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V8とかV12とかH24とか☆18とか

はい、エンジンの話ですよ。
最近疲れてくるとWikipediaで航空機用エンジンの性能諸元とかずっと眺めてるんですが病気なんでしょうかこれは。去年あたり周りにがV8!V8!V8!とか毎日のようにSNSに投稿してる人がいたわけなんですが↓

どうもまだ収まってはない模様。ブラック&クローム エディションとか言ってるし。

だが。航空機用エンジンから見るとV8など貧弱ゥ!なのでそろそろ白黒つけとこうと思う。
なお、航空機用エンジンで多気筒のレシプロエンジンがガッションガッションとブン回ってたのは二次大戦あたりまでの話で、今はもうターボプロップとかジェットなのではあるが、とにかく気筒増やして馬力稼ごうっていう力業的技術指向がワタクシ大好きなのである。

V12
航空機用エンジンには空冷と液冷があるが、V型12気筒は液冷である。そしてなんと言ってもロールス・ロイスの「マーリン」である。マーリンすごい。スピットファイアのエンジンでモスキートのエンジンでランカスターのエンジンでP-51ムスタングのエンジンであるのだ。連合国を勝利に導いたエンジンと言っていい。マーリンのライバルと言えばドイツのダイムラー・ベンツの「DB601」で、これはBf109のエンジンなのだけど、技術的にはずいぶん尖った機構を取り入れててスゴかったんだが、複雑すぎて排気量アップが難しくて結局改設計した「DB605」を作らざるを得なかった。ドイツのメカあるある。その点マーリンはスーパーチャージャーの機能向上だけでどんどん馬力を上げて結局終戦まで戦い抜いた。複雑な機構が必ずしも正解じゃないといういい例だ。
でね、そのマーリンをエンジンとして搭載しちゃったクルマっていう素敵なシロモノがあってね。

http://ch.nicovideo.jp/autoblog/blomaga/ar520968?access_from=ichiba

曲がりきれる気がしないw

H24
Hって何よって話なんだが、要は水平対向12気筒エンジンの2段重ねである。気筒数増やせば当然馬力は稼ぎやすくなるんだけど、その分複雑になるから開発は大変だし故障したら整備も大変。なので二次大戦中に実用の域に達したH型24気筒のエンジンは実質1種類しかなかった。ネイピア社の「セイバー」。ずいぶん開発は難航してロールアウトしたのは大戦末期だったんだけど、なんか3500馬力とかあったらしい。マーリンのだいたい倍である。これを搭載して戦闘爆撃機として活躍したのがホーカー・タイフーン。なにせ馬力はあったからロケット弾とか大量に積んで飛べた。
まあ急降下すると尾翼が折れるとかコクピットに一酸化炭素充満するとかいろいろ機体としてはアレだったんだけど。

☆18
☆ってのはもちろん空冷星形エンジンのことである。空冷二重星形14気筒とか18気筒とか。最後は四重星形28気筒とかまで行った。
星形エンジンはアメリカで盛んに作られた他、日本も空冷王国だった。アメリカだとプラット・アンド・ホイットニー社のワスプシリーズと、カーチス・ライト社のサイクロンシリーズが有名。
ワスプシリーズだとダブルワスプF4UコルセアP-47サンダーボルトF6Fヘルキャットのエンジン。2000馬力級だったので重くてデカい機体でも飛ばすことができた。で、ワスプ・メジャーは結局二次大戦には間に合わなかったんだけど、夢の四重星形28気筒だ。もうね、造形が、萌える。
サイクロンシリーズだと14気筒のツイン・サイクロンB-25ミッチェルとかTBFアベンジャーのエンジン。18気筒のデュプレックスサイクロンB-29スーパーフォートレスA-1スカイレイダーのエンジンだ。スカイレイダー好き。
イギリスやドイツにも星形エンジンはあった。イギリスで星形と言うとブリストルの「セントーラス」シーフューリーのエンジンだ。
ドイツだとFw190Ju88のエンジン、BMW801が有名。まあFw190の後期型は液冷なんだけど。
日本はというと零戦「栄」紫電改「誉」とかあったわけだけれど、過給器の開発に手こずって高空侵攻してくるアメリカの爆撃機を有効に迎撃できなかったのは周知の通り。

今のエンジンは
まあジェットかターボプロップかであるのだけど、ロシアでターボプロップが異常発展していてなかなか楽しい。「クズネツォフ NK-12」15000馬力だってよ。何だそれw

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