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ザ・クラウン完結

Netflixオリジナル配信ドラマ

ザ・クラウン

シーズン6でついに完結しました。
エリザベス女王(エリザベス2世)の人生を振り返るドラマです。全60話を視聴して達成感いっぱいのうちにドラマの感想を記録しておきたくなりました。

注)厳かにネタバレをします。
エリザベス2世をエリザベス女王と呼称記載しています。

英国王室の在位期間歴代1位の女王はただならぬ人生の荒波を乗り越えていた

エリザベス女王は王位継承順位3番目の王女として誕生します。祖父ジョージ5世が崩御したのち、王位は長子であるエドワード8世が引き継ぎます。
しかし、有名な「王冠を賭けた恋」を成就させるべく若き王はあっさり退位してしまいました。その後、国王に就いたのはエリザベス女王の父ジョージ6世、退位したエドワード8世の弟です。

ジョージ6世の心の葛藤を描いた名作
「英国王のスピーチ」

この映画では少女時代を過ごす可愛らしいエリザベス女王が登場します。

Netflixオリジナルドラマ
ザ・クラウンでは、ジョージ6世の訃報から物語が始まります。エリザベス王女は王位継承順位1位でありますが

今は大丈夫、まだ若いから..

そう思って新婚時代を楽しんでいたはずです。突然訪れる「その時」は愛する父の逝去が現実であり、女王即位のスタートです。亡父を偲ぶ暇もありません。「エリザベス2世即位」に向けて側近達は動き出している中、若きエリザベス王女に手紙で思いを託した人がいます。

エリザベス女王の祖母
メアリー・オブ・テックです。
(当時の英国王室、ゴッドマザー)

親愛なるリリベット
あなたがどれほどジョージパパ、
私の息子を愛し
打ちひしがれているかは
察します
しかし、その感傷は一時傍らに置き
役目を果たさねば

国中が悲しみに暮れています
あなたの強さと統率力が必要です
私はこの目で見てきました
「公務と私生活の区別がつけられず滅んだ3つの君主国を」
決して同じ過ちを犯してはなりません

お父様の他にもう一人
別れを告げねばなりません
“エリザベス・マウントバッテン¨

彼女は別の人物と入れ替わりました

¨エリザベス女王です¨

2人のエリザベスは対立し
衝突するでしょう
しかし常に王位 王冠が勝たねば
なりません
どんなことが起ころうとも

ザ・クラウン シーズン1-2国王崩御

The crown must always win.

このドラマのタイトルがこの手紙で登場します。
そして、この言葉は守られます。

私の人生が長くても短くても、生涯、公務に我が身をささげることを
みなさんの前で誓います。

エリザベス女王戴冠式のスピーチ


戴冠後、エリザベス女王は「私」を犠牲にして、国家のために尽くしました。その姿は世界中に知れ渡っています。同時に、女王の功績の陰では沢山の人々が女王を支え敬い、時代を作っていきます。首相はウィンストン・チャーチルからリズ・トラスまで15人が任命されました。在位期間は70年に及びます。96歳で崩御するまで公務に邁進してこられました。在位70年を記念した祝賀行事プラチナ・ジュビリーでは大勢の人が女王を慕い集まったそうです。エリザベス女王は「英国の母」のような存在だと偲ばれています。

3人の女優がリレー方式で演技を繋ぐ

エリザベス女王の96年の人生は色濃く長い

ザ・クラウンではエリザベス女王を3人の女優で演じています。
(昭和で云う「おしん」スタイル)

クレア・フォイ
オリヴィア・コールマン
イメルダ・スタウントン

いずれの女優さんも素晴らしい演技と存在感でバトンを引き継ぎ、エリザベス女王の人生を美しく演じておられました。「ザ・クラウン」は沢山の賞も受賞しています。
以下はほんの一部です。

シーズン1  
第74回ゴールデングローブ賞 
ドラマ部門 
主演女優賞クレア・フォイ
(エリザベス女王)
シーズン2
第70回プライムタイム・エミー賞 テレビドラマ部門 
主演女優賞
クレア・フォイ(エリザベス女王)
シーズン3
第77回ゴールデングローブ賞 
ドラマ部門
主演女優賞
オリヴィア・コールマン
(エリザベス女王)
シーズン4
第78回ゴールデングローブ賞 
テレビドラマ部門
主演男優賞
ジョシュ・オコナー
(チャールズ皇太子)
主演女優賞
エマ・コリン(ダイアナ)
第73回プライムタイム・エミー賞 
主演男優賞ドラマ部門
ジョシュ・オコナー
(チャールズ皇太子)
主演男優賞ドラマ部門
オリヴィア・コールマン
(エリザベス女王)
(シーズン4はエミー賞のドラマ主要7部門を制覇)
シーズン6
第81回ゴールデングローブ賞 
テレビドラマ部門
助演女優賞
エリザベス・デビッキ(ダイアナ)

