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一流ほど、自由である。基本と応用の話。Guerlain(ゲラン)のトップメイクアップアーティスト 田村孝明氏に学ぶ。持つべきは自分を越えていく、リスペクトに値する教え子たちの存在。

TAKAAKI TAMURA GUERLAIN -International MAKEUP ARTIST


このポストは 前回の続きになりまーす。

田村孝明といえば、Guerlain専属のトップメイクアップアーティストとして有名ですが、実は32年前の、私の教え子君でもあります。
世界を飛び回り、沢山の人を美しく導いてきたプロフェッショナルの32年前を思い出してみると、、、

あぁ 懐かしい。若かりしころのご本人。といっても今もまるで変わらない
驚愕の若さなんですが。

モード学園メイクアップアーティスト学科卒業3年後の画像(本人のFBから)

私は、25歳のとき、モード学園のスタイリスト学科の教師だった。
なので彼の担任ではなかったの。でも普通に他の学科にも、教科によっては教えに行っていたから、彼のことはよく覚えている。

スタイリスト学科の担任でありながら 夜間でイラストレーションの専科を担当していたのだけど、彼は専科もうけていて

とにかく、「やるひと」だった。

とにかく 圧倒的に 他の生徒より、やるんですよ。
課題なら やるのは当たり前だけれど、誰よりもやる、書く、創る。

田村といえば、もう 教師なんじゃないかというくらい教務室にいて
担任の先生のヘルプはもちろん、私までも何かと助けてくれていた。

先生同士の中でも、何か頼むなら 田村。

卒業後はEstee Lauderエスティーローダー)に就職。
いきなりその腕と行動力を買われて、即、現場でのアーティストになり
その後、ニューヨークに渡り腕を磨き続けていきます。

グローバルな活躍。真ん中が田村氏。
20年前と今がまるで変わらない、逆に今のほうが更に良い男!!

現在はゲラン専属のトップメイクアップアーティストなわけですが、この風貌です。ヤバいなぁ 53歳だって。うそでしょ。存在自体が説得力。

驚愕の50代。女性はかなり前からアンチエージング時代、でしたが、男性のさきがけですね。

そして、先日娘と一緒に銀座松屋へ。
もちろん常駐ではなく、ご指名を受けての スペシャルデモンストレーションなわけですが、ゲランのお店だけでなく、その周囲の雰囲気まで、彼の雰囲気で場の価値が格段に上がっていました。

まぁ トップオブトップって、そういう雰囲気作れますよね。

あれから30年以上月日が経っているのに、まるでその時間を感じさせない若さと、当事の思い出をトークしているだけで2人とも20代のハートに。笑 当事 私25歳。彼は二十歳。

こんな感じで娘にレクチャーを。田村氏を独り占めできるなんて、お嬢にとって最高の経験。


単なるメイクアップ技術だけではなく、メイクアップへの思いやブランド愛など話が豊か。私のモード学園教師時代のエピソードまで語ってくれて、教師である娘は沢山いろんなことを感じたはず。だって、私がモード教師だったときの年齢と、娘は今、同じ年。


こうして、あとから自分でメイクできるように、手書きの絵にて説明をしてくれます。学生のころから絵の上手さは学科一番。もともと上手かったのではなくすべて努力の賜物。この姿を見て、ちょっとウルってしてしまった私。


実際のメイク道具で、このイラスト説明しながら描いてくれます。

もちろんメイクアップの技術も素晴らしすぎて、ゲランの若き後進たちが、その技術を盗みに、しっかり隣で学んでました。若き2人のメイクさん、、「凄い、凄すぎて意味がわからない先輩です。憧れてます。
こういうのも描けたらいいけれど 自分じゃとても出来ません、、」と。

昔からね、誰よりもやる生徒さんだったのよ、最初から出来たわけじゃなくて、積み上げた人がこうなるんだからねって、22歳の彼らに、母の気持ちで伝えてみたわ。

娘も大喜び。この手書きの指南書はプレゼントしてもらいました。

大物ほど、自由度が高い。

そして、ここからが前回のポストの流れの続きになるかな~
娘にお勧めだったのが、このシャドー。
そう、パーソナルカラーで言えば 彼女の肌の色に似合いにくいパレットなんだけれど、そんなことはお構いなし。
こういう色がパーソナルに似合うからこれ、といった選び方ではないのだ。

迷いは一切なく、2023年の春、今打ち出されているパレットがそこに。
これを売ろう、とかでも全くなく
逆を言えば、どんなパレットだって、彼なら娘を美しく出来るということ。
自由な発想で、色を混ぜ、あらゆる可能性を楽しみながら。

