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Netflixドラマ『フォロワーズ』の感想

Netflixにある蜷川実花監督作品である『フォロワーズ』。Twitterのほうでは3話観た段階で感想は綴ってたのだけど「何か言うならちゃんと観ないとな」という気持ちもあり全部観てみた。

確かに、東京やきらびやかなクリエイターの世界の描き方とか物語の中で語られる価値観などの演出・BGMのチョイスは古い。特に予告の仕方が”SNS時代を生きる若者たちを描く”みたいな印象を受けたので、現代を描くのにこの古さは致命的だと思った。まったく逆じゃん。だけど、最後まで観てわかった。”SNS時代を生きる若者たちを描く”ドラマという認識で観るから違和感があるのであって、”大人からSNS世代へのアドバイス”ドラマだと思ってみればいいと思う。

ドラマの前半エピソードはきらびやかな世界(この世界の描き方が照れる)へ憧れる女優の卵が、スーパー売れっ子カメラマンのインスタグラムのタグ付によって一躍有名になっていくパートで、このあたりが恥ずかしさ全開!ただ、中盤以降は若者だろうがアラフォーだろうが色んな悩みはあるわけでそれが描かれていて、けっこう現実的なトーンになる。このあたりで「面白いかも」と思いました。終盤に関してはけっこう好きだったかな。一度落ちたり大きな変化があったりしたけどそれでも自分の道をいくんだ、とそれぞれが奮い立つ。ラストは好き。これはラストがいいドラマだと思った。

※これ以降ネタバレ含む
夢を諦めて実家に帰ろうと決心したエライザに中谷美紀の一言(SNS経由で伝えるのは今っぽい)が刺さる。「なんじの道を進め、そして人々をして語るにまかせよ」と。調べたらダンテの言葉だそうですわ。この言葉は最後のシーンでエライザがインタビュー中にも口にするのだけど、このドラマはこれが言いたかったのね!と、とても納得。大人からのアドバイス(悪くいえば説教)なんだ。全体を通してやや古いのは大人目線の物語だからだ。このドラマは「若者よ!もっと好きに生きろ!もっと自由に生きろ!好きに生きてきていい年になった女たちにも悩みはあるけど楽しく生きてるぞ!」と伝えたいのだと思う。僕は”明確なメッセージ”を含む物語って好きなので、このメッセージを理解したときにパッ!と花開くように好きになりましたわ。そして、このアドバイスには個人的にも同意したいところであります。

若者よ、好きに生きろ。

でも、やはりこのドラマ、「え、この人が?」って有名人が本人役で出てくるとこ、すっごい恥ずかしい!

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