「咀嚼力」

こんにちは!

 さて、今回は、実際に目標を設定する上で、
管理者に必要な「アイテム」をご紹介します。

それは、「咀嚼力(そしゃくりょく)」です!

咀嚼するとは、食べ物をよくかみ砕いて味わうこと。

子どもの頃、食事の時に「よく噛んで食べなさい」と
親御さんや保育園・幼稚園の先生からこっぴどく
言われた経験があるかと思います。

よく噛んで食べることで、胃腸の負担を軽減したり、
食物に含まれている栄養が体に浸透しやすくなるなど、たくさんの効果が期待できます。

ビジネスにおいてもこの「咀嚼力」は、自組織の目標達成に向けて大きな効果があります。

企業には、「理念」や「ビジョン」があります。

企業理念とは、創業者が会社の創業に託した想いのことであり、会社が最も大切にする基本的な考え方を明文化したものです。
 また、企業としての重要な意思決定の基準になります。

「ビジョン」とは、企業が中期的に目指す姿や目標を明文化したものです。

 皆さんの会社にも「企業理念」や「ビジョン」があります。

当然皆さんも自社のものをご存じだと思います。

では、あなた自身が考えていることや、今進めている業務が自社の「企業理念」や「ビジョン」と紐づいているでしょうか。

そもそも従業員に「ビジョン」が浸透できているでしょうか。

組織内において「理念」や「ビジョン」を浸透することは、チームで掲げた目標を達成する上で、直接的な影響を及ぼすといっても過言ではありません。

部下への落とし込み

 企業によっては、朝礼や始業時に、全員で「理念」や「ビジョン」を声に出して読み上げているところがようですが、

 声に出したり、暗記するだけでは、効果を期待できません。

「理念」や「ビジョン」の浸透できていない組織では、そもそも自分たちの業務は会社の成長に貢献できているのだろうか、

 また、チームで掲げた目標は何のためのもので、達成することで「ビジョン」にどうプラスになるのか、曖昧なまま業務に打ち込んでいるかもしれません。

 そのため、従業員が個々に別の目的や価値観で業務を進めることが生じ、どこかで、方向性が枝分かれしてしまう。

 それでは当然、自社の「ビジョン」を実現することができなくなります。

前回お話ししましたが、「思い込み」は、目標を達成する上で一番妨げになる心理です

 自分が理解できているからと言って、同じ想いで他の従業員が業務に携わっているかどうかは、確認しないとわかりません。

 むしろ、わかっているだろうと「思い込んでいる」ことをベースに業務を進めていくと、組織に悪影響を及ぼす場合があります。

「思い込み」の危険性について、まだご覧いただいていない方は、下記リンクからお読みください。


 「ビジョン」を実現するために、自分が会社から求められていることが何であり、どのように貢献できるのか、具体的なイメージを描き、業務を進めていかなければなりません。

 したがって、「企業理念」や「ビジョン」を、管理者がかみ砕いて、誰もがわかるような、わかりやすい言葉に翻訳し、従業員へ落とし込む必要があります。

管理者同士の目線合わせ

 従業員へ落とし込む前に、まずは管理者自身が「理念」や「ビジョン」に対する具体的イメージを持てているか確かめる必要があります。

 方法としては、管理者同士で咀嚼した内容を共有する機会を作りましょう。

 勿論、会社の規模や、コロナの影響もまだありますので、一か所に集まることは難しいかもしれません。

 しかし、オンラインでミーティングを開催することができます。

また、全体の会議の場で共有するのもいいでしょう。

長い時間は必要ありません。

管理者同士の目線合わせを行うことで、組織全体がブレることなく、自社のビジョン実現に向けて進んでいくことができます

また、上司と「ビジョン」共有を行うこともよいでしょう。

上司とビジョン共有を行うことで、業務の進め方に自信を持つことができたり、部下との共有の際にもより具体的でわかりやすく伝えることができます。

「咀嚼」し部下へ落とし込む

咀嚼ができたら、いよいよ従業員へ落とし込んでいく番です。

先ほども述べましたが、誰もがわかる、分かりやすい言葉で従業員に伝えましょう。

伝えただけでは、落とし込めているかがわかりません。

「自分の仕事が、ビジョンにどう結びつくのか」を従業員に考えてもらいましょう。

具体的には、
①自分が会社から期待されていることは何か
②会社のビジョン実現に向けて個人としてどのように行動するか

です。

①、②両方とも具体的なものを書き出しもらい、言語化すると、従業員に共有できているかどうか確認しやすいでしょう。

特に②については、「行動計画表」を作成すると、イメージの共有にもなります。

書き出してもらった後は、あなたと1対1の形式で、話し合いましょう。

従業員である部下の会社に対する想いや考えを知る絶好の機会となります。

 こうして「自分の仕事が企業の未来像と結びついている」と従業員が自ら結論づけることが、目標を達成する上で大切なステップとなるのです。

「咀嚼力」いかがでしたでしょうか。

 今回は会社のビジョンを例に説明しましたが、経営陣や上司からの指示についても、同じように、噛み砕いて、部下にわかりやすく伝えることを意識しましょう。

上司からのメールを転送するだけでは、部下に伝わりません。

"カムカムエブリバディ"ー日頃から部下に分かりやすく伝えることを意識し、部下にも共有できているか、しっかりと確認しましょう。






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