ツイッターでつぶやいた妄想物語まとめ4

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僕こと本命プロットは、難敵たちにズタボロにされていた。
僕「ぐ……、やっぱり僕の実力じゃラスボスまではたどり着けないのか……?」
地面にひざをつき、腹からしたたる血をおさえる。と、背後から声が聞こえてきた。
「よお、苦戦してるみてえじゃねえか」
振り向くと、かつてボツにしたプロット達がいた。
ボツ1「忘れたとは言わせねえぜ」
僕「君達は、あの時切り捨てた……助けてくれるの?」
ボツ2「お前を倒すのは俺だ。こんなところでくたばるな」
そう言って彼らは本格ミステリと激萌え契約結婚に斬りかかる。
ボツ3「今のうちに行け!」
僕は走った。しかしすぐに、ほっこりごはんの魔法に阻まれた。立ち上がれない。やっぱり僕の実力じゃ……
「ロジックが足りない」
顔を上げると、筆力が足りず泣く泣くボツにした特殊設定ミステリプロットがいた。
特「今のままでは書き出したら確実に破綻する。これを持って行け」
僕は『類別トリック集成』を握りしめ駆け出した
3/9

霊視で捜査するタイプの陰鬱な探偵と、笑うだけで除霊完了してしまう体質のほんわか助手(有能)の、喧嘩ドタバタコメディミステリー
「うふ、ふ」
「てめっ、笑うんじゃねえ! まだ霊視終わってねえんだよ!」
「ふふ……あの死体めっちゃ不自然……」

〜続かない〜
3/14

探偵マッチングアプリで、ワトソン役で登録してみた僕。ホームズ役からメッセージが来て会ってみたら、同じクラスの近寄りがたいイケメンだった。
いつも女子の誘いを断るのは放課後は謎解きに使いたいからだというが、彼の元に舞い込む事件はしょうもないものばかりで、物足りないのだという。
どうにも子供の頃から不幸を引き寄せがちな僕は、日常的に怪事件に巻き込まれており、探偵役のひとがそばにいたら悩みがなくなるかもと思っていたのに、あてがはずれた。彼は学校内に探偵事務所を開き、お近づきになりたい女子が次々事件を持ち込むカオスに。
「僕そんな、積極的に謎解きたいとかなくて」
「いやいや、せっかくホームズとワトソンがマッチングしたんだから、それはもう謎を解くしかないでしょ」
鮮やかに難事件を解く彼に魅了される僕は、「マッチングしたなら、僕にとってだけのホームズでいてくれたらいいのに」と言いたかったりする
(了)
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洗濯探偵は、洗濯機のふたを開け、絡まった洗濯もののひとつをつまみ上げた。
「ふむ……洗濯終了推定時刻は16:28。4時間以上経っているから、洗い直しだな」
なんと洗濯探偵は、洗濯ものの匂いと手触りから雑菌の繁殖具合などを勘案し、正確な洗濯終了時刻を割り出せるのだ!
「そ、そんな! きょうは晴れてるから、4時間経っててもいまから干せば太陽光で雑菌は殺せます!」
「……残念だが、もう手遅れだ」
「うわあああああああッ!」
崩れ落ちる新米サラリーマンの背中を、洗濯探偵はそっとさすった。

(了)

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