未満警察、韓国の原作映画版では青年警察。『ミッドナイト・ランナー』は青かった

映画『ミッドナイト・ランナー』（2017韓国）感想です。日テレ土曜ドラマ『未満警察　ミッドナイトランナー』のオリジナル版。ドラマのほうはコロナの影響で初回放送が延びに延びて、同局の日曜ドラマ『美食探偵　明智五郎』を見ながら『未満警察』の予告は何か月も見ていた気がしますが、結局『未満警察』は見ることなく（しかも某伊勢谷出演でもう見れない）、とくに予備知識なしで原作を観賞してみました。

…いやいやいや、この映画の予備知識はなかったけど、わたしは韓国ドラマで予習をしすぎていた…！！

ここ数年、とくにコロナ後のこの半年に見た韓国ドラマの走馬灯かなと思った。

主役バディのおふたりはもう、いわずもがな。

パク・ソジュンは『梨泰院クラス』のセロイ、カン・ハヌルは『椿の花咲く頃』のヨンシク。ここでは警察大学で学び中の未来の警察官を演じた二人が、

・『梨泰院』のセロイは警察官になる夢をあきらめざるを得ない状況になり

・『椿』のヨンシクは正義感が強すぎて優秀市民として何度も表彰されるうちに警察官になってしまう未来って思うと、壮大だなこれ…。

パク・ソジュン演じるギジュンのお母さんが『ハベクの新婦』（娘がナム・ジュヒョク推しなので一緒に見た…）のハベクのお母さま。あと今年公開のパク・ソジュン主演映画『ディヴァイン・フューリー　使者』（お仕事でオンライン試写見た）で悪魔が憑いた女性のお母さん。わたしが途中で挫折した『ザ・キング』にも出演しているそうですが、そこまでたどり着かず。

カン・ハヌル演じるヒヨルのお父さんも『ディヴァイン・フューリー　使者』で教区長という偉い人でした。

家族に別れを告げ、警察大学校に入る二人を待つのはまず散髪。ここで！散髪を担当するのが『梨泰院』の「タンバム」スタッフ、スングォンや～！『梨泰院』ではムショで出会ったセロイとここで会ってたのね。

警察大学のヤン教授はおなじみのソン・ドンイルさん。わたしが初めて見たのは『麗－花萌ゆる8人の皇子たち－』の大将軍、それから『応答せよ』シリーズのお父さん、『賢い医師生活』も…、もうひとりの教授はイ・ジュニョクさん、先月見た『サンガプ屋台』黄泉の国のヨム部長で映画『サニー　永遠の仲間たち』の興信所の所長。学長さんは去年テレ東で見てた『病院船』のコジェ病院院長。

誘拐されちゃう子は『麗』でIUから彼氏を略奪しちゃう子！誘拐犯のボスも『サニー』で見ましたね。クラブで目撃される芸能人として2PMのチャンソンもいます。

そもそもわたし、2017年のテレ東「韓流プレミア」枠で見ていた『麗』でイ・ジュンギの沼にずぶずぶ沈んでいまして、そこでジュンギ演じる第4皇子のライバルだった第8皇子、カン・ハヌルの「ウク様」には一刻も早く失脚していただきたかったものです。何と言うかあの、しんねりしたまなざしも当時苦手だったのですが、『椿の花咲く頃』も『ミッドナイト・ランナー』も、垢抜けない純朴な役が達者でユーモラスだなあと、安心感すらあります。

誘拐された子が落としていった物体を、二人が恐る恐る確認するシーン。「ッッ！！」「トッポッキ？」「トッポッキ！」「…トッポッキ」「トッポッキ～…」トッポッキというセリフだけで、二人の感情を畳みかけるように表現するほんの数秒のあのシーンは韓国ならではだなあと思います。そしてトッポッキを待っていたはずの子たちにハンバーガーを食べさせてあげる細やかさ。

『未満警察』では、肉体派のギジュン（パク・ソジュン）＝平野紫耀くん、頭脳派のヒヨル（カン・ハヌル）＝ケンティ

外出先でたまたま出くわした拉致事件。捜査には段階が必要という警察の対応に業を煮やした現場経験ゼロの学生の二人が、授業で習ったことを実践しながら独自に事件を追うというお話。授業で教わった「成人女性が誘拐された場合の生存時間の目安＝7時間」が二人を突き動かします。

韓国映画で描かれる犯罪って本当にエグいのが多いのは何故なんでしょう？　もともとアクションが好きなのでクライムものやバイオレンスは得意なほうなのですが、今まで劇場や試写で見た韓国映画には直視できないシーンがあった作品もいくつかあります。見たことを後悔すらしたものも。そんなにも残虐な描写をしないと、それに対する正義って説明つきませんかね…。

この作品は、映像自体はそこまでエグくはなかったけど、その犯罪の内容と、二人のリベンジ準備期間の描かれ方のバランスで正直、すんなり消化できない部分も。ストーリー自体はわかりやすく、夜通し駆け抜けるパク・ソジュンとカン・ハヌルの青さを楽しむ「青春もの」と割り切って見る分にはいい作品だと思います。でも見終ってからお昼寝したら悪夢見ました。あるある。