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長期円安傾向からの脱却は荒療治が必要だ

(原文 2022年5月10日作成)

円安傾向が止まらない。『有事の円』⇒戦争やリセッションに強い円という意味と呼ばれたころが懐かしい。ロシアのウクライナ侵攻による資源高、コロナの影を引きずる不況、中国の景気減退等など負の要因が多い中で、今までは円高に振れてきたのに円安が進行する事態は、国際競争力が劣化しつつある深刻な日本の将来を予感させる。

アメリカは実質景気が良くなりインフレリスクが増えてきたので金利を上げ、日本は1200兆円に及ぶ債務の金利支払いを抑えるために金利を抑えざるを得ない。よって金利の稼げるアメリカやヨーロッパにお金が移動して、日本円がますます弱くなってくる。

経済評論家は、今の円安は良い円安で心配するに及ばないと言っている。しかし長期のスパンで見ると投資家から見ると円の競争力が落ちて、日本の成長が危ぶまれるからこそ円安傾向が続いている訳で、長期的に円が強くならない限り日本の未来はない。

世界の3大投資家の一人ジョージソロス氏は、7年前に日本売りを始め、5年前すべての日本投資から撤退した。日本への不動産投資は5000億円だったが全て高値で売り抜けた。僕がテナント出店しているクワンチャイ神戸店は、オーナーがジョージソロスから星野リゾートに変わった。そして岸田政権に変わった今、岸田ショックと呼ばれ、欧米の投資家たちは音を立てて日本から撤退し始めている。日本に未来は無いとみている。

戦後GHQによって円相場は円周360度から基軸通貨ドルに対して1ドル360円に為替レートが固定された。その後スミソニアンレートで308円になり、1973年から完全な変動相場制に移行。円は独歩高で一時1ドル100円以上に上昇し、その後110円台に落ち着いていたが、今は対ドル130円を超え、対ユーロも円安が止まらない。

海外生活を長くしていると、戦後のまま構造改革が出来ていない、つまり円が1ドル360円のままの安値で、つまり国際競争力のない国際水準に至っていないジャンルが目についてくる。戦後のまま全く改革が進んでいない。その1番目は政治と行政機能だ。世界標準と比べ国会、地方議員共に数が多すぎ、給料が高すぎる。仕事量も少なすぎる。2番目はマスコミだ。欧米では地方放送局のスタッフ数は100人前後なのに、日本では総務省の指導もあり500人を超えている。テレビも新聞もインターネットの普及と不況のせいで広告収入は大幅減少しNHKを除きクオリテイは悪化するばかりだ。再放送とテレビショッピングとバラエテイ番組のオンパレードで見る気にもならない。こんな体たらくだから政治・行政の非効率さを追求する能力も気迫もないし成長もない、。

一方、日本を円高に牽引してきた輸出産業はかっての勢いを失いつつある。かつて世界のリーダーだった家電は衰退し、自動車産業はトヨタやホンダの頑張りはあるもののテスラモータース等に時価総額(発行済み株数と株価を掛け合わせた総額)では大きく差をつけられている。京セラや日本電産の頑張りはあるものの、日本の将来を牽引し外貨を稼ぐ、力のある産業が育っていない。これも政治の責任だろうが、大衆迎合政策に明け暮れて、将来の日本を代表し世界に勝つ産業を育成するビジョンが描けていない。

政治の不始末や投資の失敗による赤字国債の発行等で累積債務が1200兆円を超える。

現在、根本的な問題をドラステイックに解決しない限り円安傾向は止まらないだろう。まず1200兆円の債務の半分600兆円への圧縮だ。衆参両院議長公邸や日本中に分散する国有地を日本のデベロッパーに売却し開発する事。そして財産税を創設し金持ちから金を吐き出させる事。そして政策金利を世界標準の2%前後に引き上げる事だ。次に、非効率な政治行政の効率化だ。議員数を半減し給料を30%カットするか、議員数をそのままにするなら給料を70%カットするかだ。マスコミも同じだ。ホステスまがいのスタッフも仕事をしない経営者も辞めて頂き世界水準のマスコミに改革すべきだ。次は国際競争力のある産業育成だ。まず農漁業だ。戦後は農家が国民の50%を占めていたが、現在は一桁台だ。50%の基礎票があった時代の幻想のまま政権維持の為に様々な保護制度で農家は守られてきたが、その保護行政が国際競争力の欠如に繋がった事は否めない。国産牛、果実等関税が無くても競争力のある農漁業をもっと育成すべきだ。続いて新しい産業育成だ。守りばかりの厚生労働省の為にコロナの国産ワクチンや国産投与薬の認可が遅れている原因は、後遺症や薬害を恐れるあまり欧米の薬を追随承認する姿勢は、産業育成なぞ考えない役人根性そのものだ。IPS細胞事業などの予算圧縮に見えるビジョンの無き薬事行政は大問題だ。北里柴三郎や野口英世級の発見発明が望まれる。電気自動車では欧米や中国にも後れを取ってしまった日本。今後は未開の空と海を目指すべきだ。太平洋戦争で恐れられたゼロ戦のみならず、開発された航空機は枚挙にいとまがない。ドローンでは中国勢が圧倒的に進んでいるが、信頼性に欠ける彼らが小型航空機を製造しても搭乗する気にならない。今こそ自動車が世界に勝った様に小型航空機で世界のリーダーになろうではないか。ホンダジェットとMU2だけでは寂しすぎる。次に船舶だ。日本が造船王国だったが、韓国や中国に追い越されてしまった。しかしながら精度の高い潜水艦技術等では、世界で最も信頼されている。海底資源調査や掘削等でレアメタルや燃料を発見調達すことは、今後の日本の基幹産業となるだろう。四方が海に囲まれた日本は、もっと海に目をやり海上発電、水流発電や海上都市に注力すべきだ。規制緩和も抜本的に行うべきだ。建築基準法も戦後作られてから、大改革されていない。建築技術が進んでいるのだから大都市部では容積率を3倍増する等、大幅に緩和すべきだ。ドバイの様に世界最高の超高層ビル群を創造し経済特区を作り、世界の富を呼び込もう。土地所有は原則日本人か日本企業とし敵国に資産を強奪される愚は避けなければならない。人口減少にも歯止めがかからない、人口減少国家で成長している国はない。様々な問題があるが、毎年100万人程度の移民を認め、労働力を強化するべきだ。移民審査は厳格にして反日教育をしている敵国からの移民は排除し、将来の健全な日本国民を醸成しよう。戦後GHQと執念深いマッカサーに押し付けられた、日本国民を腑抜けにする為の憲法を、憲法学者や反日政治家やマスコミが先導して国民を欺き、国家間の係争は平和裏に解決するという妄想を後生大事に守って来た現在、日本有事でも危機感の欠如している政治家と彼らを選んだ有権者。いち早く目覚めて、まともな憲法に切り替える必要もある。これら政策がドラステイックに重層的に行われてこそ、日本の将来の成長が見えて来て円安傾向に歯止めがかかり経済成長が起こり、長期円高傾向に初めてなるのだろう。道は険しい


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