乗り物酔い持ちの密かな悩み

別に隠すことではないんですが、フットワークが軽いわりに、乗り物酔いにはひどく悩まされています。あとこれも意外に思われる方が多いのですが、私はほとんど本を読まない。この二つの事実は密接に結び付いていて、つまり私が電車や飛行機に乗っていてそこで膨大な乗車時間ないし搭乗時間を得ていたとしても、乗り物で活字を読むと基本的に酔うから、その時間を読書をすることに費やすことができないというわけです。

なんだそんなことで本を読まないのかと思われるかも知れないが、本をよく読むという方にしてみても振り返ってみれば、その読書時間のうち何割かは乗り物に乗っている時間なのではないか、それがもしある日突然全て奪われたならば、その人が読書にかけられる時間はライフスタイルにある程度影響を及ぼすレベルで減になるのではと思われます。まぁそれだけで読書をしない言い訳にするのも些かというか大分無理があるとは自分でも分かっているつもりですが、それでも、あぁこの間読み始めた本が途中だった、今日は移動時間が長いからその間に読み進めておこう、とそういったことが気軽にできる人が単純に羨ましいというかまぁそれだけの話です。

寝る前の時間とか、家でちょっとした時間が空いたときにでも読めばいいではないか、それはその通りなのですが、私としてはその時間はできれば作曲とかに充てたい。インプットとアウトプットの費やすべき時間のバランスは難しいところですが、個人的にはインプットはどんなタイミングでも心持ちひとつでやろうと思えばできると思っていて(日常のどんな些細なことにも発見はある)、対してアウトプットはある程度腰を据えてやるものだという先入観がどうしてもあって、まぁ是非はともかく今のところその先入観通りに生活を送っているわけです。

そんな中でも、やはり少しは読まねばと思うところが最近ありまして、そんな折に電車の中でも揺れが少ないことに定評ある新幹線に乗車する機会がありましたから、読み始めてみましたが酔う酔う。ちゃんと興味のある本をわざわざ探して読んでるので、読みきらねばという強い意志で以て何とか読み進めるわけなんだけども、気分は悪くなるわ集中力は切れるわで最後のほうはほとんど斜め読みでして、それでも何とか読みきれて良かったという達成感と、外の空気を吸えた安堵の心でもって電車を降りることとなりました。

この記事も実はとある在来線特急の車内で書いていて、自分にとっては読むよりも書く方がまだ酔いが少ないという新たな発見があったのは良かったのですが、にしてもそろそろヤバイので記事を締めようと思います。これは覚えておくといいと思うのですが、複線区間よりも単線区間のほうがポイント通過量が多くなる分圧倒的に酔いやすい。駅を通過するたびにガタゴト揺れます。この事実を知っとくだけで気分だけでも少し楽になる気がしないでもない。人間問題が解決しなくても原因がはっきりするだけでやや安心感を得るものである。

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