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常に反対意見を言う人が必ずしも悪ではない…と思うンゴ!

こんにちは、坂口ジャス子です。私にも労働が尊いと信じてやまない時期がありましたが、最近は土地を奴隷のようにこき使い、土地に向かって「2万円/時間稼いでこい!!」と全宅ツイのように絶叫したくなっています。ちなみに似たようなことを夫に話したところ、かなり冷ややかな目で見られたので夫婦仲が一瞬危うくなりました…。

さて、先日コーンフレークを食べながら以下のようなツイートをしました。

すると

・反対意見だけを言うからこそこのような意見が出る
・いつもどんな事案に対しても反対しかしない人がおり、辟易している

という主旨のリプライや意見を頂きました。先に述べておくと、実際に常に反対意見ばかり述べる人はいますし、そういう人に対して私は一ミリも好感を持てないです。もっと言うと、プライベートであれば速攻縁を切ります。

なので、今回の件はあくまで「組織」という箱の中を限定として話を進めていきます。

心理的安全性

ここ数年、心理的安全性という言葉が浸透してきました。組織の中で、メンバーそれぞれが自分の考えや意見を安心して気兼ねなく発言できると感じられる状態のことを指します。確かに既存のやり方への疑問や新しいアイデアを気兼ねなく発言することが出来れば、組織の知恵の促進は大いに期待できます。

釈迦に説法ですが、この心理的安全性のコンセプトのルートはハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソンの研究です。端的に言うと、看護師のアンケート上「素晴らしいリーダー」で関係性が構築された病院は、「最も良くない」リーダーがいる病院よりも10倍のミスを報告していました。

結果に驚いたエドモンドソンと彼女の同僚が病院を調査したところ、良い病院ほどミスを報告するのは、そうすることに対して心理的安心感があるからということ、そして良い病院では「失敗を報告するのは当然で、よくあること」、そして「薬の失敗は命につながる重大事で、必ず上司に報告しなければならない」という考えが浸透していました。

一方、失敗がほとんど報告されない病院では、調査に協力した看護師が「失敗をしてはならないという雰囲気が大変強く、ミスをしようものなら大目玉を食らう」という主旨の回答をしていたというのです。

そして医師や事務から「非常に優秀」という評価を得ている看護師ほど、見えないところで何度も同じミスを繰り返していました。

でも、実際心理的安全性って難しい

しかし実際、心理的安全性を実現するのはそう簡単ではありません。チームというのは一見似たようなメンバーが集まっているようですが、おにぎりのように色んな形の米粒が集まっています。心理的安全性はチームや組織といった集団レベルでの話ですが、因数分解すると2者の信頼、つまり個人対個人の信頼にたどり着きます。

やはり冒頭のように常に反対意見を述べる人に対しては、なかなか信頼関係は構築されません。いとも簡単に人格に対する批判的な感情が沸き上がるのが人間です。

課題認識・課題解決に対する評価に性格の結び付けって、どうなの?

ですが、ここで一呼吸して思い出してほしいのが、仕事において評価されるべきことは課題認識と課題解決であり、それに対する評価と人格評価は全く別物です。大体反対意見が出るような場は、現状に課題があるため何か対策を取らないといけないケースが多いです。そういった場合、前述の通り「では、なにが課題なのか?」「どう課題を解決するか?」「課題は解決できたのか?」が評価の基準になると思います。そこに「この人はいつも反対意見しか述べない」という性格の結びつけは適切ではない、というのが私の個人的な意見です。

また、行動原則とまで言いませんが、チームにおいての意思決定では「やるメリットがデメリットを上回ったらやる」、「完璧な提案などないが、今振り絞ったアイデアの中で一番いい提案なら着手する」というような方針を出来る限りマネージャーが浸透させてるか、というところにも目を配りたいです(※方針は各社違うと思います。あくまで例です)

組織の学習を促すのは小姑だったりする

それでも、反対だったり批判的意見を言う社員について頭を抱える方もいらっしゃると思います。では、どうすればいいのか、という時にまた心理的安全性の話に戻ります。エドモンドソンの調査によって、組織の学習を促進させるのは、うるさい文句屋だったり、うるさいチクリ屋という結果が出ています。批判的な意見を言う人は見方を変えると、リスク管理の観点から問題の芽を早く見つけたり、その場で問題を解決する機会を作り、関係者すべてに問題を知らせる側面があります。

また、個人的観測内ですが、批判的な意見からスキームの穴が見つかるということもあります。全組織が明るいビジョンを盲信している時ほど、問題点に気づかなくなるものです。

このnoteを書いていて思い出したのですが、昔私のメンターが「チームのためになる批判はwelcome、ただ他人の責任をあげつらうなら一回腹の内に収めて」と言っていました。この言葉から得られるヒントはいくつかあるのではないでしょうか?


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