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自立のきっかけ?

私の母は20年ほど前にくも膜下出血で急逝しました。
55歳でした。
私は結婚していて、形は親元を離れていましたが
精神的には親離れできていませんでした。
正直、私はこの先どうやって生きていったらいいのだろう…と
とてもショックでした。

両親は仲が悪く、いつも喧嘩ばかりでした。
母は若いときに両親を亡くし、兄弟もなく
「天涯孤独」と自分のことをそう表現していました。
その言葉は子どもの私にとって、正直とても悲しかった。
私は母を悲しませたらいけないと”いい子”でしたし
味方になってあげなければ‥と知らず知らずのうちに
プレッシャーに感じていたように思います。

父は母を悲しませる存在でした。
私は深く考えず、母の味方になったつもりでいました。

時折、母は喧嘩して泣く時がありました。
その翌日、学校に登校してから帰るまで
「帰って母がいなくなってたらどうしよう…」
ぼーっと校庭を眺めて、学校が終わるのを待ちました。
その時の不安でたまらなかった感覚は今でも心に残っています。

いつだったか母が言いました。「あんたは本音を言わない」と。
正直反発心を覚えました。
でも悲しませたくなかったので、何も言わず
ただその言葉を流すしかできませんでした。
そう、私はあまり本音を話したことがありません。

母は怖い人ではなかったけれど
ガラスのようなもろさを感じながら
接しなければならない人でした。

その母が逝ってしまった。
いびつな共依存。
私はどうやって生きていったらいいのだろう…

このとき、私28歳。
ふらふら立ち上がろうとする
生まれたての4つ足動物のような、
そんな瞬間だったと、今そう振り返っています。










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