あれ...シーズン5だけ受賞していない..個人的に晩年の女王役イメルダ・スタウントンはハリーポッターシリーズでアンブリッジ先生役をされていたので親近感があり、哀愁ある演技がとても良かったので残念。Wikipedia情報によるとシーズン5は、フィリップ王配の不倫疑惑やダイアナ妃の交通事故などをテーマに取り扱っているため各種批判が取り沙汰されているようです。

人生の出来事は変わらないのに時代によって変化する好感度

世界的に注目度が高い英国王室。王族のスキャンダルは徹底的に叩かれます。エリザベス女王は初恋の相手であるマウントバッテン家のフィリップ殿下(王配)と結婚しましたが、実妹のマーガレット王女は既婚者の軍人との恋を選びます。(その後に別離)現代ならば許される恋でも「当時の価値観」が息苦しく立ちはだかります。その次に注目の矢面に立つのは有名なダイアナ妃。ダイアナ妃にまつわる映画やドキュメンタリー作品は今でも定期的に新作が配信されるほど強い人気があります。個人的に心に残っているのは「スペンサー ダイアナの決意」です。圧倒的な人気と美貌を備えながら、チャールズ3世(当時は皇太子)に愛されない不遇の立場が切ないです。やがて、ダイアナ妃が不慮の事故で亡くなってからは叩く矛先がエリザベス女王へ。同時に、カミラ夫人(現在は王妃)は悪者でしかありませんでした。

しかし、時は流れます。
当時、悪者だった人は国民から受け入れられ愛されています。歴史的事実は変わらないのに、人の見る目が変わりました。一側面しか知らない、知らされない国民や世間は内情がわかりません。

好感度の維持には適正なコンサルタントが必要

「超越した立場でなくては」とエリザベス女王が周りを鼓舞するシーンがあります。長きに渡り英国王室の長として君臨した女王は、自身の「高い好感度」の維持がいかに不可欠で大切かを熟知しておられ、これでもかと続く家族のスキャンダルの数々に出会われながら公務に邁進されます。

今現在、英国王室で一番叩かれる存在はハリー王子とメーガン夫人です。王室を離れても尚、センセーショナルな言動が目立つので「記事に書きやすい」のでしょう。良いか悪いかではなく、雑誌が売れればいい。マスコミの網に引っかかりやすい夫妻の叫びはネタになる。ただ、ずっとこのネタを続けると大衆は飽きてくるから...

時が経つと好感度の順位は
入れ替わる

ザ・クラウンの最終章にグレーな匂わせを感じました。

終活の大切さ、ロンドンブリッジ作戦

エリザベス女王の国葬は何一つ抜かりなく完璧に執り行われなければいけません。シーズン6の最終回では、女王が自身の在位期間の長さについて迷う場面が描かれます。そろそろ、チャールズ皇太子に生前譲位すべきではないだろうか..

「エリザベス女王にとっての終活」

史実として、女王は崩御されるまで生涯現役でした。そして生前から計画されていた「葬儀に関する計画」の準備は女王の意見を取り入れながら進みます。

ロンドン橋計画
Operation London Bridge

Wikipedia

エリザベス2世が死去した後にイギリスで執り行われる各種行事の計画

Wikipedia

コードネームは
「ロンドン橋落ちた」
London Bridge is Down

コードネームがあるのは女王だけではありません。ドラマの中ではフィリップ王配が「僕はフォース橋だよ」と気さくに話すシーンがありました。
また、故ダイアナ妃が逝去された際はクィーン・マザーのコードネーム「テイ橋」計画を倣って葬儀が執り行われたそうです。

英国王室のような高い地位にある方々に限らず、「死」は誰にでも訪れる人生の最終ステージ。まだ元気で体力があるうちでなければ終活は出来ない、見送られるべき人の要望を取り入れられない、

事前準備の大切さ

これに尽きると思います。

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↓チャールズ国王の戴冠式についてnote書きました。つい最近の事なのに懐かしく感じます。



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