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「まちづくりの根拠」という名の「言い訳」に使われがちなワークショップ

今や、「ワークショップ」という言葉を聞いたことがない!っていう人はいないんじゃないかというくらいメジャーなワードとなった「ワークショップ」

今から15年前。私が修士論文のテーマを考えていた時のこと、「ワークショップ」というその言葉は、都市計画と意匠設計を学ぶ私にとってとても魅力的な言葉でした。

「設計段階から、ステークホルダーの意見を取り入れる」

建築家が、作家性やら独自性を売りにし、人のお金で「作品」をつくり、「先生」と呼ばれてしまうことへの抵抗感があった私にとっては施主=ステークホルダーの意見を公共の場で取り入れるこの考え方は、とても魅力的なものでした。

しかし、そのワークショップとやらで作られたものが、果たしていい「モノ=建築や場」になっているのか?に疑問を持ち、修士論文で「ワークショップ方式によるまちづくりプロセスとその評価に関する研究 : 震災復興まちづくりにおける公園づくりの事例調査を通して」に取り組むことになるのです。

〇そもそも「ワークショップ」という概念はいつから出てきたのか?

主に都市計画やまちづくりの分野でワークショップが取り入れられるようになったのは、「1960年代に環境デザイナーであり、ランドスケープアーキテクトであるローレンス・ハルプリンが、夫人のダンスワークを参考に、テイクパート・プロセスとしてワークショップを用いたことがはじまりである。」と言われています。

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