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フーファイターズ「But Here We Are」に見る癒し~回復

以前のフーファイターズのNOTEは、そもそもレビューを書こうと思ったのに、前置きが長すぎてそれで終わってしまった(苦笑)

というわけで、
今回はそのそもそものレビューを書こうと思います。

あれから約2週間経つので、印象は微妙に変わったかもですが、再度聴いてみて「原点回帰」という言葉が浮かびました。
これまでのドラマティックなフーファイターズの記憶をひとつひとつ噛みしめるようなアルバムだなあ~と。

一曲目"Rescued"
フーファイターズを最初に聞いた時の感触を思い出す。
「やっぱり、自分は音楽を愛し、続けていくんだ」という覚悟。それを感じた。

2曲目"Under You"
一曲目を更に深めた疾走感が心地よい。

3曲目"Hearing Voices"
1、2曲の速度がゆるんで、ゆったり&しっとりとした感じがいいですね。優しさが滲んだフーファイターズらしいナンバー。

4曲目"But Here We Are"
アルバム表題曲。だんだんと現在地点になってきた感じがする。懐の深さと愛の深さを感じる。なるほどのアルバムタイトル曲。

5曲目 "The Glass"
どこか懐かしい感触。回想している感じが音楽的にしますね。


ビートルズの「ホワイトアルバム」を思い出すシンプルさ

6曲目"Nothing at All"
「全てにおける無」というタイトル名に禅を感じた。音楽的には前作『メディスン・アット・ミッドナイト』の感性が垣間見える。『メディスン・アット・ミッドナイト』は、バンドとして新しい極地に来たなあと個人的に思っていました。ABBA的な音楽にも挑戦していたし、ドラムの叩き方も印象的でした。まさか、テイラーにとって前作が最後とは・・・でしたが。

7曲目"Show Me How"
繊細なナンバー。ちょっと一息って感じですね。癒される感じ。タイトルは意味深ですね。「どうすればいいのか教えて」なんかテイラーに聞いてるみたいにも思えました。

8曲目 "Beyond Me"
更に繊細なナンバー。アルバムの流れを感じます。ていうか、自分がテイラー喪失からの再起という視点で聴いてしまうから、そう思うのかもしれません。タイトルも「自分を超えて」ですか。これまた癒しのプロセスのようにも思えますね。

9曲目"The Teacher"
静かに始まり、急に加速する感じが、「さあ、俺たちつっぱしっていくぜ!」ていう強い意思表示に聞こえましたが、また静寂になったりと、いい意味での逡巡が今回のタイミングでは心地よいです。タイトルも「先生(師?)」とどこか謙虚な視点を感じますよね。この曲は10分という大作。うねりあり、ディストーションあり、沈黙あり演奏の中、デイブのボーカルは繊細ながら安定しているのが印象的。俯瞰してるのかな。この曲こそ、これまでの軌跡を思い浮かべながら演奏してなあと思いました。
曲の最後はぞっとするくらい完璧だと思いました。

10曲目 "Rest"
SHOWが終わって、ひとりスタジオで弾き語りのようなイメージで始まるかと思いきや、急に情熱的になる感じがアンコールみたい。9曲目で終わったら、ちょっと置いて行かれる感じがしたかもですが、最後にこのナンバーで〆るあたりが、フーファイターズの優しさですね。ぼそって終わる感じもじ~んと来ました。本当にいいバンドだな。

あらためてフーファイターズのようなバンドと関わることができて幸せです。
自分の人生で辛い時も含め、現在まで関わってこれたバンド。こうして音楽を通じて関われる幸せ。
感謝、感謝・・・・


歌詞カードまでシンプルで繊細

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