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日本選手権・冬で5位になりました! ラクドスアルカニスト入門とトーナメントレポート


 こんにちは。順九郎です。
 このたび、12月26日から二日間にわたって行われた日本選手権・冬でベスト8に勝ち上がりました!

 今回は、使用したラクドスアルカニストについて書きたいと思います。

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・・・・・・お気づきだと思いますが、これはサイドボード含めて、全くのコピーデッキです。
 超有名なデッキなので、僕が一席ぶってデッキ解説を書くのは憚られます。
 というより、理解の浅さを露呈しそうでこわい。
 なので、ここでは僕が自分なりにどうカードを使ったか書いて、これからこのデッキを使おうと思っている初心者の方へ、入門の一助にしたいと思います。

デッキの動かしかた

 大まかにいえば、序盤と中盤で細かく除去や手札破壊をして時間を稼ぎ、終盤に《クロクサ》をどーんと出して勝ち

 勝利のほとんどがこのパターンですので、それを意識しながら動くと行動の指針が立てやすいと思います。

 スゥルタイミッドレンジとのよくある戦いかたを例に挙げてみます。
 
 1ターン目、《思考囲い》で《成長のらせん》を抜く
 2ターン目、《戦慄衆の秘儀術師》召喚
 3ターン目、《秘儀術師》で《思考囲い》を再利用。《ウーロ》や《絶滅の契機》を抜く

 手札破壊を複数回撃てる状況なら、軽い呪文から落としていくと、往々にして相手は5ターン目《ニッサ》まで、ほとんど動けなくなります。

 そうやって相手のゲームスピードを減速させて、《縫い師への供給者》を出せば大抵、《クロクサ》が脱出できるようになって場を支配できますし、そうでなくても《ウーロ》や《ニッサ》は、出てきた返しのターンに、こちらの豊富な除去呪文で対処して、《若き紅蓮術師》やそのトークンで細々した攻撃を続けて勝つこともあります。


カードの使いかた

 いくつか、お役に立てそうなカードの知見をピックアップしたいと思います。

《立身+出世》

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《立身》で場に戻すクリーチャーは、多くの場合、《秘儀術師》か《紅蓮術師》が有力ですが、《縫い師への供給者》もかなり役立ちます。
 特に、《秘儀術師》が場にいるのに、墓地に除去やハンデスがなかったりするときや、《クロクサ》のサポート(運がいいと直接墓地に落ちてきます)など、少し手詰まり気味な時に釣り上げてみると、明るい未来が開けてきたりします。

《出世》はやはり《秘儀術師》が筆頭ですが、脱出した《クロクサ》に唱えるのも非常に強力です。
 いきなり走って、187能力込みで10点以上ダメージを稼ぎ出したりするので奇襲っぽく使えます。それで相手のプランが覆って勝ちということはよくあります。
 

《初子さらい》

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 相手クリーチャーに使うのが定石ですが、速攻付与目的で自分のクリーチャーに使うことも忘れないでおきたい点です。
 引きが悪く、ゲームを長引かせたくないときは、相手のライフをできる限り詰めておきたいものです。そんなときに《スカイクレイブ災い魔》あたりに使えると結構つよいです

《村の儀式》

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 手札から出した《クロクサ》の187に合わせて
 《初子さらい》でもらってきたクリーチャー
 《若き紅蓮術師》のトークン
 
 以上のどれかに使うのが理想です。次点で《縫い師への供給者》あたりでしょうか。
 ただし、マナスクリューしそうな時や、何かカードを引いてこないと不利が予想される場面などでは、ケチらずに、たとえ《紅蓮術師》を犠牲にしてでも(この場合、トークンはでません)唱えた方がいいと思っています。
 あと、《初子さらい》が入ったデッキを相手にする時には、それから守ってくれる心強い防御呪文になります。《クロクサ》は可能な限りこのカードによるバックアップを用意してから脱出したいものです。

