苦しみの中で咲く花。。。
随分と長い間苦しみの中で
人知れず自分のこころと闘って来た年月がある。。。
犯罪の被害から立ち直った人達を
『サバイバー』と呼ぶことがある
犯罪の加害者は
更生に向けてのいろいろな支援があるのに
被害者のこころは
誰も助けてくれない。。。
自分の力で立ち直るしか手がない
痛みや苦しみは
何度も再び襲ってくる。。。
中には自分が悪かったのではないかと
自分の責任ではないかと
自分を責めて苦しむことの他に
世間からの謂れなき咎に
新たな苦しみを抱える人もいる。。。
自分が被害にあったにも関わらず
追い打ちをかけるように
再三傷つき苦しみを背負わなけらばならないのか。。。
誰も答えてはくれない
苦しみの中の歳月を
誰にも打ち明けることが出来ず
ひとり孤独の中で
彷徨い続けて来た道のりがある。。。
わたしもまだ十代だった頃に性被害に遭った
何の悪気もなく
人を疑うことさえ知らなかった
未熟なこころで
ただ人を信じて
いきなり犯罪に巻き込まれて
首を絞められて命さえも奪われそうになって
突然に奈落の底に突き落とされて
はかりしれない恐怖とショックの中で
警察に飛び込んで被害を報告した
現場検証や徹夜の事情徴収等で
その当時はまだ性犯罪に関して女性の方でなく
取り調べの時に警察官の方から
『殺されてしまう人のいるのだから、命があっただけでもありがたいと思え』と言われて
何故、自分が被害者なのに咎められなくてはならないのか
悲しい気持ちになった。。。
その時に好きだった人ももう愛せなくなり
その時の夢だった絵も描けなくなってしまった
何もかも失って
今までの
世間知らずな
無防備だったわたしのこころは
一時は修復が不可能と思えるくらい
壊れてしまった。。。
自分の人生はもう終わったとさえ感じた。。。
外側からは変わらないように見えても
今までの自分とは
中身がまったく別人に入れ替わってしまった。。。
それでも日常はやって来る
今まで通りに演技でも暮らしていかなければならない。。。
人間が変わってしまうほどの苦しみに陥るの時には
大きく分けて二種類あると思う
命を奪われそうなほどの恐怖に出遭った時と
その反対に
人の命を奪うほど酷いことの一線を越えてしまった場合だ
天と地ほど違うのに
同じような苦しみに襲われる
それは人間らしい気持ちのひとかけらかも知れない。。。
選択は二つの道しかなかった
いつまでも憎しみの中で
誰も信じられなくなるか
すべてを許して手放すか
わたしはすべてのことを
許して手放すことに決めた
こころのどこかで
最後まで人のこころを諦めたくなかったから。。。
どんなことがあっても
生きて行かなければならないから。。。
それは長い年月だった
自分のこころとの長い闘いの日々が始まった
十年以上かかってようやく
段々に新しく生き直せるような気がした。。。
人生には自分とは関係ないと思っても
悲しいことが起こってしまうことがある。。。
それでも生きて行かなければ
生き続けなければ
こころがどこかへ行ってしまう。。。
そうやって苦しみの中を懸命に生きて来た
どうすることも出来ないことでも
いつか自分のこころを通り抜けて
すべてが時間の流れとともに
こころの中で静かに咲いている。。。
やがて苦しんだ日々も
徐々に薄れて行く。。。
孤独な道のりを自分を生き直すために
思い出すのことはとてもしんどい作業だけど
立ち直れたのは
正確に言えば
ひとりきりじゃなかったから
辛い中でもカウンセリングの先生の助けがあったから
安全な場所で信頼できる専門家の人に話すことによって
こころの傷も時間をかけながら回復して行くことが出来る
だから何年たってもどうか諦めないでほしい
こんな自分でも
こうして苦しみの中で
何とか立ち直ることが出来た自分の体験を
勇気を出して話すことによって
同じように苦しんで来た方のこころに
少しでもお役に立てるのなら
辛かった長い年月も
決して無駄ではなかったのかも知れないと感じる。。。
今でもふと
人が怖いなと感じる時もある
それでもこうして話せるようにまでなって
少しずつ自分から
切り離すことが出来て来たのかも知れない。。。
何故わたしなのかと
あの時殺されていれば
こんなに苦しまなくて済んだのかも知れないと
思ってしまうこともあったけど
今まで苦しんで来た分
その後の人生で
大切な人にも巡り逢うことが出来た
すべてを知った上で受け入れてくれた
今の主人にはこころから感謝している。。。
辛い経験も
これからの自分のこころの中で
きっと力になってくれてると信じている。。。
人のこころには
簡単には外側からは見えない
犯罪に伴うショックが
その後の被害に遭われた方々の人生に
どんなに大きな影を落とすか。。。
どうかほんの少しでもいい
そっと理解してほしい。。。
何の悩みもないように見える
明るい笑顔の下にも
こころの中では
人知れず
辛い思いを抱えているのかも知れない。。。
人の痛みの感じ取れる人でありたい。。。
こころの中には
最後まで希望の光は残っていると信じて生きたい。。。
生きている命は
自らのこころやからだを
新しく再生して行くことも出来る
こころの力を持っている
辛かったことも
痛かったことも
こころの傷も
いつかは再生して行く
いつからでも
どこからでも
何度でも
また新しく生き直すことが出来る。。。
自分のこころの力を
もっと信じてあげてほしい。。。
苦しみの中でもこころに咲く花がある
その花をいつまでも信じて生きられるように
これからの自分の
新しい人生の中で。。。