うれしいおしらせとしあわせ

2022年7月5日 16:41

汗をかきかき、フライパンを振って炒めていた。今夜は麻婆茄子。

スマホが「電話ですよー」と呼んでいる。
今フライパン振ってるんだけど？！
チラッと見ると息子からの着信。
何かあったのか？と慌てて火を消し電話に出る。
「急なんだけど、これから髪の毛切ってくれない？」
「いいけど、今晩ごはん作ってて、お父さんと食べてからでいい？」
「りょうかーい」

・

今夜は麻婆茄子と、アボカドとトマトのわさび醤油和え。
ナスは大きめのさいの目切り、玉ねぎは薄切り、薄い豚バラは1センチに細切り。炒めて、少量の水を足し、柔らかく煮てから味付け。もう一度炒め、トロミをつける。
これで歯のないオトンの食べれる大きさで、柔らかい麻婆茄子の完成だ。
トマトは皮を剥き、半分を更に6等分、アボカドは半分を8等分。出汁醤油にワサビをちょろり、よく和えて上に彩りのちぎった三つ葉をぱらり。

昨日は久しぶりに涼しくて（蒸し蒸しはしてたけど）オトンの家の片付け作業が捗り、気付いたら18時！オトンは普段18時〜19時に晩ごはんを食べて、20時には就寝する。
「わー！大変、急いで帰らなくっちゃ」
いつもはオトンの家から帰宅すると直ぐにお風呂に入るのだけど、汗だくのまま料理していた。
「お待たせしました！」
「いただきまーす」
TVを観ながら食べていて、ふとオトンを見ると、もう半分以上食べてる！
私はまだ二口くらい。
ナスが大好物だし、柔らかいからかな？
「美味しいねぇ」とニコニコ。
トマトとアボカドのワサビ和えもパクパク。
早々に完食したオトン。「美味しかったー」と何度も言う。とても嬉しい。

「これから孫くん（息子）が髪の毛切りにくるよ」
「うーん、お父さんもう眠いから起きていられないや。よろしく言っておいて」「わかった。おやすみ」
「おやすみ」

久しぶりに我が家に帰宅した息子。
仕事がお休みだったようで元気そう。

「お父さん会いたがってたよー」
「俺もじさまに会いたかったな」
(息子はオトンのことを『じさま』と呼ぶ)
毎朝5時半から『モーニングポタリング』していて、とても楽しいしオトンも私も、体の調子が良いと話す。
「『モーニングポタリング』？すげーネーミングセンス！じさま、元気になったんだね。やっぱり癒し系、好々爺。じゅんみはさんも良かったじゃない」
「うん！」

気持ち良さそうに熟睡してるオトン。

髪の毛を切り始める。
いつもは「加瀬亮みたいにして」と言うのだけど
「今日は〇〇（←何度聞いても名前を覚えていない私）みたいにしたいから画像見て」
「先に行っておくけど、同じようにはならないからね」
「うん、雰囲気が伝わればいいから」
カッコいいミュージシャンの画像(←なのに覚えてないのが本当に悲しい。記憶力鍛えたい)
そのミュージシャンの曲を聞きながらカットする。とても心地よい歌だ。
私も息子も元気で、カットしながら会話が弾む。

そのうち、最近できた彼女の写真を嬉しそうに見せてくれた。
「わぁ！めちゃめちゃ可愛いねぇ！柔らかい、ちょっと照れた表情から優しい人柄が溢れてる」
ニッコニコの笑顔の息子。
カットし終わると鏡を見て「今までで一番いいじゃん！じゅんみはさん流石〜」「でしょ？母ちゃんすごいのよ。はい代金」手を出すと「出世払いで」と笑う。
「ちょっと写真撮ってよ」とスマホを渡された。
自分の写真を撮られるのが嫌な息子。珍しいなぁ？と思いながらいろんな角度から撮影した。
その後も暫くお互いの近況を話していたら…
「写真見た彼女から、いいねっ！てライン来た」今度はニヤニヤしてる。
「なんなん？その楽しそうな感じ。」

ああ、良かった。
母ちゃんはとっても嬉しいよ。とってもとっても嬉しいよ。
今まで苦労かけっぱなしだった息子に、可愛い彼女ができたなんて。そして幸せそうで。
私もニコニコだ。

帰り際に
「6日に近所の友達の家に彼女を連れて来るんだけど、もしかしたら家にも寄るかも」
「えぇぇーー！？すっごく嬉しいけど緊張！！来る前に絶対ラインしてね！」
「なんで？」
「だって初めて会うんだから、少しはキレイな格好したいよ。今みたいにスターウォーズのTシャツと、adidasのハーフパンツで、すっぴんなんてやだー」
「そのままでいいんじゃない？」笑っている。
「この幸せ話、noteに書いてもいい？」
note読み専だった私に「自分も書いてみたら？」と言ったのは息子だけど、私のnoteは絶対に見ない。
しかし、息子の友達の何人かは読んでいるらしい。
「いいけど、恥ずかしいなぁ。この前〇〇さんに会ったら、俺が家を出たことも知ってた。じゅんみはさんのnote読んでるからって」二人で笑う。

息子が帰って、一日中汗だくだった私はやっとゆっくりお風呂に入った。
もう夜中の1時半。明日も5時半から『モーニングポタリング』だ、寝なくては。

・

寝坊した。
優しいオトンは起こさず待っていてくれた。
いつもより遅い出発。