《死の飢えのタイタン、クロクサ》

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 僕は、このクリーチャーを、コントロールデッキにおけるフィニッシャーというような位置づけで見ています。
 《秘儀術師》による呪文使いまわしでペースを握ったなら、とっとと脱出させて殴りに行きましょう。与えるダメージがかなり多く、速やかにゲームを終わらせてくれます。
 スゥルタイミッドレンジなどを相手に、《ルールス》を出していると、このクリーチャーを場と墓地の往復をさせて遊びたくなりますが、それはやめましょう。
 スゥルタイは個々のカードパワーが高いため、トップデッキ《ウーロ》から《ニッサ》につながったりすると、逆転負けを喫することになりかねません。
 僕は優位に立ったら、日和見なことはせずに、攻勢をかけていくことを心がけました。


☆本選レポート☆


初日

★R1 勝ち ○○ ラクドスアルカニスト

 まさかのミラーマッチ。僕の方が運が良くて勝てました



★R2 勝ち ○○ スゥルタイミッドレンジ

 第1ゲームは1ターン目の《思考囲い》で見た相手のハンドが、《ナーセット》とそれ以外土地だったのでラッキーでした



★R3 勝ち ○×○ スゥルタイミッドレンジ

 こちらはフラッド気味で、墓地関係のカードも引けず困った状況
 やむを得ず《スカイクレイブの災い魔》を4/4で出して、《初子さらい》で速攻をつけて、トークンを一体も生んでいない《若き紅蓮術師》と一緒にビートダウン。
 ライフを詰めたことが功を奏して、相手は《ニッサ》が間に合わず、何とか勝てました



★R4 勝ち ○○ グルールアグロ

 第1ゲーム 相手はダブルマリガン。そこを《思考囲い》や《クロクサ》でうまく突けて勝てました

 サイドボーディングで事件発生。僕のPCでは、Arenaを起動しながら、discordとmtg meleeを開いていると、とても重いのです。
 サイドアウトしたいカードをクリックしても、3秒くらい反応がなく、ついクリックしすぎて抜けたカードを戻してという作業を繰り返していると、突然、対戦画面に切り替わり。
 なんとサイドボーディングなしで次のゲームに突入
 予定では《思考囲い》をすべて抜いて除去にするつもりでした。

 第2ゲーム 相手がエルフを経て2ターン目に出してきた4/4の《グルールの呪文砕き》を《縫い師への供給者》を生贄に《灯の儘滅》で除去する苦しいスタート。
 その後も除去でなんとか時間を稼ぐも、《地獄乗り》2体と《ザルターのゴブリン》が襲い掛かってきて、こちらの残りライフは3.
 なんとか場にいた《秘儀術師》1体と《立身出世》で釣り上げたもう一体、そして手札の除去で片づけることに成功。そして次のターンに《クロクサ》を脱出させて相手の手札を枯らせて優位に立ちます。ですが返しに相手はまたしても《地獄乗り》を召喚。僕は《初子さらい》を持っていましたが、対象に取れず。
 次のターン、僕は《エンバレスの宝剣》や《探索する獣》トップデッキにおびえつつも《クロクサ》でアタック。ブロッカーは《紅蓮術師》や、そのトークンたちに任せます。盤面が自分有利で相手のトップデッキが怖い状況では、ゲームを早く終わらせましょう。
 
そこに飛び出てくる《炎樹族の使者》。

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 ありがたい! 
 早速これをさらって《灯の儘滅》のコストに充て、《地獄乗り》を除去、《クロクサ》攻撃で9点ダメージ。墓地の別の《クロクサ》を脱出させて、さらに3点ダメージ。ライフを削りきりました。
 サイドアウトするはずだった《思考囲い》を引かなかったのもよかったです。




★R5 勝ち ○×○ スゥルタイミッドレンジ

 勝ったのは手札破壊と墓地利用によるカードアドバンテージの王道パターンで、負けたのはフラッドが原因です。
 このデッキはかなりマナがタイトですが、土地が手札にだぶつくと死にます。
 なにも場に脅威を出せず、手札破壊をしないままだと、《ニッサ》が《成長のらせん》や《ウーロ》経由で速やかに着地し、速やかに負けます。



★R6 勝ち ×○○ ラクドスアルカニスト

 またしてもミラー。こちらはフィーチャーで放送されましたので、詳しくはそちらをご覧いただければ幸いです。

https://www.twitch.tv/videos/850030968?t=6h36m29s

 第1ゲームはダブルマリガン。盤面でも押され、形勢不利
 さらにこっちの除去は《村の儀式》でかわされ、裏目を引いてしまいます。
 次のターン、僕は手札の《魔性》を構えるか《クロクサ》を脱出させるかの二つの選択肢がありました。
 もう普通にやっても勝てなさそうなので、相手に《初子さらい》がないことに賭けて《クロクサ》を脱出させますが、無情にも返しの相手ターンにさらわれてアタック、その後生贄に捧げられてしまいました。
 ターンが返り、もう一度《クロクサ》を脱出させようとしたところ、PCが重く、脱出コストに選ぶカードがうまくクリックできずに時間切れでターン終了!!
 
