罪を憎んで人を憎まず
罪を憎んで人を憎まず、そんな言葉がある。
私は性善説なので、そう思っている。
私はとても優しい人間だと自負していて(驕りではなく、悪い意味で)、その行為に「悪意」があるかどうかで判断してしまう節がある。
そもそも犯罪は法に触れてるので、犯罪以前の話をします。
最近、薬丸岳氏 の『告解』と『Aではない君と』を読了した。
『告解』はふとした飲酒運転で罪のない老人を轢き、逃げてしまった若い少年の話。
『Aではない君と』は、息子が同級生を殺し、父親が罪の意識のない息子と向き合っていく話。
さて、彼らに悪意はあったか?
私が読む限り、轢き逃げやいじめの報復での殺人、悪意はなかったと、感じた。(読み方次第かもしれないが)
小説の中ではあるが彼らは犯罪を犯し、そして小説の中で考え悩み、人として『赦されていく』
犯罪云々の問題は置いておいて、
今の問題は「罪を憎んで人を憎まず」なのだ
私は今まで、人は生まれながれに「善」であり、「嫌な思いをさせてやろう」という悪意が乗っていない限り、ある程度許してきてしまっていた。
怒れない子供だった。
小学生の時、ラブアンドベリーというゲームセンターのアーケードカードゲームが流行った。
小学三年生の私は、クラスのリーダーのSという子に100円を払い、自分でプレイしたとしても出たカードをその子にあげていた。
さて、この子には「悪意があったのか」。
多分、ない。
クラスで一番でいなければならなくて、私のことを心底嫌いだったわけでもないだろう。自分のカーストや見栄を守るために、優しい私を利用したのだ。
その子とは、高校生まで学校が一緒だった。
高校三年生の時にはクラスが一緒で、一緒に昼休みを過ごしたりもした。
楽しかった。でも思い出すのはあの子にされた数々の嫌がらせ。
高校生になったその子は、愛されて、努力家で、いい子で、いい大学へと進んだ。
その子のことが嫌いではなかった。
たまに頭をチラつくけれど、かといってその子が具合悪くなった時に「バチが当たった」とは思ったことなどなかった。
その時に私は「罪を憎んで人を憎まず」だと思った。
今の知り合いに言われる
「嫌なことは嫌と言いな」、と
悪意が乗っていないと感じたら、言えないのだ
優しさではない。多分それを馬鹿だと呼ぶのだろうが。
自分可愛さに「嫌なことを嫌だ」と言って雰囲気が悪くなる・嫌われる そんなことを気にして、身動きが取れなくなる。
話は突然変わるが、
2022年10月29日に生誕ワンマンをやらせていただく。タイトルは太宰治氏の作品タイトルから取って、 『道化の華』
道化。ピエロだ。
怒れずに、ヘラヘラと笑ってその場を取り繕って、そしてその結果四半世紀生きた私の、『道化の華』
人はなるべく憎みたくない。
負の感情は疲れるから。
しかし罪を犯すのは人間だ。
さてもうすぐ25歳、
人も憎むことになるのか、罪だけを憎んだままで生きるのか、私にはまだわからないけれど
人を愛する性善説信者で、自分自身の心が壊れてしまったら、それは一体誰が悪いのだろう。誰も悪くないのだろうか。
わからないけれど、
『罪を憎んで人を憎まず』そのままでいきたい。しかし、これからは自分自身も大切にしたい。自分自身の「嫌だ」「悲しい」そんな感情を、抱きしめて生きていけるようになりたい。
そして、平和的に伝えられたら多分、世界は、平和に回り出す。
最後に
小学生の時に
「いじり」と称して私を「いじめ」ていた奴らへ
K、S、I、M、S、その他大勢の取り巻きへ
私はあの時、嫌だったよ。
私は笑って茶化したけれど、私は嫌だったよ。
容姿を馬鹿にしたね、買ってもらったばっかりの文房具をみんなでボールみたいにして遊んでたね、買ってもらったばかりの筆箱に悪口を書いたね、冬の寒い日に縄跳びで思いっきりムチみたいにして殴ったね、万引きを強要したね、お金をせびったね、遊びだと鳩尾を本気で殴ったね、靴を隠したね、宿題をやってこいと言ってやって行ったら字が汚いと怒ったね、卒アルの寄せ書きに酷いことを書いたね
お前らは「いじり」だと言ったね
教師も「あなたは笑っていたでしょう」と言ったね
私はあなたたちを責めたいのではない
「罪を憎んで人を憎まず」
許したい。許したいのだ。
馬鹿みたいな呪縛に囚われたくない。
その行為は確かに確実に「悪」だった。でも今の知らないあなたたちは「良い人」であってください。
「罪を憎んで 人を憎まず」
それは罪を犯した人のための言葉ではなく、
罪を犯された人のための言葉なんだ
ここまで読んでくれた人、
あなたはどうですか。
罪と人も憎みますか
人を憎みますか
罪だけ憎みますか
答えは分かりません
あなたの「罪」がそれになる前に、少し見返してみてはもらえませんか。
罪を憎んで、人を憎まず。
性善説で、いさせてください。
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