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ARTS SEED YAMAGATA 2023

イントロダクション

 アーツシードが復活します。2020年、新型コロナウイルスの影響で中止になって以来です。4年ぶりということに驚くばかりです。なんだかよくわからない時間、色々な思いがすぎたのは世界中いっしょでしょうか。
 コロナ禍以降に以前と同じことをやってもしょうがない気もしていました。確かに何かが変わった、でも変わらないものもあるはずで、変えてはいけないものもあれば、変えなくてはいけないものもあるように思います。

 それは、アートが知っている、いやデザインが答えを出すのだ、と言えればカッコも良いのでしょうが、そう簡単でもなさそうです。
 年表をつけました。アーツシード以前からの活動も書いてみました。僭越かなとも思ったのですが、活動から派生したイベントや企画展示なども記載させてもらいました。

 BeHereNowグループ展は東日本大震災をきっかけに、作家仲間で寄付を目的に立ち上げました。活動に賛同してくれた作家は44名(複数回参加で126名)。5年10回開催した後に発展的に解消し、ARTS SEED OKITAMAが生まれました。
 私たちの知らないところで、もっと何かほんの少しでも文化的に良い影響を持てているかもしれません。知らないところでバトンが渡っているかもしれません。
 ヨーゼフ・ボイスは社会彫刻とよびました。すべての人は芸術家であり、いかなる人間の営みも意識的な活動であるならば、それは芸術活動である、そしてその社会性が自ら未来のために社会を彫刻していくことだと。

 種が育つのも、人が育つのも環境が大事だと思います。雨土とお日様がほどよく、ほどよくというのはその種や人にちょうど良い、水を好むのもいれば、乾いていた方がよく育つということもあるでしょう。ほどよい環境は種や人によってことなっている、ことなっていることが素敵だと思います。それはアートや文化も同じはずです。

2011年から2023年までの活動年表、マップに掲載

 マップは地図としては距離も位置も正確ではありません。実際に移動の際はGoogle マップの方を信用してください。でも、このマップからは地形も距離もわかりませんが、イメージのなかの山形の地図を育むことができるかもしれません。
 誰でも頭の中に自分だけのイメージの地図があるかと思います。地図がとくいな人、苦手な人。車で遠距離通勤の人と、徒歩で生活圏を暮らしている人では、イメージの地図も違うでしょうか。どれが正しいというわけではないように思います。
 今回、マップの形式は変えませんでした。毎年少しずつ掲載内容は変わります。毎年の地図がレイヤー(層)のようにイメージの中で重なっていきます。それは実際の地図とはちがいます。

 アートや文化に関する山形の地図です。一人ひとり違うイメージの地図。作品を、「つくる人」「届ける人」だけではなく、「観る人」「買う人」「飾る人」「楽しむ人」とイメージする地図です。もちろんここに載っていない展示やイベントもたくさんあります。

 今年から変えたこともあります。マップに載っていない展示やイベントを書き込めるスペースを設けました。よかったら自分だけの2023年アートの記録を作ってください。ご自身で展示をされる方は、合わせて記録していただくのも面白いと思いますし、ぜひ来年のアーツシードにもご参加いただけたら嬉しく思います。
 名称を「ARTS SEED YAMAGATA」と変更、アーツシードとしてイベント期間を設けず、毎年4月に新しく発行するスタイルにしました。チラシではなくマップの形のZINEにしていきます。

 ただのイベントの告知であれば、チラシやDM、SNSだってありますし、わざわざマップにする必要もないと思います。毎年マップを発行していくことで、目には見えない触れられないイメージも一緒に作っていけるのではないでしょうか。
 毎年のマップが腐葉土や地層のように重なって、種を育む土になったら楽しいのではないかと思います。(菊地純)

(2023年4月1日発行「ARTS SEED YAMAGATA 2023 」マップに掲載)


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