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SONIC MANIA~SUMMER SONIC2023

今年もソニックマニアとサマーソニックに行ってきた。と、当たり前のように書いているが、一昨年(2021年)はまだコロナ禍でどちらもなかったわけで。こうして以前のようにマスクなしでソニマニとサマソニの両方を続けて楽しめるのは幸せなことだよなと改めて思ったり。あって当たり前、ではないということを我々はコロナ禍に実感したわけだけど、戻ると人はあっさりそういう苦難の時期を忘れちゃったりするものですからね。

では観たアクトについての感想を。いつもあれこれ書いてしまって長くなりがちなんだが、今年はさくさくっと書くことを心掛けよう。では。


SONIC MANIA (感想)

2023年8月18日(金)

幕張メッセで「SONIC MANIA」。

渋滞にハマッて宿の到着が遅くなり、22時ちょい前に会場へ。観たのは以下の通り。

THUNDERCAT→SHYGIRL→ALI SHAHEED MUHAMMAD(DJ SET)→CAMILO→電気グルーヴ→JAMES BLAKE。

THUNDERCAT。あんなにもプログレッシブで聴く人を選びそうな音楽をやっているのに、あんなにも多くの人が集まってみんなが幸せそうに観ている、という光景が(前にソニマニで観たときにも思ったが)すごい。それ、彼のキャッチーな見映え(今回は紋付着物姿)も大きいんでしょうね。見た目の地味なおじさんがアレやっててもこんなに人気者にはならんだろうからな。途中、けっこう時間をとって坂本龍一を追悼。坂本さんのことやオースティン・ペラルタのことを話し、坂本龍一「El Mar Mediterrani」をサンプリングしながらオースティンに捧げた「A Message for Austin」を演奏。さらに「千のナイフ」も。

SHYGIRL。THUNDERCATを途中抜けして観たSHYGIRL。ダンス向けながらもメロディは親しみやすく、映像も効いていて、誰でもすぐに世界に没入できる感じ。ポップで、幸福感あり。 ただ音量をもっと上げてほしくはあった。

ALI SHAHEED MUHAMMADのDJ SET。ATCQの曲も挿みながらレアグルーブのいかした曲を次々に。そうそう、90年代って音楽的にはよき時代でしたよねえ、なんて思ったりしつつ、最後までユル~く踊りながら楽しんだ。映像がステキなお部屋のそれで、最近引っ越したばかりの僕的には参考になるなぁ、とも。かなりの幸せ時間でした。

CAMILO。太陽燦々の昼間のビーチステージのほうが絶対合うに決まってるラテン音楽なんだが、それをバキバキの電気系ライブばっかやってる深夜のソニマニで観る…ということの逆転的な楽しさよ。コロンビアのスーパースターと言われて、なるほどなぁとなる身のこなしと歌の上手さとライブ運びの巧さ。故に、その場所を包み込むような多幸感。日本のこのフェスに出ることができて夢じゃないかってくらい嬉しい、みたいなことを話していて、謙虚でめっちゃいい人なんだろうなと思った。

電気グルーヴ。去年のソニマニに続いて出演。また?と思っても結局観ちゃう。「人間大統領」に続いて2曲目で早くも「Shangri-La」。卓球が歌うところも瀧がしっかり歌っていて、なんというか全編ものすごく気持ちを込めてステージに立っているという印象。やっぱりこうしてみんなが楽しんでくれることが何より嬉しいんだ。そんな気持ちで今の彼らはいるのだなと。ノンストップで、代表曲盛りだくさん。アレンジもあちこち更新されている。ギターのカッティング音が今回は特に効いていて、元がテクノとはいえ、ファンキー&グルーヴィーな感覚がけっこう前に出ていたのは新鮮だった。サポートのふたり合わせて4人でひとつのバンド感、大ありのライブ。

