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人を泣かす空気~息子のデビュー戦

中学校バレーボール部、さいたま市の1年生交流会が昨日行われました。

息子の中学の男子バレーボール部は1年生7名、息子以外がレギュラーです。
それでも出ることがあるかもしれないからと夫婦で見に行くことに。
朝7時半に出る息子に弁当を用意し、わたしたちは9時過ぎに出発、市内の体育館に行きました。

会場に着いて、息子の中学校が陣取っている観客席エリアを発見、息子に手を振りました。
各校横断幕を持って2階の観客席の手すりから垂らしています。
「百戦錬磨」「龍のごとく」など色々な文字が書かれています。
息子の中学は「勇往邁進」、なんて読むのだろう?さすが浦和高校進学率トップの噂高い中学校、難しいことばを選びます。

ちょっと離れたところからその写真を撮ったりして、声を出すと泣き声になりそうなのをこらえました。
ドライなたちなのにどうしたのだろう。ああ泣きそう。
ママ友に遭遇しておしゃべりしている間にその状態はなくなり、普通になりました。

試合は同じリーグの各校と対戦、音読の仕事まで2試合見ました。
小学校時代から知っている子も多く、力任せにアタックしそうなところもとても慎重にプレイしているのがわかります。各々が緊張し、丁寧にとにかく相手のコートにボールを入れていく。
息子はと言えば、コートの傍らに立って、前で手を組みずっと試合を見ながら大きな声で応援していました。ひときわ小さく、対戦相手からしたら秘密兵器に見えるかもしれない。実態がわかったら狙い撃ちされるかもしれない。

1試合目はとても強い中学校にあたり、大差で負けてしまいました。
あと1本で負けてしまうというときに、先生が息子を呼び肩に手をかけ何か話しています。頷く息子、審判のところに行き交代を告げコートに入りました。
隣で慌ててスマホを取り出す夫、わたしもビデオモードにして構えます。
サーブの確実性が売りの息子、あっけなくサーブをネットにかけました。
あ~。試合終了。

2試合目。今度はこちらが格上のようでした。調子よく点を取り、子どもたちが楽しそうにプレイしているのがわかりました。息子はまたコートの外から応援。あと少しで勝てるというとき、サーブ権がこちらに来るのと同時にまた息子がコートに。隣で夫が「もう出してもらわなくていいのに」とつぶやいています。内心わたしも同じです。これで失敗して流れが変わって負けてしまったらと思うと恐ろしくてたまらない。こちらの心配をよそに息子はサーブを打とうとしていました。以下同文。あ~。
チームはあと1,2点取ればよかったので無事勝利。よかった。

観客席に戻ってきた息子はさすがに自分の失敗に動揺している様子でした。
先輩の部員が何か声をかけて息子の肩に手をかけています。無言でうなずく息子。一年生も息子に「ぼぼ、ナイスサーブ、気にするなよ」「経験経験」と声をかけていました。ああハートフル。

運動が得意でもないのにひょんなことから小学校6年でバレーボールを始め、中学校には理科部とか息子が活躍できそうな部活もあるのに、なぜか運動部を選んだ息子。だからと言ってやる気があるわけでもない。お情けで試合に出させてもらっても奮い立つわけでもない。悩ましや~。もうしばらくこの手の悩みは続きそうですが、息子の選択がベストだったと思える日が来るのでしょう。

昨日、会場で泣きそうになったのはどうしてだろう。
今朝ふと思いました。
たくさんの子どもたちの緊張と興奮、先生方の想い、応援に来ている家族の期待や不安、それらが渦巻いていたのを体感したからだったのかもしれない、と思いました。





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