そのまま負けました
 
 第2ゲームはお互いに《初子さらい》を警戒しあう重苦しい展開。
 こちらは中盤まで土地が思うように伸びず、不自由な行動を強いられました。特に《クロクサ》や《秘儀術師》は《村の儀式》のバックアップなしには出せません。
 
相手が先に動きますが、それを凌ぐことに成功。
 こちらは相手より多く引いた《縫い師》のおかげで墓地が豊かで、《クロクサ》の脱出回数で相手を上回り、なんとかなんとか勝てました。

 第3ゲームは初手に《紅蓮術師》、《秘儀術師》、《村の儀式》がある好ハンド。安心して展開できます。
 ただし、サイド後はお互いに除去が増えるので、そこは考慮すべきでしょう。僕は《秘儀術師》を場に残しておきたかったので、除去や《初子さらい》での被害の少ない《紅蓮術師》を先に出しました。
 案の定、即始末されてしまう《紅蓮術師》。
 次に繰り出した《秘儀術師》は《初子さらい》が待ち受けていましたが、それを安心の《村の儀式》でかわします。
 そして《立身出世》をトップデッキ。もともと持っていたのと合わせて2枚となり、《紅蓮術師》と《秘儀術師》の2体を場に戻します。そして出世した《秘儀術師》で攻撃。墓地の《村の儀式》をエレメンタルをコストに再利用。このターンに計3マナ踏み倒して一気に動きます。
 この時の《村の儀式》で《初子さらい》を引けたのは最高でした。
返しに相手が出した《ルールス》をかなりいい形で処理し、ゲームを決めることができました。


★R7 勝ち ○○ スゥルタイミッドレンジ

 第1ゲームは相手の土地が3枚で停滞し、ぼくはその隙に展開。
《縫い師》2体と《紅蓮術師》とそのトークン1体で攻めたてます。
 そろそろ《ニッサ》あたりが出てきそうな中盤で、《思考囲い》をうつと、そこには《肉儀場の叫び》と《絶滅の契機》が・・・

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 完全にやられてしまう前者を抜きました
 そして相手は偶数での《絶滅の契機》。相手のライフは6
 僕は相手のターンエンドに《棘平原》を本体に1点撃ち、自ターンには、《立身》で墓地にちょうど1体いた《縫い師》を釣り上げ、それを《出世》で強化。場に残っていた《縫い師》2体と合わせてちょうど相手のライフを0にすることができました。 

 第2ゲームは、今大会で一番印象深かったものになりました。
 《強迫》と《秘儀術師》、他は《初子さらい》と土地のちょっと微妙なハンドをキープ。 
 後手1ターン目に嬉々として《強迫》を唱えた僕は、相手の手札を見て思わずうなりました。
 土地1枚、《漁る軟泥》、《取り除き》、《本質の散乱》、《ニッサ》、《成長のらせん》
 どうやっても僕の《秘儀術師》が走れないことが確定しています。早くもプラン崩壊です。
 こっちはハンドが弱く、勝ち筋が全く見えません。
 考えた結果、これはもう《成長のらせん》を抜いて相手が事故ることに賭けるしかないと決めました。
 相手は2ターン目に《漁る軟泥》。このターンにカウンターを構えられなくても、除去があるから安心して着地できます。
 一方、僕は土地をおいてエンド。貴重な《秘儀術師》を、見えている相手の除去の前に差し出すことはできません。
 そして相手は土地を置かずにターン終了。僕の賭けが実を結びました。
 僕は土地を置いて終わり。《強迫》が《軟泥》に食べられましたが仕方ありません。
 その後相手は3枚目の土地を置きますが何もせず。そのまましばらく土地3枚の状態が続きます。
 僕は何とか引けた《アングラスの暴力》で《軟泥》を退場させることに成功。土地も5枚に伸ばし、《紅蓮術師》と《縫い師》も引き込めました。
 相手が1アクションしか取れない今のうちに、僕は1ターンに2体クリーチャーを出していき、打消しと除去が間に合わないようにしました。
 それがうまくいき、攻勢に出ることができました。
 最後は、見えていた相手の手札の《ウーロ》と《ニッサ》を、《クロクサ》の召喚と脱出でディスカードさせ、脱出してきた《ウーロ》を初手から持て余していた《初子さらい》でもらって攻撃、《村の儀式》に使います。
 次のターンに《クロクサ》が攻撃して9点ダメージを与え、相手のライフは3.
 墓地にいた《クロクサ》を脱出させて、さらに3点ダメージで勝ちました。


