見出し画像

子どもとの交換ノート

こちらの記事でも紹介させていただいた成長ノートについて、今現在の実践記録をしていきたいと思います。

※菊池省三先生から学び自分なりにアレンジして実践しています。

0.成長ノートとは?

成長ノート。

すなわち、子どもの社会に向けた成長につながるノートのことで、自己内対話を繰り返すことで心を育てることを目指します。そして、教師と児童との信頼関係の構築を手助けしてくれるものです。

毎日、テーマを与え、作文しています。

ここでのテーマは、教師側から与えるものもあれば、子どもたちから出たものをテーマにしています。

例えば・・・

・修学旅行の振り返り~成果とこれからに向けていかせること~
・運動会、なぜ成功へと導くことができたのか
・○○さんの成長を考える
・感謝という言葉について考えること

などなど、様々です。
初めは、「自己紹介」などからスタートしていきました。

1.書く力の向上

続けていくことで、書く力が格段にレベルアップしました。

「書く」

という行動一つをとっても

思考(自己内対話)⇒(文章)構成⇒言語化(アウトプット)⇒評価

という流れがあるかと思います。

この流れを成立させるためには、

動と静の切り替えがないとできないものだ」

と子どもたちも理解していったため、集中力も次第にレベルアップしてきたと感じています。

そして、「書く力」ですが、単純な量的な力にとどまらず、質的な広がりを見せてきました。

3・4年生と文章を書くことが苦手で、作文と言うだけで取り組むことができなかったAくんを例にとると・・・

5年生の2学期には、書くことに慣れ、クラスの誰よりも2枚目の作文用紙を手に取り、誇らしげに自分の席に戻っていきました。
6年生の今では、書くことが大好きになり、「はじめ・中。おわり」といった文章構成も考えられるようになりました。
その姿は友達にも認められていて、今では常に国語辞典を机に出し、たくさんの言葉に触れながら作文しています。

書く力が伸びると読み取る力も身についてきました。

点数にもその影響は大きく出ていました。

なにより、「文章で友達に認められた」という事実が自己有用感を高めたようです。

こちらの記事のアンケートの成長もその一つです。


2.自己内対話

このノートは、まさに道徳教育そのものだと感じています。

日々の生活の中で自分自身と会話し、素直に言語化することで明日の自分の成長へとつながっているのかと思います。

「振り返り」を行うことで、今の自分自身の成長段階を確認することができているのでしょう。

これは、各教科にもつながっていて、たとえば、算数の授業では・・・

スクリーンショット (129)

こんな具合に、授業での気づきと、友達への称賛これからに向けてを5分から10分で500字以上の作文をしています。

スクリーンショット (130)

振り返り作文では、上の掲示物を作り、ナンバリングラベリングを意識しています。

こちらの記事でも記録させていただきましたが、自分自身を素直に受容する姿も見られるようになりました。

その根底には、「何を書いても大丈夫」という安心感を与えることが大前提です。

3.教師と子どもの縦のつながり

この実践を左右させるものが、担任としての肯定的なコメントだと思っています。それが上記した「何を書いても大丈夫」という安心感を与え、教師と子どもの縦のつながりをより強いものにしてくれるのだと感じています。

私は、まだまだ言葉選びが未熟で、日々コメントを書きながら勉強しています。

画像3

この時のテーマは

「修学旅行を終えて、思うこと・反省・これからに向けて」

でした。なんと、この子は、修学旅行にまで成長ノートを持っていき、寝る前に自分の一日を振り返っていたのです。(すげー!!!!(笑))

この時、反省点が出てしまうことに嘆いている様子でした。

そこで、反省は、成長への大事なステップだということを伝えるとともに、教室にもこの作文を共有し、「反省は成長への意欲」だということを確認することができました。

画像4

ターニングポイントだな!と思ったときには、お手紙も書きます。

こんな具合に、子どもたちの心の声と向き合っています。

時には、私へのダメ出しや励みを書いてくれたりしていて自分の勉強にもなります。

「先生!素直に書きすぎちゃったかな?(笑)怒らないでね!怒らないでね!絶対怒らないでね!」

なんて言われたりしちゃったりして・・・(笑)

4.内緒話

ここまで、子どもたちの自分の成長と教師との縦のつながりを書かせていただきましたが、実はすごく効果的に働きかけるのが子ども同士の横のつながりの促進です。

画像5

これは、成長ノートに自主的にクラス全員に対するコメントを書いてきた子のものです。これを、仲の良い子・最近すれ違った子などにこそっと、

「○○さんがね、こんなこと書いてたよ!」

とノートを見せるとその子たちにとっては救いの一声になるようです。

たまに、

「先生!○○さんが~なことをしてたよ!素晴らしい!」
「これ・・・○○さんの良さ、ぜひ伝えてほしい!」

と、伝えてくれます。


5.まとめ

日常に心の学びの種が転がっていると思います。でも、こなさなければならない学習内容。
その中でも、心に訴えかけ自己内対話をすることで、結果的に…

・書く力の向上による学力の向上
・学ぶ姿勢
・成長しようとする姿勢
・縦と横の信頼関係の構築
・価値あるミスにする姿勢
・成功体験の積み重ね

が見えてきました。
継続して良かったなと思うものでした。何より、ひょんなことから「あっそんなこと思ってたの?笑」という発見があって面白く、子どもとのつながりを感じられます。そして、素直に「凄いなぁ成長してるなー」と嬉しくなっちゃいます(笑)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?