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すべての年代に問うてみたい『私たちのブルース』

「スニーカーぶる~す」のおかげでブルースの定義が迷子の世代代表、じゅんぷうですこんにちは。

 Netflixで4月からスタートしたドラマ『私たちのブルース』。複数の主人公からなるオムニバス形式で、4/18現在エピソード1~4までが配信されています。

 タイトルといい、メイン登場人物の多くがアラフィー、済州島の港町が舞台のヒューマンドラマというとずいぶん渋い印象でしたが、キャスティングに惹かれて見始めました。

 最初のエピソードで映し出されるのは、済州島の漁師町でにぎやかに暮らす地元の幼なじみたち、都会からもどってきた同級生との再会…人生でもっとも輝いていた青春時代を思い出す「ハンスとウニ」のストーリーでとめどもなく泣けるのは、彼らと同じアラフィーだけでしょうか?

 そもそもイ・ビョンホンとチャ・スンウォンの共演とか、ある程度の年月、韓国作品を見てきたアラフィーにとってはそれだけでしみじみしちゃう。

中列左イ・ジョンウンさんのビジュアルめっちゃいい

 エピソード1~3でチャ・スンウォンとイ・ジョンウンが演じる主人公「ハンスとウニ」。高校時代、家が貧しいという負い目と長男長女の重い責任感が共通点だったふたり。イケてない女子高生ウニにとってはハンスが初恋で、モテモテのハンスにとっても、みじめな今の自分の中で唯一輝く青春の一部でした。

 ハンスはソウルの大学に行き、中堅銀行の支店長に。一見すると成功者のようですが、一人娘がアメリカでゴルフを続けるための資金繰りで首が回らない状態。弟妹からも恨まれ、追い詰められています。ウニは地元で鮮魚店をいくつも経営し、カフェのオーナーでもあり、弟たちにタカられていなければビルも持っていたはず、というくらい稼いでいるシングル女性。

 このふたりのストーリーとキャスティングが絶妙で、ものすごいクライマックスやピークがあるわけではないのに、ふたりの追憶と現実のあいだで気がついたら自分も泣いていました。その点で『その年、私たちは』とも近い、視聴者の青春の感傷も引き出すエピソード。

あしなっが!!昔『ボディガード』で好きになったチャ・スンウォン

 たしかに今のチャ・スンウォンもカッコいいです。スタイルが全然変わっていなくてスーツがお似合い。でも現実に疲れているハンスという役、彼の背中と横顔でばっちり感じました。

 年老いた母の面倒を弟にまかせたあげく借金をし、妹にも頭が上がらない。そしてアメリカでイップス(アスリートがなりやすい、できていたことができない精神的状態)に陥り戦績が振るわない娘、娘に同行する妻も経済的危機でメンタル限界と、自分の築いた家庭も崩壊寸前なのです。家も売り、退職金も前借りしてもう崖っぷち。それでも、娘にお金が原因で夢をあきらめてほしくないと、「努力と夢」にしがみつき、ウニに金を借りたくて近づきます。

 ウニはまだ暗い早朝から市場へ行き、競り落とした魚をあちこちに卸したら自分もひたすら魚を捌いては売る、そんな毎日。結婚もせず、弟たちの生活の面倒を見て気づけばアラフィーに。
 この役、イ・ジョンウンさんがま~たやってくれた! 
 どの作品でもどの役でも、彼女がいることで分厚みが出ますが、このウニという離島生まれ離島育ちの女性、控えめに言って最高の女ですよ。世話好きでみんなのオンマ感すごいのに、初恋のハンスとの再会でときめく様子がまたいい。
(スナック菓子でむせたときは『パラサイト』を思い出して心配になりました)

 このふたりのエピソードはあのころの夢に思いを馳せる、切ないけど明るいラストでした。

 最新のエピソード4~の主人公は「ヨンオクとジョンジュン」。海女のヨンオクはハン・ジミン、船長のジョンジュンはキム・ウビンです。彼らはハンスとウニたちより下の世代。
 こちらはこれからゆっくり鑑賞したいと思います。
 イ・ビョンホンとシン・ミナのエピソードも控えているし、BTSのジミンが担当しているOSTもあるというし、これからあの島の人々にどんなストーリーが待っているのか楽しみです。

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