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おじさんorお姉さん、ゲーム企業の人事担当が2分される理由

採用活動が活発な時期、新卒の人たちは企業の人事担当に会う機会が多い筈です。その人たちが、おじさんである企業とお姉さんである企業にほぼ、2分されることを知るでしょう、その理由を考察します。

採用活動は直接利益を生まない投資

先ず、企業側の都合を考えてみましょう。採用全体の広報や試験、面接は、コストがかかります。大々的に宣伝して求人サイトを利用し大きな会場で説明会、なんていうのをどこの企業もやっているわけではないのは、そこにあります。面接をしても利益にはなりません、採用してからその新人が利益を生むまでは投資です。

少し考えてみればわかることで、新人を採用するまでのコストを回収できるのは大分、先の話になります。ファーストコンタクトから採用し、利益を生むまでの期間は純粋に投資であり、不採用にした人にかけたコストは純損失です。そうなると、コストはかけたくないので、理想で言えば出来るだけ少ないコストで採用してから利益を生むまでを考えると、少ない人数で確実に後悔しない人を採用したい、ということになります。

大手はデータでコストを抑制して採用する

無駄な部分をできるだけ避けたいと考えると、まず、多くの人が集まりがちな著名な大企業では、ファーストコンタクトがどうしても多くなり、それぞれに面接などをしたいとは思いません。また、企業同士でみると新卒の取り合いをする競合関係にあります。とりあえず競合他社より多くをかき集めてることが求められる一方、多くの人数を一気に絞る必要があります。

採用予定者数に近い人数になってから面接等のコストのかかることをするはずで、コストのかからない多くを振るい落とす方法を最初にします。それは、エントリーシートをネットで処理してデータで条件抽出したり、説明会参加を経てから次の段階にして、説明会参加で絞る、などの方法です。こうしたざっくりした方法では、優秀な人物もふるいにかけられ落としてしまう可能性があります。しかしながら、採用数が20人のところに1万人の応募があったとしたら、単純に半分にして5千人にしたとしても、その5千人のなかにまだ優秀な求める人材が20人いれば問題ないということになります。有名企業はとりあえずエントリーしてくる冷やかしの人も多いので、先ずはそこを排除したいという心理も働きます。そうして少しずつ絞り、必要な人にだけ面接を繰り返す、というのが一般的でしょう。

大手企業には人事部が存在できる

人事は、利益を生まない投資的な仕事を直接的に事業を支える現場の従業員にさせると利益がさらに減ることになるので、他の人にやってもらい切り離した方がオーバーヘッドも無く、トータルでコストが下がります。そのため、現場以外のオフィスが存在し、そこでは現場以外の仕事を担当しています、所謂、総務や人事、経営がそれにあたります。人事担当がフィルタになり、採用の可能性が高い人を現場と管理職に人に精査してもらう準備を進めます。

人事担当が「人」として存在する場合の選択がお姉さん

大手では独立した担当者が居て、その人は開発現場とは切り離してあるので、開発能力は特に求めません。新卒の人が人事部門に入ることもよくあります。そうした人たちは大概、大卒で「若者と相まみえるフロントエンド」として採用されます。その人たちが先ず、ノイズも含めて多くの人を応募してもらうようにし、データで一気に絞る、という方法に帰結します。

フロントの人をどういう人にすべきかを考えると、現場の能力は求められないが、現場の求める人が集まりやすい、ということになります。現場では男性が多い職場であれば、女性の方が目を惹くという面があり、また、女性が応募するという場合でも、(実際はどうかに関係なく)高圧的な男性が出てくるよりは安心感があり、忌避されることは少ないでしょう。これも確率を考えてのことで、おじさんがフロントでも欲しい人が集まるかも知れませんが、競合より多くを集めるという使命を考えると選択すると思います。

人事担当が「仕事」として存在する場合の選択がおじさん

他方、小資本の企業を考えてみましょう。事業全体のコストを考えて、例えば全事業の年間コストが5億円の企業があったとして、人事に使えるコストが1000万円とします。その場合は人事コストが2%ということになります。1000万円なら人事担当者を雇うことも可能でしょう。これが年間コストが十分の一で5000万円の企業なら、同じ2%にしたら100万円になります、これでは人を雇うまでにはなりません。そうなると100万円分、他の仕事もしている人の時間を採用活動に投資するということになります。その場合、だれがこれを兼務するのかということになると、現場の人にするわけにはいかず、また、最終的には管理職が面接などもするため、その辺の人が担当します、これがおじさん人事担当になります。

おじさんとおねえさんが出てくることも

社長が結構、表に出てる企業では、企業の宣伝を社長が担い、人事の広報にもなっている場合があります。そうなると、社長、自らが説明会などに出てきます。横に奇麗なお姉さん、というパターンもあるでしょう。これは、サクセスパターンとして「きれいなお姉さんを秘書に出来るオフィスです、あなたも目指してください」という暗示が在るのかもしれませんし、社長さんの趣味かも知れません。


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