JAMES BLAKE。JAMES BLAKEと言えばなんといっても1stアルバムが衝撃的で、初来日のときは東京の公演日が都合悪かったので名古屋のクアトロまで観に行った。そのときのライブが一番よくて、その後何度か観た日本公演は「初回のよさと驚きを超えてこないなぁ」というものだったんだが、しかし今回久しぶりに観た彼のライブは、初めて観たときのそれを超えてきた。新機軸ありの新曲がいろいろと…というものを想像していたら、そうではなく、1stアルバムの曲も意外と多め。でも、まだこれやってんの?感は皆無で、というのも低音の響かせ方が凄まじく更新されていたから。なんですかね? あの低音の響かせ方は。ただ単にズシンとくるとかじゃなく、音響を構成する粒子が細かいというか密度が濃いというか。奇跡の低音、生命の鼓動、なんて言いたくもなっちゃうような。で、これはダンス音楽なんだと言わんばかりのフロア回帰の新しい曲が入ってくるのも新鮮だったけど、そういう曲が混ざることで尚更祈りのような曲が際立ってもいた。とりわけキーボードから離れてヴォーカルに徹した数曲が印象的で。それ、ブレイクは“音の人“という印象もありながら、実は“歌の人“なんだということを再認識させられたところでもあったかな。まさに祈りなんですよね、ブレイクのファルセットは。というわけで、間違いなく今年のソニマニのベストアクト。観客もみな集中して聴き入っていたし、ブレイク自身も相当いいライブができたという手応えをもったんじゃないか。

このあとAUTECHREの暗闇ライブも久しぶりに体感したかったのだが、疲れて見送り。

SUMMER SONIC 初日(感想)

2023年8月19日(土)

千葉マリンスタジアムと幕張メッセで「SUMMER SONIC 2023」。

ソニマニから深夜に宿に戻って、睡眠時間やや少なめでサマソニへ。この日観たのは以下の通り。

NewJeans→PALE WAVES→HOLLY HUMBERSTONE(3曲)→GABRIELS→Cornelius(3曲)→HONNE→WET LEG(4曲)→BLUR。

まずは話題のNewJeansがどれほどのものなのか、この目で確かねばという気持ちから、始まる30分前くらいにスタジアムのアリーナエリアへ。保冷剤を持ち、ネッククーラーを首に巻いてもいたのだが、それでもまるで汗がとまらない灼熱度合い。であるにも関わらずアリーナもスタンドも人でぎっしり。注目度の高さがよくわかる。自分はといえば、曲はどれも好きだったし、確かにプロダクションの完成度の高さと新しさに感心もしていたけど、特別な思い入れを持つに至る種類のものではなく(多分に広告的に感じられるから)、ライブを観たらそうした印象が変化するものなのかどうか、ライブにおいても圧倒的な性能の高さが見えるのかどうか、それは今までにない新しいものなのかどうか、といった観点でとりあえず観てみたのだった。で、結論から言えば、まあこんなもんかと。ライブの運びはいわゆるアイドルグループのそれで、つまり観る者が可愛らしいと感じるであろう表情を作ったり科を作ったり、明るく日本語で語り掛けたり。そもそも自分は昔からアイドルグループのそういう仕草やらが苦手である故にアイドルグループのライブというものを観たことが一度もなく、だからNewJeansのそうした仕草がほかのアイドルグループのそれとは違うものなのかどうかもよくわからないのだけど、今回体験してみて言えるのは、やっぱりそういう種類の仕草や表情を自分は受け付けないということ。なので「みなさーん、クッキー好きですかー?」と元気よくメンバーに問われたりすると、この暑いなかで僕はいま一体何を見てるんだ?という気持ちにもなり、アイドルを理解する素養が自分にはないんだなと改めて思わずにいられなかった。そのあたりをも飛び越えて伝わってくる特別な輝きや生々しい躍動があるのでは?という期待は持っていたのだが、グループは明らかにライブ慣れしていない様子だったし、想像以上の暑さにメンバーの何人かがしんどそうな表情を見せていたのが観ているこちら側も辛かった(終盤で一回引っ込んでしばらく出て来なかったのは、続行がきつくなったメンバーがいたからだろうと想像する)。明らかに精彩を欠いたパフォーマンスで、やはりこの早さでスタジアムでのライブというのはいろんな意味で無理があったんじゃないだろうかと思った。いや、動員的には全然無理はないんだが、ライブ力がそこに伴っていないわけで。本来ならもう少し時間をかけてスタジアムに至るまでのストーリーを作れたらよかったのだろうけど、最大限の加速をつけ、いろいろ飛び越えていきなりスタジアムで伝説を作ろうと試みたのは、むしろ彼女たちにとっては不幸なことだったんじゃないかと思う。ということで、ライブを観て改めて音源・映像におけるプロダクション力、総力はすごいんだなと思った次第。

