求人広告②(これが現実)
トリンドル玲奈を少し和風寄りにした自他ともに認める可愛い営業担当が社内にはいた。社長に「〇〇会社に顔見せにいけ」と言われてしばらく経つと契約を持って帰ってくる事がある。
彼女の受注スタイルを見て、同い年の営業担当は辞めていった。「あんなに通ってがんばったのに、人を変えて顔見せただけで契約かよっ!!」とても悔しかったのだろう。
このトリンドル玲奈似の子も辞めていった。「私が可愛いから仕事を取れただけで、何もしていない。実力でも何でもない!」自分の容姿に関しては常に全面的に肯定しているが、仕事に対しては真面目だった。がんばったとは言えないのに契約をもらってきて、皆と顔を合わせるのが辛かったらしい。
「契約と一緒に誕生日プレゼントもらった♪」と嬉しそうに帰ってくる女性社員も何人かいた。「何やねんその契約の獲り方…」。何人かで憂さ晴らしの為に仕事終わりの23時から脇道でワインをラッパ飲みしたりもした。
取引先の担当者と付き合い始めて寿退社した子もいた。
リクルートの上位代理店が一堂に会する成績優秀者の表彰式では若い女性がほとんど。俗に言う顔面偏差値は高い。
どうすれば受注件数で追いつけるのか?給料を増やす事ができるのだろうか?がむしゃらに動いても結果なんて着いてこない。でも、そんな中、私は思いつく。他社の営業がほとんど通ってなく、若い男性を好む可能性が高い業界もある事を。
夜の世界、北新地に営業をかける事である。
成績は各段に伸びていった。面白い程に結果が直ぐに出た。若い男性かどうかは置いといて、営業に誰も来ないからアドバイスとか求人情報が欲しかったらしい。高級ラウンジのママ達から好かれた。かなり好かれた。受注件数が増えると経験も増えて、チェーン店の大型案件なども獲得できるようになっていった。月間の新規件数で初めてのTOPもとった。
でも、快進撃は突然勢いを失う。
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