コロナ禍での台湾

「台湾はコロナの封じ込めに成功した」

全世界で猛威を振るうコロナウイルスに圧倒され、必死の思いで施行した対策にすら批判が殺到する国が多い中、台湾が封じ込めに成功していると言う事実は、ニュースでも広く報道されているので周知の上だろう。35歳の若さで台湾のIT担当の行政院政務委員に起用された偉大な天才プログラマー、オードリー・タンの活躍や、感染拡大直後の迅速な対応が功を奏したのはとても有名だ。しかし私にはこのニュースに驚けなかった。

ここまでの話は、ニュースを見てれば得られる情報だろう。

次に、現在台湾で生活している中で私が感じたことを書いていこうと思う。先日スマホでニュースを見ていた時、とあるネット記事に目が止まった。その記事にはこう書いてあった、「台湾では、コロナの封じ込めが成功したので、マスクを着用せずに日常生活を送れている。」

これは事実と異なっている。台湾でも他国と同様に、公共施設や交通機関でのマスクの着用を義務付けられている。違反者には罰金も科せられるほど徹底している。確かに日本などと比べると、マスクを着用していない人は多いかもしれないが、彼らも、公共施設や交通機関を利用する際は、必ず着用している。それだけでなく、イベント開催などについての防疫対策もしっかりしている。個人の意識で他国と差がついている印象を感じる。私は大学でとあるサークルの副会長を務めている。副会長の仕事の中で一番苦労しているのは、イベント開催の準備をする時だ。それは開催するに当たっての規則の数が異常に増えたからだ。濃厚接触はもちろん、集団での飲食も禁止されているので、開けるイベントの幅が格段に狭くなっているのだ。企画書にも感染対策のマニュアルを細かく記載しなければならない。

この徹底ぶりは本当にすごいものだと思う。国内に感染者がいない(正確には海外からの帰国者の中から出ることはあるが、すぐに隔離し治療している)のに、防疫対策を緩めないのだ。「”今の所”は封じ込めに成功しているだけ、未来に備えて手を緩めない」という意気込みがひしひしと伝わってくる。私は防疫対策に力を入れている台湾を現地で見ているので封じ込めに成功しているのを見ても驚けない。

「これだけやってりゃ抑え込めるわ〜」とただただ感心している。


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