★R8 ID ジャンドサクリファイス

 トップ8への確定ラインにたどり着けたので、IDしました
 苦手なジャンドサクリファイスと、戦わずに済ませられてよかったです。

★R9 ID スゥルタイミッドレンジ

  これで相手の人もトップ8が確定しました


決勝ラウンド

★1 負け ○×× 黒単アグロ

 最も当たりたくなかった相手でした。
 というのも、そもそもラクドスアルカニストは速攻デッキが苦手です。
 そのうえ、相手のデッキにはメインに《死より選ばれしティマレット》があり、サイドには駄目押しの《虚空の力線》4枚があります。

 第1ゲームは相手の《スカイクレイブの影》などのタフネス1クリーチャーを《紅蓮術師》のトークンがうまく防いでくれて、時間を稼ぎ、《クロクサ》脱出を実現して勝てました。

 第2ゲームは、開幕《力線》。

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 第3ゲームも、開幕

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 おお神よ・・・・・・



 こうして僕の日本選手権・冬は終わりました。
 準々決勝はゲームになりませんでしたが、こういう展開は大会中に遭遇するだろうと覚悟の上だったので、まあラクドスアルカニストで出るというリスクを負ったからには、当然受け入れなければなりません。

 ある意味、この上なく負け方もよかったので、大満足の結果でした。
 ミスして紙一重の勝負を落とすような負けよりずっといい!
 2日間を通して、メインデッキ戦ではR6以外全て勝ったのも、なんだかうれしいです。


余談

 僕はかつて、自分でデッキを作って大会に出ることを楽しみとしていました。
 オリジナルデッキで、いつか大きなトーナメントで勝つことを夢みていたのです。
 それを実現していたかの中村聡選手を、ものすごく尊敬しています。(五輪の書は出版後に速攻で買いましたし、マジックの定食屋さんは毎日巡回。日記とトーナメントレポートは何度も読み直し、某GPで握手もしてもらいました)

 それなのに、どうして・・・

 もちろん、当初はいくつか自分で作りましたよ。
 お気に入りの《スランの崩落》デッキとか。
 だけど、ことごとく弱かった!

 せっかくつかんだ出場権なのに、このままでは何もできずに終わる・・・ 
 プライドをかなぐり捨てて、やけくそでネットから持ってきたラクドスアルカニスト。これでArenaのラダーを回り始めました。
 するとどうでしょう。このデッキは、瞬く間に僕を構築Mythicランクにまで導いてくれたのです。コピーデッキ万歳!!
 各カードの有機的な繋がりを活かしてプレーするのがとても楽しいし、デッキパワーの高さもすごい。こういうのを自分で作れたらなー

 僕にとって日本選手権は、勝つことに大きなウエイトが置かれた大会でした(その割にデッキ選択はやけくそでしたが)。
 既成の強力なデッキを使って勝つのは、それはそれで確かに楽しかったです。
 ですが、自分で作った今までのお気に入りのデッキが急速に色褪せて見えてしまい、愛着を失いかけています。
 当面はリミテッドをしながら、自分の夢と、実際はどうしたいのかについて考えたいと思います。
 カラデシュリマスターの初心者攻略を書きたいのですが、今Arenaでやってないんですよね。

 ここまで読んでくれてありがとうございました。
 感想など頂けましたら幸いです。
 それでは失礼します。

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