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「おい、僕はやめたぞ」
「なにが」
「Xにフィクションを載せない、こんな漫才も二度とやらない、くだらん小噺のせいで濡れ衣を着せられてSNSを凍結されるのは二度と御免だと思ってこの2ヶ月間全てのフィクションをやめていたのだが……僕はそれをやめる」
「つまり?」
「このクソみたいなやりとりをいまから投稿するということだ」
「おい、手が震えているぞ」
「当然だろう。3000件以上ある毒にも薬にもならない無難なポストのなかの、たった1つの架空のあらすじで、営業ツールを丸ごと失ったんだ。吹けば飛ぶような零細作家の僕にとっては、まさに地獄の3週間だった。あんな思いをするくらいなら二度とこんな漫才は載せず、無難に食った菓子だけ上げていればいいと……思っていたのに……」
「ははは。おれは早晩こうなると思っていたよ。お前が小噺を辞められるわけがない」
「いいな? 押すぞ?」
「いいさ。野垂れ死ぬときは見届けてやる」
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