名建築で昼食を 勝手に関西編(第9話)
ドラマ「名建築で昼食を」の勝手に関西バージョン。
妄想8話目はこちら↓
ドラマの9話は「国立国会図書館 国際子ども図書館」
帝国図書館として建てられ、2000年に安藤忠雄の設計でリニューアル。ずいぶん前に訪れたきりだったのでアーチ棟という新館ができていたのは知らなかった。これで当初の計画通り、中庭を囲むロの字型の建物になったということ。この建物の歴史を知らないと気付けないことだった。
新たに作られたバルコニーによって100年前のタイルやレリーフがすぐ近くで眺められる。漆喰化粧柱がある空間もよかった。階段と「おすとあく」の扉プレートも味があっていい。
インタビューなどを読むと、安藤さんは図書館に並々ならぬ思い入れがあるように思える。今年オープンした大阪の「こども本の森 中之島」にはまだ行けていないけれど、神戸でも同じような図書館の計画をしているそう。
まあ、安藤さんだからこそ行政も土地を提供するんだろうと思うけれど。これから長い間、人々に使われ続ける建築になればそれが一番だと思う。(大阪は運営がほぼボランティアなのが気になる。公共文化施設に見えるけれど大阪市が運営しているわけではない。寄付で12年間運営できる額が集まったとニュースであったが、それ以降は?ちょっと怖い。)
と、まあ図書館の話はこのぐらいにして、勝手に関西編。
歴史的建造物をリニューアルした建物繋がりで、この美術館をご紹介。
京都市京セラ美術館
京都、岡崎にある美術館。2020年にリニューアルオープン。オープンして間もない頃に訪れた時撮った写真でお送りします。
設計は青木淳・西澤徹夫設計共同体。設計者の青木淳さんは館長でもある。
元京都市美術館だったこの建物、現存する日本の公立美術館では最も古い。休館していた時期が長くあり、岡崎公園に来るといつも閉鎖されているなんか凄く重厚な建物、といった感じで中に入ったことはなかった。
公募型プロポーザルで決まった青木淳案を見た時、楽しみだと思う一方でこんな古い建物の足元に現代的なガラスのカーテンウォールの組み合わせるって違和感ない?と疑問に思った。エントランス広場のスロープも、ゲリラ豪雨の時大丈夫?とか。
けれど実物を前にするとそんな違和感はなかった。なんか不思議…
正面と反対側の外観。 国際子ども図書館と同じく、既存の建物の1階部分をガラスで覆うように増築されている。
モニターの裏が映っているけど…新旧の取り合いはこんな感じ。銅の樋がまだピカピカ。サンルームのように明るい空間になっていて、日本庭園が一望できる。
ちなみに現在の日本庭園の池に浮かぶのは現代美術家、杉本博司のガラスの茶室「聞鳥庵 (もんどりあん)」。もちろん実際に使える茶室。
写真にはないけれど、茶室に向かう前にある待合がいい意味で非常にそっけなくてよかった。待合はあったけれど「つくばい」ってあったっけ?
いきなり裏手に回ってしまったけれど、正面入り口から入り、チケット売り場を通り階段を上がるとこのホールに出る。このホールから各展示室に入っていく流れ。2階廊下と螺旋階段は今回のリニューアルで作られたもの。
いざ中に入ってみると歴史ある美術館の趣がほぼそのまま残されている。石がすごいなぁ。圧巻。
こちらはリニューアル前に玄関ホールとして使われていた場所。細いアイアンの手すりは今回設置されたそう。
階段を上がったところ。シャンデリアにステンドグラス。乙女建築要素あります。こちらにもアイアン手すり。既存の雰囲気の邪魔せずに安全性を確保している。
すり減ったタイルも残っている。たくさんの人がここを通った跡。
あと中庭も2か所あるんだけど、新館での展示しか見ていないので中庭には入れていない…
新館の屋上は広々としたテラス。東山の景色が一望できるし日本庭園も上から望める。
このテラスから本館に入った部屋にあったのがこの模型。コンペの時に提出した模型なのかな。
そうだ、昼食を食べる場所の紹介を忘れていた。
カフェENFUSE
エントランスの横、ガラスリボンの中にあるカフェ
地元京都の食材を使ったプレートランチなどがいただける。展覧会に合わせた和菓子もあったような。
美術手帳の記事にあった。コレクションごとに変わるのかな?
最近ピクニックプランが始まったそうで、これがなかなかに素敵。カゴにお弁当を詰めて岡崎公園でピクニックができる。ラグや手ぬぐい、展覧会カタログも借りれるので手ぶらでOK。
写真はカフェのHPよりお借りしました。
次回はとうとう最終回。番組公式HPでは9つの建物が掲載されていたので、てっきり9話完結なのかと思っていた。
最終回は江戸東京たてもの園内にある「前川國男邸」そしてもうひとつ千明さんが藤ちゃんを連れて行く場所とは??
勝手に関西編も10話完結目指します☆
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