しつつ白状します。この4つのカルチャーのなかでも「サブカルチャー」に関してはちょっとややこしいのだ。 この部分はそもそも人種的な背景もあるし、日本で使う際は少し違う意味になったりする。ちなみに私のマガジンは「日本でいうサブカル」ですので悪しからず

カルチャーとは?メイン・ハイ・サブ・カウンターの4つの意味を事例で紹介

さてさて、私は「サブカルマガジン」と銘打って、マンガ・アニメ・映画・音楽・映画・美術などなどについて日々記事を更新しています。 ただ「そもそもカルチャーってなに?」という前提を書いておかないと、このマガジンがなんのこっちゃ分からない。いやこれホント全力で自省の念が爆発したわけでございます。今年はマジで毎日、記事を更新していく姿勢ですので、ここでバァーンとはじめての方に向けて、カルチャーの概要について大紹介します。 そもそも文化(カルチャー)には4種類あるまず「カルチャー」

今敏のOPUSを解説!”すべてのマンガ好きが喰らう”メタの衝撃

今敏のことが好きすぎてついつい記事にしちゃうんです。ちょっと「もうしつこい」ですよね(鬼の自覚)。すみません好きすぎるので、全作品いくまで語らせてください。 今敏はアニメ監督として「パーフェクト・ブルー」「東京ゴッドファーザーズ」「千年女優」「パプリカ」「妄想代理人」などで知られている。アニメ監督としての遺作は公開出来なかった「夢見る機械」です。「未完の遺作」という中二心をくすぐる言葉。 しかし彼はもともとマンガ家・作画屋さんで、マンガ作品はアニメと同様に寡作。全部で4つ

マンガ界最強キャラは「コジコジ」に決まりました

「マンガ界でいちばん強いキャラ」はもうずいぶん前からひっきりなしに討論されてきた男の子の永遠のテーマだ。 「悟空だ!」「いや、DIOだ!」「いやいや両津勘吉だろうが!」とあの討論が始まったらもう一生抜けられん。たまに「野原ひろしだ!」とかいう奴おるけどなんなん? 足の臭いで草木枯らすシーンでも想像しているのか? 「りぼん」の伏兵・コジコジ ところでこの「漫画キャラ最強決定戦」をするときって、なぜかジャンプのキャラに限られる。気づいたら集英社以外のキャラ名出すと、なんかこ

諸星大二郎について|経歴・暗黒神話・妖怪ハンターなどおすすめ作品・2021年新作レビュー

「諸星大二郎が好き」 もう、この言葉は私の周りでは100%言われるものだ。「100%」ってなかなか書けないよ? 超ハイリスクな言葉だが、いやでも本当に100%なのだから、胸を張って書ける。 「いくえみ綾のデリケートな人間関係が好き」という友人や「コナンの巧妙すぎるトリックが好き」という、まったく趣味の違う友人におすすめしても「すげえ面白かった」と興奮気味に感想を教えてくれて自発的に2冊目を買っていたりする。 もしかしたら「ワンピースの仲間観ってはんぱねぇよな!」とZIM

【相関図あり】カードキャプターさくらの恋愛観はもうほぼヒッピーです

元日からネカフェでカードキャプターさくら(クロウカード編)を全巻読んでぼろぼろ号泣した私です。いやホント名作過ぎるやろ。CLAMPやっぱすごい。アシ無しで描いてるのマジか。ちょっとペンが速すぎるよね。 しかしひとしきり感動した後、トイレに行く途中に「……いやちょっと待てよ」と気づいた。いや恋愛模様が自由過ぎるやろ、と。LGBTとかもうそんなスケールじゃないぞこれ。倫理観が爆死してるぞ。思考が完全にヒッピーだぞ、と。なんだ?友枝町は1960年代のカリフォルニアなのか?「あれ?

あずまんが大王について|空気系(日常系)を生んだアニメ史に残る作品

最近、あずまんが大王のアニメ版を一気見してしまい、それはそれは懐かしくて、いろんな黒歴史がハリポタのディメンターみたいなツラして襲いかかってきて、気づいたらベッドで息絶えていた。 えらいよねポッター。「ウィンガーディアムレヴォオーサー!!」って。そこそこ長文をあんなすらすらと。「アッ!」とかにすりゃよかったよね。私もとっさに唱えようとしたけど、もう声が出んかった。「ひゅぅ……ひゅぁ……ぁ」みたいな。漫画版「バトルロワイヤル」で三村がやられたときみたいな声出た。 だって観た