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わたしが出町座に行った日

京都にあるミニシアター「出町座」の企画に私も参加させてもらおうと思って。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

集まったみなさんの記憶が、まだ出町座に来たことがない方にも楽しんでいただけるものになればいいなぁとも思っています。

出町座は2017年にオープンしたミニシアター。前身は「立誠シネマ」という小学校跡地(現在ホテルに改装中)の中にあったシネマ。

豆大福が名物の「出町ふたば」がすぐ近くにある「桝形商店街」の中にある。実はすぐ近くに住んでいたので、商店街の八百屋さんやスーパーで買い物したり古本屋や100円ショップに行ったり阿闍梨餅を買ったり、とよく足を運んでいた。そして、ずっと空き店舗だった元ドラッグストア(たぶん)の場所で何やら工事が始まった。

何のお店が入るんやろ、映画館?あ、立誠シネマが移転するんや、ずっと工事してるけどいつできるんやろ、なんかクラウドファンディングやってるらしいで…と買い物ついでに前を通っては夫と話をしていた。

そしてその年の暮れ、少し早めの冬休みを取って行った旅行から帰ってくるとピカピカの映画館がオープンしていた。さっそくこけら落とし上演の「リュミエール!」のチケットを買い、階段を上って2階のスクリーンで観た。

映画の原点とも言われるリュミエール兄弟が撮ったショートフィルムの数々。物語ではなく人が行きかう街の風景が多いんだけど、絶妙なアングルで切り取っていて見ていてちっとも飽きなかった。

ちょうどその時期にインスタグラムで「ストーリーズ」という機能が始まったばかりだった。日常の何気ない瞬間を撮った画像や動画を、フィルターやスタンプで編集して気軽に投稿できる仕組み。自分が見た風景を他の人にシェアしたいと思ったり編集して自分を表現してみたいと思うこと、それは100年前のリュミエール兄弟と変わりないのかも、と思った。

それから出町座には何回か映画を観にいった。「カメラを止めるな!」が流行った時は、連日チケット完売の張り紙を見ていたので朝イチでチケットを買いに行ったりもした。(近所の特権☆)

私は映画がすごく好きというわけでもないし、詳しくないし、海外俳優の顔と名前が覚えられない(日本人もだけど)し、年に数回しか映画を観ないけれど映画館という空間が好きだ。もちろん画一的なシネコンではなくミニシアターと言われる場所が。

はじめて出町座で映画を観た帰り道。歩いて帰れる場所に映画館があるって最高やな、と思った。それからしばらくして出町座の近所から引っ越し、子供が生まれ、気軽に映画館にはなかなか行けない状況になった。そして現在やむなく休館中だ。それでも出町座はずっと、あの商店街の中にあると思っている。またあの赤い扉を開いて映画を観に行く時を楽しみにしている。

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