音楽座ミュージカル「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」草月ホール
★ナナたすペア
畠中さん、初舞台の日はめちゃくちゃ緊張していたようで、その場に意識がないような、彼の周りだけ空気感が違うみたいな印象。そうかこれが初舞台・初主演の状態なのかと。
翌日、全然空気感が違って「おっ!いいじゃん!昨日はなんだったんだ?」と思わせてくれた。更に3公演目になると、引き込まれる。ちょっと天然感があるのが、初演ののぶさんをちょっと思わせるけど、うーん、どちらかと言えば「芳雄さん系」かな。1幕おわりから一気に男として成長する・・・っていうよりも、徐々にしっかりしてくる感覚。どちらかというとしっかり者のお佳代を、優しく包む悠あんちゃん。3公演の変化がすごくて、本当はこれでこのペア見納めだったんだけど、どうしても終りの頃のこのペアが見たくて広島オイチケ。
あ、菜々ちゃんは、もう自然に悠あんちゃんを受け止めていましたね。毎回違う公園での悠あんちゃんの動きに反応しての動き。今は畠中さんから投げられたボールを丁寧に返している感じですが、慣れてくるともしかして、逆もあるのかなと思います。(土居さんはいろんなボールをのぶさんに投げていましたね)
★もりコバペア
こっちはパワーのペア。森さんがとにかくはじけている印象。過去に虐待をうけていたにも関わらず、まったくその感覚を感じない。虐待から精神的に逃れるために別人格作って「それは大阪に置いてきましたっ!」みたいな。もしかするといつかその黒い部分も爆発するのかもしれない、そんな危うさも持ち合わせている明るさ。啓也@ゆうあんちゃんはそんなお佳代を力強く抱きしめて守る男らしい悠あんちゃんでした。歌って・踊って・芝居してと揃っている啓也君は「エンターティナー」ですね。このペアはあと2回見られる(笑)
お佳代と悠あんちゃんって、ほんと見た目じゃなくて人柄っていうのは、前回の特別カーテンコールでの「姿は源兵衛だけど、悠あんちゃん」ののぶさんと土居さんで実感していますが(笑)
★修也さんと三婆
1シーンですが、存在感十分。舞台上での修也さん復活はやっぱり嬉しい。そして今回の三婆も個性が強い(笑)話自体面白いのに、藤さんの動きが面白すぎ、対する修也さんも。大阪や草月初日は藤さんの「んだんだ」が聞き取りにくかったけれど、だんだん聞こえてきてやっぱりハマる。
★めっちゃ怖い源兵衛さん
いままでの源兵衛さんの中で、一番怖くて一番いやらしい感じ。さらっと「指5・6本つめてもらいまひょか」だったり、「この子のことなーんも知りはりませんな」を悠介に言うときに、お佳代に視線を飛ばし脅しているのは、お佳代に対しての恐怖だろうし、手をさするのは「俺の女」感が出ていて、子供の頃から性的虐待をしていることを感じさせる。のぶさんの源兵衛の時には一瞬「父親」の表情が伺えたけれど、今回はいろんな意味で「怖かった」
★ケンタウルスの3人と早瀬
初演の時の久保さんは「床屋さん」じゃなかったわけですが、なんの職業だったんでしょうね。ちょっとそれを想像するのが楽しい。革ジャンと革パンツ。あの服装はバンドマン崩れの・・・? 本間さんの出演でケンタウルスのW悠あんちゃんは嬉しい。そして今回の春江さん、優しくて涙もろくて素敵です。のぶさんは、カツラ使いましたが、年齢設定いくつにしたのかな?50歳代?カツラなくても全然問題なかったかも。相変わらず、優しいマスターです。今回は引越のお手伝いには行かなかったようですが、「家族同様感」があって好きなシーンでした。
あ!今回久しぶりに早瀬@たまさんが沢山踊っていたのがなんだかうれしい。
★セット&照明
照明はレーザー光線をうまく使って異空間やオリーやミラのポットを表していて「さすが」と思いました。そして小道具達。引越の箱がそのまま家具になったり、ケンタウルスのカウンターが早瀬宅のピアノとソファーに変わるなんて。全国公演の移動にコンパクト化されていて感動!
ただ、草月ホールのステージは、今回は狭かったよね。
★音楽と作品
ミュージカルの音楽って、印象強い曲は繰り返しカタチを変えて流れてくるのだけれど、初演バージョンはまだそれがはっきりしていないように感じる。オーバーチェアもないしね。「ドリーム」と「愛しのお佳代」がテーマ曲だったのかな。再演後にオーバーチェアが出来たり、「わからないでしょう」がカタチを変えて2幕でお佳代のメロディーになり、ラストのミラとオリー復活の時の曲になったのはミュージカルとしての形を整えてくるのと同時に感動を倍増させてきたように改めて思う。
「創ろうメロディー」は、東宝版で物足りなかったので、やっぱりこっちだな(笑)
脚本も「あ、そうだったの」というのは、ラストの迷路での会話。去年までは、悠あんちゃんが「ここから出よう!」というのに対して今回はお佳代が言っている。お佳代強い(笑)
そして「迷路から出るお話」ではなくて「迷路で出会うお話」という意味が今までよりも理解しやすい、脚本だったな。
★年末配信
年末には配信が決定しているのだけれど、どちらのペアを配信するのかな。両方お願いしたい所です。絶対両方見ます。