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お前のものはおれのもの~おいしいボタニカル・アート展

みだれ髪さんの記事を読んで気になっていた、「おいしいボタニカル・アート展」に行ってきました。

最近、植物に対する思いが強くなっていたので、グッドタイミング、楽しみにしていました。

英国キュー王立植物園の所蔵のボタニカルアート作品が野菜、果物、ティ、コーヒー、チョコレートなどテーマ別に展示されていました。大体が銅版画の一種のスティッブル・エングレーヴィングという技法が用いられ、手によって彩色がされていました。
おいしい~となっているので、野菜・果物に始まる食べ物、ティー・コーヒー・アルコールなど飲み物、ハーブ・スパイスなどの章に分かれていました。それぞれのイギリスとのかかわりのきっかけ、歴史、どう広まっていったのが説明されていてとても面白かったです。絵も細部がわかる正確さ、なおかつ美しく、似たような植物画であっても「私この人好きだな」など、画家の個性も感じられました。

とても満足して、もっともっと知りたい!となった展覧会でしたが、お茶の歴史、砂糖の歴史、コーヒーの歴史、スパイスの歴史等々、共通点があります。原産地がアジア、アフリカなど遠く離れたところ、当時のイギリスはこれらの植物にあこがれを抱き、輸入したり、現地や植民地で栽培を試みたり。

紅茶はもともとは日本や中国で栽培されていたものをインドで栽培するのに成功し、今やインドは紅茶の名産地って知らない人はいないほどです。東インド会社があったことも有名です。紅茶は始めは高級品だったのが庶民にも浸透し、英国の代名詞ほどになります。

砂糖の甘味は当時の人を魅了しました。植民地にプランテーションを展開し、そこにアフリカから奴隷を船に乗せ派遣、奴隷を下ろして砂糖を積んでまたその船が出るといった具合。

異国のものにあこがれを抱き、それらを手に入れる方法が穏やかでない、「お前のものはおれのもの」、ジャイアン方式が浮かび上がったことがインパクト大でした。
環太平洋の行き止まり、いろんな民族が逃げてきたり流れ着いた場所である日本、和を貴ぶ気質との違いをまざまざと感じました。

とはいえ、植物には罪はなく、大いに楽しんだ展覧会でした。
最近リンゴがおいしくてたまらず、リンゴの絵がこれでもか!というほどあったのも、リンゴを箱買いして食べよう!と思わせてくれました。
そして、最近ハーブティを飲みたくてたまらない願いも叶い、ミュージアムショップでハーブティも購入できました♡

そして、英語の説明も参考になり、こういうものを使って英語の勉強をしたら楽しいなぁと思いました。

植物欲を満たし、疑問も感じ、物欲も満たし、知識欲も満たしてくれた、パーフェクト展覧会。満足!



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