PALE WAVES。2019年のサマソニ(ソニックステージだったかな?)で観たとき、終盤でヘザーがステージを降りて客の間に分け入ってもみくちゃにされながら歌っていて、その身を投げ出す姿に熱くなった。そのときはまだゴスのメイクやファッションとポップな音楽のつり合いのとれてなさ加減が面白いと思っていたのを覚えている。で、また観たいと思いながらも昨年の単独来日公演は見逃したので、今回自分は4年ぶりだったのだが、完全にいい意味でちょっとびっくり。実にスタジアム映えする堂々たるロックバンドになったんだなぁと感心&感動してしまった。ゴスのメイクをやめたヘザーの落ち着いた身のこなしと声の出力、メンバーみんなのタフな演奏力とバンドアンサンブル。NewJeansを観たあとだっただけに……なんて書くと皮肉めいてしまうけど、やっぱりライブの現場で鍛え上げてきたバンドは違う。途中、前方の客から受け取ったレインボーフラッグを巻いて、私たちはクィアバンド、ここはみんなを守る場所、と言っていたことにも頼もしさが感じられた。こうして何度か観るなかでそのバンドの成長・進化をはっきり感じ取れるのもフェスのいいところ。またサマソニのスタジアムで、今度は夕方から夜の時間帯に観ることができたらいいな。

HOLLY HUMBERSTONE。離れた距離で3曲程度しか観て(聴いて)ないのでなんとも言えないけど、派手さはなくとも声の存在感がしっかりあって、楽曲にちゃんと生命を吹き込むことができているという印象。もっとポップにいくのか、より落ち着いた方向性でいくのか、まだわからないけど、個人的には地道でいいからジワジワ沁みるいい曲を書き続けてほしい。

GABRIELS。作品を聴いていた段階で自分的にかなり好みだと感じていたのだが、これほどまでにライブが素晴らしいとは思っておらず。想像の遥か上を行った。ヴォーカルのジェイコブはタキシードでビシッとキメながら、その上には風になびくマントと特徴ある形の帽子(あれは何帽子って言うんですかね?)をつけていて、少し芝居がかった感じもあり。誠実そうでありながら、妖艶さもあり(ここ、最大の魅力)。繊細そうなところもありながら、大胆さもあり。伸びやかでありつつ切なさも含んだ美しいファルセットは聴く者の胸を締め付けるもので、その塩梅はある意味サム・スミス的とも言えるが、声質そのものは元ファイン・ヤング・カニバルズのローランド・ギフトを思い出させもした。あと、曲によってアル・グリーンっぽさを感じたところもあったし、後半で浪々と歌いあげた曲では声質は異なれどフランク・シナトラ的なあり方も吸収しているのだなと。つまり引き出しが多いのだ。サポートではなくバンドのメンバーであるヴァイオリニストもなかなかの存在感を示し、ダンス曲においては鍵盤とドラムの生み出すグルーブが光ってバンドとしてのユニークさも感じさせた。オリジナル曲に加えて、中盤では先頃亡くなったティナ・ターナーの「プライベート・ダンサー」をカヴァー。あの声であの曲が歌われたら、そりゃあ泣かずにはいられない(がしかし、そのときの観客の反応は思いのほか薄く、サマソニに来るような人にソウルは根付いてないんだなと感じもした)。終盤で歌われたバーブラ・ストライサンド「追憶」の解釈も見事で、ジェイコブは完全に自分のものにしていた。惚れ惚れした。僕はもう完全にこのバンドのファンになってしまった。今年のサマソニ最大の収穫にして、間違いなく今年のベストアクト。

