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冬は安くて美味しい大根を買った方がいいという話。

冬野菜の代表と言えば、大根。冬だけじゃなく年中食べられていますが、やっぱり安くておいしいのは冬ですね。農林水産省の統計によると、日本で生産されている主な野菜は、1位キャベツ、2位だいこん、3位たまねぎ というくらい、大根は国民的野菜といえます。

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春大根より冬大根は甘い

春大根は、やや辛みが強く、冬大根は甘みが強い傾向があります。NINOFARMでも色んな大根を育てましたが、春大根は、シャキシャキして心地よい辛みでした。逆に冬大根はとろっと甘いので様々な料理に向いています。

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白くて太いだけじゃない大根

スーパーへ行くと主に青首大根が売られていますが、最近は様々な種類のものがあります。

これは以前、イオンリテールが取り組むフードアルチザンのイベントへ参加した時の写真ですが、地域によっても色とりどりの種類があることが分かります。

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そう、白くて太いだけが大根じゃあないんです。その土地に適した品種が生まれ、日本の在来種は現在100種類以上もあるとか。

皮がピンクの三浦レディ、中まで赤い紅芯大根、緑色の大根も。

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真っ黒だけど中が瑞々しい黒大根や、薬味に欠かせない辛み大根。

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食べて驚いたのは、浮島だいこん。ほとんど自家消費で流通に乗ることはほとんどないそうですが、その美味しさに驚きました。よく見ると、下に向かって膨れているため、ものすごく抜きにくいそうで、生産する農家も減ってきているそうですが、ぜひ残して欲しいと願います。

そして、ド迫力なのが「桜島大根」

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雪のように白く、なめらかな舌触り。そしてほのかな甘みと瑞々しさを兼ね備えた大根です。桜島大根が収穫できるのは1月から2月の短い間。大きく広がった葉を力いっぱい引き抜くと、大地から真っ白な大根が顔を出します。

なぜ、こんなに大きくなるのか。それは、桜島から降り注ぐ軽石を含んだ火山灰は、ふわふわの火山灰土壌を作ります。この土は空気や水をよく通し、大根を大きく育ててくれるのです。

コスパ最高すぎる野菜=大根

今年の野菜は、生育が順調だった一方、外食需要が落ちていることから、全体的に安くなっています。特に白菜や大根などは去年と比べ半額ほどで出回っているのを見かけます。

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たくさん食べて、生産者さんへ還元したいですね。

大根まるごと使い切り!食べ尽くそう

大根は、丸ごと消費できます。
生でシャキシャキ食べたい場合は、大根の上の部分(葉側)を。

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先日紹介したこちらの「牛すじ大根」は大根の真ん中の部分が合います。

薬味や大根鍋などすりおろして使う場合は大根の下の部分(大根の根っこ側)が合います。

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もちろん葉っぱも美味しいです。実は、栄養価がとても高く、食べないともったいない。私は大根の葉っぱの部分をごま油で炒めて醤油で味付けし、たまごとじにするのが好き。

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大根は可能性が無限大

このように、同じ大根でも、品種や部位によって様々な味わいがあります。ひとつひとつを味わうと、食感も味も香りも水分量も全く違っていて。その向こう側には、生産者の栽培方法や技術、気候風土など色んなエレメントが見えてくることが分かります。

食材をただの材料としてだけでなく、その食文化や伝統技術や作り手の思いまでも伝えることができたなら素晴らしいことですね。

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様々な特色のある大根は可能性が無限大。まさに旬を迎えている今こそ大根を買って欲しいです。


中央省庁に勤務。日本の食と農に思いを馳せる妄想料理家。休日はNINO FARMにて野菜作りをしたり、全国の産地に出向き美味しい食材の魅力を発信する。フードアナリスト、野菜ソムリエ / 愛媛県出身/砥部焼大使。