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時代を貫く画家の仕事

今日は11月1日。新しい月の始まり。
2016年の1月1日から怒涛の英語学習を始め、一日7時間とか9時間とか勉強していたのに、ひょんなことから日本語音読指導者としての道を歩み始め、英語学習時間が激減しているここ数か月。勉強時間管理アプリスタディプラス、通称スタプラにあまり記録しなくなり、ただ遊び呆けているだけに見えるので、英語以外の記録も今日からしようと思い立った月初です。

英語学習している間、スタプラ上でいろいろな出会いがあり、日々の記録についてコメントしあい、英検やTOEICに向かって勉強する仲間と励ましあったりして、下手したらリアルな友達より確かな絆を育んできました。その仲間のうちにはごくわずかですが、リアルで会うようになった人もいます。TOEIC女子会と称して、家が近いお友達とコミセンやガストで会って、TOEIC模試をがりがり解く仲間、平日支部と称して平日午前中に都の施設に集まり英検の問題を解く仲間。彼らと会って英語を勉強するのはとても楽しいですが、そのあとランチしたり、別日に約束して英語以外のことをするのも格別の喜びです。

と、かなり長い前置きをしましたが、
今日は平日支部で仲良くさせていただいているみだれ髪さんと上野の西洋美術館に行きました。「ピカソとその時代」展。

私は大学時代に西洋美術史を専攻し、ジョルジュ・ブラックというフランス画家について研究していました。ピカソとともにキュビスムを創始した画家です。日本ではあまり知名度がないですが、この展覧会では結構な重要人物として扱われてました(嬉しい、ポッ)。

ドイツにあるベルリン国立ベルクグリューン美術館のコレクションがお目見えし、ピカソの作品のほかに前述のブラック、他にパウル・クレー、アンリ・マティス、ジャコメッティの作品が合計100点以上。20世紀美術は私の専門なのでとても楽しい。みだれ髪さんとあーだこーだ論じながら進みました。久々にブラックの温かみに触れ、ピカソに唸り、クレーの美しい色彩とふざけっぷり、緻密な作品を腕組みして堪能、マティスは似たような絵が多いので過去の記憶とシンクロ、ジャコメッティはあぁジャコメッティだね、といった感想。

超有名な作品はありませんでしたが、キュビスム好きな私はその作品が多かったので満足。当時絵画の世界を席巻していた遠近法を取っ払ったセザンヌを経てさらに激しく常識をぶっ壊しにかかったピカソとブラック。彼らの気概を久しぶりに感じました。でもこんなこと始めたときの人々の反応は想像に難くありません。実際ひどかったようです。でも二人をだれも止めることはできなかった。美術史は彼らがキュビスムを始めた1909年に大きな転換点を迎え、現在につながっています。

大学で美術館学芸員の資格を取り、美術史をたくさん勉強したし、美術館にもいままで数えきれないほど行きました。
年を取って、今日もっとも好きな時代の絵画を見て、キュビスムの特徴ともいえるちぐはぐな違う視点を持った目が見つめているものが何なのかを考えました。こんな時代、大部分の人が元気なのに注射を打つことを良しとしたり妙なことになっている時代。画家たちの計り知れないパワーで残された作品たちは、今にあっても真実を見つめているのでしょう。同じものを見たいと切に思いました。

ピカソ「緑のマニキュアをつけたドラ・マール」

充実の美術鑑賞のあと、みだれ髪さんとおいしいランチを食べて、ワインとともにノンストップトークを繰り広げたことは言うまでもありません。


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