HONNE。マウンテンにあれだけの人を集めて、みんなをあんなにも幸せそうな表情にしてしまうとは。ラジオフレンドリーな楽曲先行型デュオというイメージを持っていたのだが、ライブバンドとしてある種のスケール感も備わっていたのが嬉しい驚きだった。終始あたたかで、シンガロングも何度か起きていた。愛されているのだなぁ。

WET LEG。2月の単独公演から半年。半年程度で劇的に変化したりはしないが、それでもバンドとしてよりまとまってきたという印象はあったか。自分もそうだが、BLURを初めから観るため前半の数曲で移動する人が多かったのはちょっとかわいそうだったかも。2月の初来日公演のレポートはこちら↓。

BLUR。新作がさすがの素晴らしさで、そこからの曲がきっと多めだろうと思いきや、それもいい塩梅に混ぜつつ、ある意味ベストヒット・ライブ的なあり方。聴けたらいいなと思っていた曲をあれだけやってくれて、嬉しくないはずがない。しかも新曲のよさが光っていて、過去の名曲群と比較しても少しも見劣りしないのがすごい。グレアムのどうかしてるギターがとにかく最高。こんなにもインディーロック的なのにこんなにも大勢の人が集まって、みんながこんなにもエモい気持ちになっているというのもヘンで素晴らしいと思った。ロック音楽をやりながらどのように年齢を重ねていくのか、どのように生きてどのように友達との関係を続けていくのか、そのひとつの理想的な答えがそこにあった。歳をとるのは素敵なことなのだ。

SUMMER SONIC 2日目(感想)

2023年8月20日(日)

「SUMMER SONIC 2023」2日目。

午前中は宿でゆっくり過ごし、宿の近くの昭和レトロな喫茶店でのんびりしてから会場へ。観たのは以下の通り。

WILLOW→FLO→THE KID LAROI(2曲)→CIMAFUNK→高中正義(前半5曲)→LAUV→KENDRICK LAMAR(途中から)。

コーチェラの配信で見て好きになったWILLOW。有名な父親(ウィル・スミス)の娘であることの葛藤やらも表現に換え、ロック音楽として真摯に叩きつける様に切実さ故の美しさを感じたり。あと、なんといってもバネが違う。足の上り方が違う。フライングVの弾きっぷりもさまになる。かっこいい。自分はかなり前方エリアまで進んで観ていたのだが、ファンは圧倒的に女性が多かった。それ、よくわかる。で、途中、兄のJADENがサプライズで登場。コーチェラでもそこで女の子たちの熱狂が凄まじくなっていたが、今回も同様。それからMCで伝えたいこと…例えば「これを見たらすっっごく大きな声で叫んでみて!」とか「みんなありがとう!  最高に楽しかったよ。これからはもっと日本でライブしたいな」といった日本語を画面に映すというアイデアも、これなら急いで難しい日本語を覚えなくて済むし、明確に伝わるし、いいじゃないかと思った。

FLO。今回のサマソニでかなり期待していたR&Bトリオ。トリオとあってTLCが例に出されることも少なくないが、彼女たちがやりたいのはTLCではなく、デスチャのほうだ。ハーモニーのあり方も、振りの揃え方も。ということに観ていてすぐ気づいたのだが、途中デスチャの「Independent Women Pt.1」をやって、3人もそこは強調しておきたいところなのだなとハッキリした。とはいえビヨンセ的なカリスマを持つメンバーは今の段階では見当たらず、曲のタイプも広くないので、ややメリハリに欠ける印象。ライブ映えするヒット曲をいくつかものにして、それぞれの個性が明確になりだしたら、このトリオは今の何倍も強くなる。

