終劇。これからも続く物語として
二度の延期を経て
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が
2021年3月8日に公開される。
エヴァンゲリオンという、1つの物語が終わる。(はずだ‥)
どれだけの人が楽しみにしているのだろうか、
どれだけの時間がこの作品に費やせられたのだろうか。
正直な胸の内は複雑で、
観たいけれど終わってほしくない。
終わってほしくないけど、
続編はやって欲しくない‥もう待つのは嫌だ。
なぜこの作品にこんなに自分が思いを馳せるのか、
たぶんそれは2016年に開催された、スタジオカラーの10周年で製作されたアニメーションを観たからだと思う。
「おおきなカブ(株)」
安野モヨコが本展のために『監督不行届』番外編として描き下ろし、スタジオカラーがアニメーション化した作品。
会場ではモニターの前に椅子が用意してあり、入替制で視聴していく。
何気なく見ていたし、自分でも凄く驚いたのだけれど、
最後に発せられた庵野監督の台詞でぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。
入替を促すスタッフ、近くの席に座っていた人達が涙を流している自分を見て困惑し、心配そうに見つめられた。
大丈夫です。と口では言いつつも、
一番困惑していたのは当の本人で、
俯きながら逃げる様にその場を離れた。
涙の原因は、
庵野監督の台詞に込められた「覚悟」に他ならない。
その時の自分には、とても深く刺さった。
体調を崩して転職したが、
もう一度、ジュエリーの仕事に戻ろうか悩んでいた時期だったので、台詞に込められていた「覚悟」に圧倒されてしまったからだ。
前作の「Q」から約9年、長かったけれどあっという間だった気もするし、寂しくもあるけれど、「やっと‥」という気持ちで今はいっぱいです。
3月8日に映画館に観に行くけれど、
たぶん
誰かと感想をシェアする事もなければ、
考察したりする気もないし、
何度か映画館に足を運んで、
自分の中の「エヴァンゲリオン」が終わりを告げるのだと思う。
庵野監督の台詞に込められた「覚悟」を確かめに、見届けに行くのだと。
自分の中ではそんな作品なのだと思う。