「いじめ防止シンポジウム」ってなに?

PTA本部の仕事でさいたま市主催の「いじめ防止シンポジウム」に出席してきました。

市内の各学校「3名まで」という事実上のノルマ?があり、去年行った人もいるので、手を挙げて行ってきました。本部の先輩と地元の駅で待ち合わせて一緒に行きました。

入り口でパンフレットをもらい、座席に座ります。
10分ほど押して開会となりました。
中学生数名の司会で進んでいきます。
パンフレットの裏を返すとタケカワユキヒデさんが作曲したというさいたま市の歌の歌詞が書かれていました。そういえば映画館で毎度見る葬儀屋さんのCMソングもタケカワユキヒデさんのものでご本人も出演していました。さいたまにゆかりがあるようです。

SNSのいじめが云々などコメントがありましたが、小学生が出てきて何かの全国大会でいじめについて発表した、あいさつ運動することで学校の雰囲気を変えていく、と立派に報告していました。

休憩後、タケカワユキヒデさんの講演がありました。ゴダイゴの曲が有名ですが、その経歴の中にはたくさんの失敗があり、それでも「世界的な音楽家になる」という目標をあきらめずに続けてきたという、歌の映像が差し込まれたとても聞きごたえのある楽しい講演でした。

その後、パネルディスカッションと称し、中学生が3名と小学生が1名、タケカワさん含む大人が数名ステージ上の椅子に座り、司会の女性に促され子どもたちが質問するのを大人人が応えていました。
中学生はいずれも生徒会長、小学生もはきはきと「わたしは有名になりたいです」と言っていました。生徒会長たちも話しぶりから優秀なのがうかがえました。「人を助けたい」というのが子どもたちの共通の目標でした。

ステージの上部に大きく「いじめ防止シンポジウム」と書いて、大ホールで盛大に会が開かれていますが、いじめとは無縁に見えるサラブレッドのような子どもたちが生き生きと「校則を変えたい」「自分の学校ならではの文化祭を企画したい」「世界中の人を助けたい」「身近な人を助けたい」と語っていました。

はて、これは何の会なんだろう。いじめに苦しむ人たちに何か救いがあるのだろうか。そもそもいじめの被害者は学校に来ることもできない人もいて、このような会に来ない確率は非常に高いと思われます。いじめの加害者が来て「わたしいじめてます」なんて言うわけがありません。経験者が何かを語ることはあるかもしれないけど、無関係な人が「いじめ反対!」と無関係の人に主張する、のも響かない話です。と、そんなことすらされてない。自信にあふれた子どもたちが夢や希望を語る会。

これに「いじめシンポジウム」という名はまったくピンときません。
企画している人はどう考えているのだろう。
もし、いじめに苦しみ、こういう会の存在にひそかに希望を感じている人がいたら、がっくり肩を落としてしまいそうだと思いました。

壇上の子どもたちは感心するほど立派でした。いじめと関係がないからって彼らに何の落ち度もありません。でも客席から見て違和感を感じた人は多かったのではと思います。わたしの感覚がまともだとしたら、出演した子どもたちにもとばっちりを受けたことになる。

感想を書けるQRコードがあったので、そこに思いの丈を述べてみようと思います。

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