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ペライチ小説~一言多いコンビニ~


店員『いらっしゃいませ』
客「タバコ、121番下さい。1日2箱吸うので2つ」
店員『かしこまりました。お弁当は温めますか?』
客「温めて下さい。家まで少し距離があるので熱めで」
店員『箸はお付けしますか?』
客「ください。家にも当然箸はあるのですが、貰えるものは貰っておけっていうのがウチの家訓でして」
店員『袋はいりますか?』
客「ください。流石に素手でお弁当を持つと熱いし、袋は家のリビングでゴミ袋としても使っているので」
店員『大きい袋と小さい袋ございますが?』
客「小さい袋で。2つの選択肢があるのなら、謙虚な方を選べっていうのが高校時代の野球部の恩師の教えなんですよ」
店員『当店のポイントカードはお持ちですか?』
客「持ってないです。ポイントカード作りたいんですけど、よく財布を無くすタイプでして。駅前の交番のお巡りさんとはそのお陰で顔見知りになりましたよ」
店員『今なら無料でお作りできますが?』
客「結構です。作ってもたぶん無くすし、あっても中々ポイント貯まらないと思うんですよ」
店員『今はポイント3倍キャンペーン中で作るだけで500ポイント貰えますよ。貯めたポイントは他のお店でも使えて、僕が今履いてるスニーカーも実はポイントを貯めて、駅前の靴屋で買ったんですよ』
客「いえ大丈夫です。あまりこのお店も使わないと思いますし、財布にはお金以外入れたくないたちでして。靴も僕は一足を壊れるまで履くたちでして」
店員『そうしましたら袋代も合わせて1125円です。現金で支払う場合はそちらの画面にタッチお願いします。画面タッチできるようになったのは今週からで、雨の強かった日からのスタートだったので、最初中々お客さんが来ないから上手く使いこなせるかドキドキしましたよ』
客「現金でお願いいたします。タッチと言えばアニメ「タッチ」。子どもの頃の夏休みを思い出しますね」
店員『はい、ありがとうございます。お釣りとレシートの受け取りお忘れなく。ウチのお店の常連に子どもの頃から30年以上レシートを集めてるお客さんがいるんですよ』
客「レシート僕はすぐに捨てちゃいますね。取っといても特に使うこともないし、何でもすぐに捨てちゃうたちで。この間大事な領収証も一緒に捨てちゃって大変なことになりましたよ。それじゃ」
 

ひとり~の小さな手~♬なにもできないけど~♬それでもみんなの手と手を合わせれば♬何かできる♪何かできる♪