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韓国映画『ときめき❤プリンセス婚活記』と伝統舞踊

 ときめきといえばトゥナイト。りぼん読者だったじゅんぷうです。

『トキメキ☆成均館スキャンダル』につづいて映画『ときめき❤プリンセス婚活記』を見た感想です(この2作に何ら関係はありません)。
 韓国の原題は『相性』。またしても一体どこからときめき持ってきちゃったんだか、あざと悩ましい邦題ではありますが、こちらも舞台は朝鮮王朝時代。トキメキ☆成均館の一代前の王様、英祖の時代のお話。

あらすじ 長引く干ばつで困窮を極める民衆たち。雨は降らず、悩める王(キム・サンギョン)に側近たちは、陰陽の崩れを元にもどす必要があるとして、婚期を迎える男女を結婚させるべきだ、まずは王女から…と進言し、王女ソンファ(シム・ウンギョン)の婚活プロジェクトが始動。朝鮮一の占術の才を誇る観察官ソ・ドユン(イ・スンギ)が抜擢され、王女と相性のよい婿候補が4人に絞られる。一方で王女は、顔も知らない相手と結婚させられるのはイヤだと、婿候補たちがどんな人か見ようと宮中を抜け出し…

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 生年月日によって性格や運命、相性をみる四柱推命。陰陽五行説を元にして生まれたもので、現代人がひとくくりに<占い=まやかし>とか、超常現象なんかと一緒くたにして語るオカルティックなものではないんですね。この映画で天才占術師のドユンが筆を走らせ生年月日から理論的にその人の本質を導き出していく様子は、どう見ても一大科学なんです。

 祈雨祭(キウジェ)と呼ばれる雨乞いの儀式は時代劇でよく見られます。干ばつや洪水などの災害は王が徳のない政治を行ったためだとして、王も謹慎するのだそうです。ここでも王様は祈雨祭も行い自分の食事を減らしたというセリフがありました。それでも雨は降らず…数々の時代劇ドラマがそうだったように、雨乞いはもはや政治。雨が降らない限り王女は結婚せねばならず、この機に乗じて婿になろうと野心を抱く者が現れるのです。

 ストーリー自体はわりとお気軽に見られるものでした。サイコなチェ・ウシク、魔性のカン・ミニョク、盲目のミンホと、彼らのシーンをもっと見たいなという軽い飢餓状態にさせられますが、『殺人の追憶』信者のわたしはあの若手刑事のキム・サンギョンが国王かあ~としみじみ。

 占いによって人生を翻弄されてきた<呪われた王女>が、ひとりの人間として生きたいと自立していく物語なのですが、信頼する人と別れさせられたり、あらぬ噂を立てられたりと、しなくていい苦労を背負ってきたこのソンファ王女がけっこうド天然なので、悲壮感はありません。

 4人の婿候補の名前だけでも知ろうと、買収した宦官にこっそり会うときの格好が…

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 つ…鶴…かな?

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 うん、鶴だ。鶴も一緒に婿の名簿見てるのかわいい!

 このお姿に浅草の民であるわたしはすぐにアレを連想しました。

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白鷺の舞

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 お写真は観光連盟と浅草寺のサイトより。『浅草寺縁起』(寛文縁起)に描かれている「白鷺の舞」を再興した寺舞で、白鷺の装束をまとった踊子が舞い、武人、棒ふり、餌まき、楽人、守護童子などが練り歩くというもので、うちの子どもたちも守護童子を演じた経験あり。

 なのでソンファ王女の鶴のかぶりものを見て「白鷺さん!」と心躍りまして、鶴装束も調べたところ、やはり韓国の伝統舞踊「鶴舞(ハンム)」というものが存在していました。

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 韓国旅行予約サイト<HANABI>より

 ユネスコのアジア太平洋地域無形文化遺産(芸能)にも登録されています。朝鮮時代、宮廷で悪鬼を払う儀式で舞われていたそうです。大みそかに行われる儀式、儺礼戯(ナレヒ)では、宮中の裏庭で花火をあげたとか。あら、鶴さんとソ観察官が出会った衝撃的なシーンで花火があがりましたね? あの日は清の使臣をもてなす宴会で、そこでの舞には鶴はいなかったけど、どこから調達したんでしょうね。ときめき度は「トキメキ☆」にはおよびませんでしたが、まさしく雨降って地固まる、そんなお話でした。ウシクどうなったんだろ…

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