DX組織におけるベンダー選定

さて、この記事を読んでいただいている方が企業のDX担当者であれば、今の私と同じような悩みに直面したことがある、あるいはこれから直面することになります。今日は、参考にしていただくためにまとめ記事を書きます。


2023年時点でDX組織の管理者層にいるのは、元々はIT推進部などの”デジタルっぽい”経験をしてきている人が多いのではいでしょうか。そして、担当者層はMBAホルダーであったり、入社後から積極的にビジネス書籍を読んで新規事業開発の知識や、体系的な経営スキルを身につけているというケースが多いと思います。

ここで両者はとある典型的な課題に向き合うことになるのです。IT推進部を歩んできた50代社員は、ITシステムはベンダーに作らせるものであるといった前提に立ちます。確かにこれは間違ってはいませんが、コストや現実的な事業計画へのフィットを考慮すれば、なんだか不確かな主張に感じられます。

一方で、経営知識を持った30代の若手社員は、マーケットインの発送から、開発工程までを俯瞰して、コストまでを厳密に考えます。当然と言えばそれまでなのですが、世代間ギャップはコスト感覚に顕著に現れます。

さて、古い日本企業のDXであれば、初年度はIT推進部の経験をもつ社員の過去の人脈によるベンダー選定が行われます。ここにはコスト感覚もクオリティチェックも行われません。なぜならば、これまで付き合いがあったベンダーとの契約を続けることが最も、楽だからです。そして、変更を伴うことは、失敗リスクを許容する必要があります。当然ベンダー変更という選択肢は避ける傾向にあります。

さて、DXを目指すのであれば、ベンダー選定は合理的に行う必要があります。必要があることは多くの人がわかっていながら、なかなか行われないのがもどかしいところです。

そこで今回参考にしたのは下記の書籍です。「ファネル選定」というコンセプトをもとに、RFIやRFP、選定基準などがわかりやすく説明されており、ベンダーを改めて選抜していく上で欠かせない知識を得ることができます。


システム開発を断片的に見れば、確かに「作らせるもの」なのかもしれません。しかし、自社とベンダーの最適解を見つけるために合理的な選択手順を踏むことで、お互いが共通ゴールに向けて取り組むことができるようになるのではないでしょうか。DXに取り組む方の励みになればよいなと思います。

今日はこのへんで

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