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第3回講義 頭頸部外傷における実技実習〜脳振盪の評価から搬送まで〜

📚はじめに

 2022年7月11日(月)19時より、今年度第3回目の講義が開催されました!今回は、実技を含む講義のため、御茶の水センタービル901教室で対面形式で行いました。副塾長である福島理文先生のご指導の下、感染症対策を万全に行いながら、医学部・保健医療学部・スポーツ健康科学部から学生27名が参加しました😊

✅塾長の齋田先生より

 講義に先立って、塾長である齋田先生よりオンラインにてお話いただきました。

 スポーツの現場では、脳震盪に関わることも多い。運動器のケガだけでなく、脳震盪や心疾患に対応してほしいというニーズがある。自分がその場にいるときに選手が倒れた場合、自分で考えて判断して最初に対応する役割となる。そのトレーニングを今日はしてほしい。

✅塾生たちの自己紹介

 今回の講義は実技実習であり、医学部・保健医療学部・スポーツ健康科学部の学生が対面で集まった機会であったため、塾生同士の自己紹介の時間が設けられました!好きなスポーツチームや趣味、将来の目標など、交流のきっかけとなりました😊

自己紹介の様子

✅福島先生のご講義 脳震盪について

 スポーツ現場での脳震盪は少なくない。はじめは頭を打っただけ…と思っていても気づいたときには命の危険に陥っていることもあり得る。
 脳震盪は、回転加速度が加わることによって脳が捻じ曲げられ、脳の中の無数の神経細胞が引き伸ばされて様々な症状を引き起こす。症状として、意識消失・精神活動の障害易怒性・平衡感覚障害・他頭痛・めまい・吐き気などが挙げられる。ほとんどは短時間で回復するが、長時間続くものもあり、放っておくと危険な状態となることもある。
 受傷時に同時に起こるのは、急性硬膜下血腫である。脳にゆがみが起こることによる、外からはわからない頭痛や吐き気などの危険なシグナルを見逃さないことが重要。数日~数週間かけて、脳震盪後症候群が起こることもある。また、数年繰り返して脳震盪を起こしていると、慢性外傷性脳損傷となり、物忘れやがくがくするといった症状が起こる。

 現場で「脳震盪だ」としっかり判断することが重要となる。診断ツールを用いて判断し、脳震盪が疑われたらすぐに練習・試合から離脱させる。その診断ツールとして使われるのが、SCAT5(スポーツ脳震盪評価ツール第5版)である。
 意識消失・痙攣・意識の変容・見当識障害・ふらつき・嘔吐といった「レッドフラッグ」と呼ばれる症状がある場合は、すぐに救急車を要請すべきレベルであることも覚えておきたい。

✅SCAT5のデモンストレーション

 先生方による、SCAT5のデモンストレーションが行われました。

SCAT5(JFAのホームページより)
デモンストレーションの様子

✅バックボード搬送の実技実習

 サッカーでは、選手同士の頭と頭の衝突や、膝が頭に衝突するなどによって、頭頸部外傷が発生する。発生後は、意識の確認をし、医療機関への搬送が必要か・プレーの中止が必要かをすみやかに判断し、必要であればバックボードにて頸部をしっかり固定し搬送する。
 受傷後24時間以内は休息をとり、単独で行動させないこと、異変があればすぐに医療機関を受診する対応をとる。
 また、復帰プログラムとしては、ステージ1~ステージ6(競技復帰)まで各ステージに最低1日かけて段階的に慎重に進めていく。

 4グループに分かれて、それぞれに講師の先生についていただき実技を行いました。(手指消毒と手袋の着用をして、感染対策を行っています。)

バックボードとヘッドイモビライザー
実技の様子

✅まとめ

 今年度初めての実技実習で、学部や学年の垣根を垣根を越えて協力しあう姿が多く見られ、塾生同士の交流の機会にもなりました。

 9月にも実技実習が開催される予定です!皆さんも積極的に参加してみてくださいね🚩

最後までご覧いただきありがとうございました。
                             文責:宮澤

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