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再度自己紹介

自己紹介の記事で、インタビュー頂いたとお知らせしたのですが、その記事が掲載された情報誌が出版となりました。

とても分かりやすくまとめて頂いたので、是非書店でお手に取って頂ければ。

「炎芸術 No.155 2023秋」

僭越ながら、要約させて頂きました。

近年、特に若手作家による磁器の表現が広がっている。その中で、松村淳の作品は現代の磁器表現の最先端だ。彼は瀬戸の磁土を使い、「やきものらしさ」を演出するのではなく、敢えてニュートラルで無機質な酸化焼成の白磁にこだわっている。彼の作品はシャープで流麗なフォルムで、まるでアニメや映画の「この先の世界」を想起させるような印象を受ける。

松村淳は1986年に千葉県に生まれ、その後埼玉に移住した。少年時代は、鉄道模型を作る父の影響でブラモデル作りに夢中になり、ガンダムやエヴァンゲリオンの世界を楽しんで育った。また、熱帯魚などの生き物にも興味を持ち、アメリカの大学で海洋生物学を専攻した。作品のタイトルには生物学用語が使われることもある。

大学を卒業した後、松村は陶芸家を紹介した本に出会い、「何かを作ることへの興味」を再度抱くようになった。そこで、多治見市の磁器意匠研究所に入所した。器用さを生かして、すぐにロクロで磁器を挽くことにも慣れていった。最初は個性的では無い作品を目指していたが、次第に釉楽研究からフォルムの探求にシフトしていったようだ。石青原型をもとにした複雑な面と線で構成される作品や、近未来的な茶碗など、斬新で理にかなった作品を生み出している。

近年は3Dプリンターのモデリングソフトを使って、より複雑で精密な樹脂原型を作成し、パーツごとに鋳込みで成形し、組み合わせる手法を試しているようだ。ただし、徹成したヤスリがけなどの手仕事も重要視している。

松村の作品は鋭利なまでにシャープな造形性を示しながらも、動的で滑らかであり、仕上げが重要な意味を持っている。白磁の特性を理解し、光との相互作用を意識した作品も多く、そのフォルムは流体力学的で淀みのない美しさを持っている。

彼の作品は、視覚的な空気や光の流れを生み出し、爽快感と近未来的なイメージを与える。とても魅力的な作品である。

外舘和子様、素敵な文章ありがとうございます。

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