そう、服も同じで 診断でブルーベースだと ゴールドが似合わない、みないなことを言っているのは 正直ナンセンス。

骨格診断がウエーブだから~○○は似合わない、というのも、私からしたら、それによってチャレンジをやめるなんて、本当にありえん。診断はあくまでも、ヒントなだけにしてほしい。

似合わなそう、となったものを実際に着てみようとせず、最初から診断結果で避けてしまうなんて、素敵にもおしゃれになれるはずはない。
外見的に、似合うと診断されたもののほうが 外れが少ないのは確かにそうかもしれない。だけど、それだけで素敵になれるなら、世の中全員素敵ですわ。歩いている人全員が、みんなおしゃれで似合う服を着て、耀いているはず。

でもね、そうでもないでしょう? 一言で言えば 似合うの箱に収まった
無難な人たちの集団化。

人間一番インパクトがあるのは、その人の内面だから、外見の分析で 何かを諦めたら駄目なんです。

内面が滲み出る、という装い、そこにメイクをのせる。
よって メイクアップも、あれはだめ、これもだめという、診断結果に縛られている場合ではないんです。

もっと診断から開放されて欲しいし、変幻自在な自分を楽しんで!って毎日思ってます。
だって、診断の結果を装ってくるお客様のスタイリングが、あまりにも無難で、マインドが窮屈な風貌だから。

そのことに疲れて、周りに回って私のところに辿り着く人たちの闇は
思っている以上に、ややこしく、もったいない。

さて、仕上がりは?


パーソナルカラーでは、似合いにくいはずのカラーもこの通り!
ふんわりな娘のフェイスも、ほどよくメリハリがついて よい雰囲気。
って、私 画像にいらんやろ⇒つい一緒に撮っちゃう母。ちなみに私は自分でメイク。昭和にならないように気をつけてまーす!!笑

娘がコンプレックスだという頬骨の高さも 田村の腕にかかればこの通り!
「気にせず逆に際立たせていいんだよ」と。
赤いチークを迷わずのせていた。魔法のように、コンプレックスがチャームポイントに。


親バカですが 超キュート。


大事なのは 基本を知った上での応用。
そこから産む、オリジナル。


前回のポストにも書いた 田村氏の言葉を、今一度。

「パーソナルカラーに縛られて、あれはだめ、これもだめを思い込み、素敵になれない人が多い。どんな色だって大丈夫、色は混ぜて調和させればいいし、バランスが大事。その人ならではの雰囲気を醸し出すのに あれはだめこれもだめでは表現できない」

もちろん 診断を否定しているわけではなく「基本」として知っておくには有効であり、それも知らないのに あれこれ文句を言うことほど、信用できないことは無い。⇒そういうひとはプロじゃない。

肌の色に馴染ませる色の選び方や、自分の身体の特徴に合いやすいシルエットなど、知っておくことは大事。それは「応用」になるから。

大事なのは 「出た答えに盲目になる」か、「答えを応用に使って自由になるか」なのです。


例えば「なぜ勉強することは大切なのか?」という問い。

子育てて 子供たちからもよく聞かれた質問。
登壇人生32年の中でも、生徒さんからも、この質問はよく出ます。

それは、一言で言えば 「自由」になるため。と私は答えてきました。

ファッションも、学びが薄ければ自由なんて正直ありません。
基本を知り、やってみて、繰り返し繰り返しトライしていくうちに身につくことがある。ファッションは毎日だから、勉強した人とゼロな人の「差」は
恐ろしくあります。
見る人が見たら一目瞭然なんですよ。
本人は、まぁまぁいけてると思っていても、それやっちゃいけないことじゃん、とか わかってないなぁ が多々あるのも ファッションの世界。

その 勉強とやってみるの繰り返しの中で、やっと自分らしさ、オリジナル、スタイルというものが見えてくる。

その美しさや洗練、唯一無二は、デッザンで基本がある人の自由さに似ているかもしれないし、お料理でちゃんと出汁をとる人の豊かさに似ているのかも知れません。

持つべきは 自分を越えていく後進たちの存在。


私が人生で追求し続けているのは、ファッション。
これからメイクアップを学ぶという方法もあるけれど、私はこうしたコラボレーションが心地よい。

教え子なら誰でもいい、ということではなく
リスペクトできるからこそ、真の自由が生まれるんだよなぁとつくづく思う。

師弟関係のままでは この心地よさは得られない。
頼れるほどの存在は、こうして大事な人をもハッピーにしてくれて
人生そのものに 刺激とゆとり、温かさを与えてくれる。

もう十分に羽ばたく田村氏だけど、これからも更に腕を磨いて
ご活躍くださいね。

元、あなたの「先生」は 今じゃ貴方に教えられています。

ありがとう!!そしてこれからも、よろしくね。




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