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可愛い子には~中2息子放出!

本棚オーナー制の書店「夢中飛行」を昨年の終わりから利用しています。
年会費550円で貸出可能の本を借りてくることができます。
2週間後には返却、自転車で30分弱、電車だと大宮駅から徒歩10分の場所に行くのは楽ではないけれど、つながりを常に持っていたくて途切れなく本を借りて、時間があるときはコーヒーと名物のアップルパイをいただいてきます。
数か月前に息子を伴って自転車で夢中飛行に行ったことがありました。本が好きな息子は各オーナーさんの棚の間を練り歩いて好みの本をいつまでも立ち読みしていました。

それからというもの、わたしがひとりで行っても必ず息子の好きそうな本を借りてきます。生きものの本、世界の弁当の写真集などなど。どれも読んでいるようです。

今回、うっかりして期日に返すのを忘れてしまいました。
気づいてもなかなか返しに行ける隙がなくどうしよう、そうだ!息子に頼んでみようと思い立ちました。

「ぼぼくん、今日は土曜で部活は14時からでしょう?それまでに夢中飛行に本を返しに行ってくれない?」
「いいよ。」

あっさり息子は返事をしました。しかも電車でなくて自転車で行くと言います。単純な道なので大丈夫だろうと思いながらもスマホを持っていない彼のために一応地図を書いて曲がるポイントを説明しました。

「アップルパイ食べてきていいよ。お母さんは午前中オンラインでミーティングだから、お昼もどこかで買ってきてくれるとありがたいのだけど。」

お金を渡し、わたしはオンラインでミーティング開始、夢中飛行の開店30分前に息子は出て行きました。

ミーティングが終わり、本屋に1時間いたとしても12時半くらいに帰るだろうという予想に反して息子は帰ってきません。
14時から部活だから、13時半までには帰ってきてほしいな、という考えに切り替え、13時回っても帰ってこないので、どうしたんだろう迷ったかなと思いテーブルを見たらさっき書いてあげた地図が置いてありました(;'∀')
13時半に帰ってこなかったら部活に連絡して、わたしが仕事で出かける15時くらいには帰ってきてほしいなと思い始めたころ、息子が帰ってきました。

本を入れるための小さな手提げが膨らんでいます。
息子はパンを4つ取り出しました。

「夢中飛行に長居しちゃった。時計をしていけばよかった、帰り時間がわからなくて猛スピードで帰ってきた」

聞くと行くときに道を勘違いしたのを戻ってから行ったり、アップルパイはないと言われその代わりに帰り道にあったコンビニでおにぎりを買って食べたそう。汗だくで、借りてきた本を満足気に手提げから取り出しました。

「お母さんにはこれを借りてきた。」
鹿の写真集(笑)、、、ありがと。
源氏物語関係の本があったら借りてきてと頼んでいました。

「パンを全部半分に切って、ふたりで全種類食べよう」
と言うのでその通りにしてお昼ご飯にしました。

「地図持たなくて大丈夫だった?」
「ひとつひとつ景色を確かめながら行った」
「今度は知らない場所に行ってみたら?」
「でこぼこ書店に行きたい」

急いで食べて部活に出かけていきました。

中2というお年頃もあるのか聞かないとなかなか返ってきません。
きっとひやひやしたり、道が不安だったり、わたしが受け取った以上のドキドキワクワクがあったのでは。
家にいたらきっとタブレットに頭を突っ込んでいたことでしょう。
いい時間の過ごし方を見つけられたと思いました。

夜、作文のことが話題になりました。
「おれが今書くとしたら夢中飛行に行ったことだな」

ぼぼ助、これから作文のネタてんこ盛りの日々にしようよ。

よかった、ありがとう。



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