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アマプラで《Father》を観ました。

年老いて認知症にかかった親御さんのいる家庭、子供たち、患者本人をテーマに取り上げた社会派作品です。
ちょうど色々と思う事もあり、上映当時から噂は聞いていたので。

ここから書く感想をぜひ最後まで読んで頂きたいです。

ある意味、衝撃的でした。
観客もとにかく訳がわからない。不可解。迷路に迷い込む。

よく綿密に張り巡らされた伏線が、最後にうまく回収されてる映画を観ると(そしてその意味を理解すると)、もう一度見直したい!という作品がありますよね。
この作品に関しては、まったくその気にはなれません。
意味がわからない事が多々あって、そのまま進み、面倒で見直す気には到底なれないのです。

これらの感想は、実は全く悪い意味ではないでしょう。
そう感じさせる事こそが、この先品の本当の狙いだろうから…です。

つまり…この作品は、認知症にかかった老人側の視点・思考での物語進行が80%です。
認知症にかかった親御さんの面倒を見る娘さん視点・心情のシーンも20%はあり、そこは健常者として共感、想像は大いに出来るでしょう。

この作品の視点はその着眼点が逆転しています。
認知症にかかった人の脳内で起きている事の疑似体験が出来るんです。
そしてもう途中で訳がわからず面倒くさくなって逃げたくなります。
だからこそ「見直す気になれない面倒くささ」によって、そこまで計算された製作陣の策にマンマと嵌めらたのでしょうね。

最後まで面倒でも何とか見る事は出来ましたが、健常者として求める「ハートウォーミング」「泣ける」は、ここには期待しない方がいいです。
この面倒くささ、訳の分からなさこそが患者側の疑似体験です。

よく、認知症の方が周りにすごく心配をかける行動を取り、そのお子さん達が泣きながら責める場面があります。
ですが、本人はケロッとしてて、面倒くさそうにその場を逃げよう、追い払おうとする事がありますでしょう。
そうしたくなる気持ちが身をもって体験出来る作品です。

これを観終えると、どんな気持ちになるか?

今いる認知症の高齢の親御さん、祖父祖母などがいらっしゃる方は、その患者さんをどう対応してゆくか?の答え探しには繋がりません。
今の介護に対する問題解決はありません。

どんな気持ちになるか?の正解は…

「自分もいつ、こんな患者になるかわからない。健康な今のうちに、自分がこうなった時の為に、子供に何と伝えておくか?」
です。

それを真剣に考えさせられる程に、認知症疑似体験のこの不可解で衝撃の感覚が尾を引いています。

#認知症 #アンソニーホプキンス #father

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