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奥野じゅん
2023年2月12日 11:33
目の前の同僚男は、瀟洒なカフェで、フルーツティーのポットの底に沈むブルーベリーを、緩慢な動きで取ろうとしていた。「昔は、人に優しくされたり良くしてもらうと『自分にはそんな価値はないのに』と思って、ものすごく申し訳なく思ってたな」 わたしは残りわずかになった抹茶ラテの表面を、ストローで撫で続けている。「分かるよ。自分のために相手が頑張ってるのを見ると、自分は人に負担を与える存在なんだと考えた