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採用と戦略

戦略とやり抜くこと


やり抜くというと実行のイメージがありますが、戦略を描く時にも何かを選んだ、逆に言うとやらないことを決めたことに対する覚悟が必要だと思います。この覚悟がないと、実行の部分で戦略と整合性がなくなり、結果的にやり切ることが出来なくなると思います。

GREEの田中さんの話でこんなものがあります。あるとき戦略的なことを三木谷さんの前で偉そうに喋ったことがあるんです。そしたら「お前は本当に馬鹿だな」と言われまして(笑)。三木谷さんは「やるかやらないかなんだよ」って言うんです。各社の戦略なんて多くの場合同じだから、実行するかどうかが99%だと。まさに採用も同じだと思います。いかに素晴らしい戦略を頑張って作ったとしても、実行する際に意識されなければ、無駄な仕事になってしまいます。

採用では常に戦略を軸に考えていく必要がありますが、まず最初に考える採用要件からして戦略そのものだと思います。例えば、採用要件を考える際に、優先順位が明確でないことがよくあります。直近の戦力として即戦力の方が欲しいのか、カルチャー浸透など組織としての強度をあげるための年齢や定着性などの側面を求めたいのか。採用要件は様々な変数で成り立っています。その中でトレードオフを意識して何のための採用か優先度を整理すること。目的に従って戦略を立てていくことが大切になります。

また、採用要件では、欲しい人材をドリルダウンして明確にすればするほど、ターゲットは少なくなり、採用難易度はあがっていきます。それが戦略と整合性がとれていれば何も問題ないですが、無自覚にそこを突き進むのは、犬の道になります。要件を増やすことではなくて、真に欲しい要件は何か、そぎ落としていく方が採用にとっては大切ですし、その過程で本質的に会社が大切にしていることや組織課題が浮き彫りになってくると思います。

やり抜くこと。採用に限らず自身の成長のためにも必要なことだと思います。自分の中で決めた基準をどこまで上げられるか、そこにどれだけ真剣に向き合えるか。自分と向き合う強さが求められます。なかなかしんどい時もあると思いますが、それを辛抱強く続けていくことがプロフェッショナルだと思います。

戦略の作り方

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