CIMAFUNK。スタジアムにTHE KID LAROIを観に行ったんだが、暑すぎてライブに集中できず。すぐに出て、ビーチへ。スタジアムは熱がこもってずっと暖房がついてるみたいな感じだが、ビーチは風が抜けて気持ちがいい。CIMAFUNKはキューバのミュージシャンで、やっているのはキューバ音楽とファンクを合わせたもの。J.B.流のファンクで、ホーンも高らかに鳴らせて攻め立てたかと思えば、途中でキューバ音楽のパーカッションが入ってリズムが複雑化したりもする、っていう。ならば、踊らにゃソンソン。黄色眼鏡のヴォーカルは途中から上半身裸になって客を煽り、最後はイギー・ポップのライブよろしく何人もの客をステージにあげてダンス大会。Pファンク的混沌。まさにビーチステージに相応しい盛り上がりまくりのライブだった。因みに翌日のクアトロではプリンスの「Musicology」もやったそうな。おお~!

そのままビーチに残って、高中正義を。夕方のビーチという最高のロケーションで「BLUE LAGOON」なんかやられたらたまらんな、と思っていたら、1曲目からそれがきて気持ちがあがる。続いて『虹伝説』から「THUNDER STORM」。70年代後半から80年代初め頃まではよく聴いていたので、フジで矢沢の「チャイナタウン」を聴いたときと似た懐かしさもあった。ベースは岡沢章さんだし、パーカッションは斎藤ノヴさんだしってことで、バンドも最高。なのだがしかし、高中のギターのキレがいまひとつ。あれ?  って感じ。今年70歳(本人曰く17歳)だそうだが、最近はこんな感じなのだろうか。場所的にも時間帯的にも気持ちよくはあったけど、あの頃のようにキレキレのギターを聴かせてくれたら……という思いも少し残った。

LAUV。2019年のBLITZ公演以来なので、実に4年ぶり。この日を首を長くして待っていたファンは多く、始まる前からソニックはぎっしり。かなり前方に進んで観たのだが、まわりは女の子ばかりだった。サポートメンバーはおらず、ステージにラウヴただひとり。だが、時にギターを弾き、時に鍵盤を弾き、時に軽やかに、時に思いを込めながらラウヴは歌い、とにかく楽曲がどれも素晴らしいのでぐいぐい引き込んでいく。ラウヴの歌声の甘さと、そこに混じる切なさは、ひとりきりのライブであるだけに尚更際立っていた。映像演出が多少あるとはいえ、それ以上に特別な演出があるわけでもないし、ゲストが入るわけでもない。が、少しも飽きさせることのない運びの巧さと歌唱表現に成長を感じた。懐かしめの曲と去年の新作曲とのバランスもグッド。聴かせたい曲がたくさんある故、一部メドレーで数曲を繋げていたのもこのライブにおいてはいいアイデアだった。序盤で「PARIS IN THE RAIN」が聴けたのも個人的には嬉しかったな。これまで観た彼のライブとはずいぶん形の違うステージ。始まる前にはKENDRICK LAMARを初めから観るために途中で動こうかとも考えていたのだが、引き込まれて結局最後まで見届けた。やっぱり素晴らしいシンガーだ。

KENDRICK LAMAR。途中からだったので、当然のことながらスタンド席も下の方は満杯で、4階のはじのほうに座って観た。しかし4階席でも低音の響きはかなりのもので、これ、アリーナだったらカラダに直にくるやつだなと。音響にも相当力が入ってることがよくわかった。距離があった分、フジロックで観たときの凄まじい迫力は感じられなかったが(それ、あくまでもステージと自分の席との距離の問題ですからね)、難解でもあるアート的な表現をして、本人は終始冷静だというのに、あんなにも盛り上がるというのはすごい。で、前日にはなぜかなかった花火も最後にどーん。KENDRICKの表現と花火がまるで合ってなくて、しかもまだ彼がラップしている段階で打ちあがるというタイミングの悪さがアレでもあったが、いろいろ破格であることは4階席で観ていても十分伝わった。

この距離で観たKENDRICK LAMAR。アリーナの盛り上がりが凄まじかった

大トリのKENDRICKを除くと、現行ラップ・アーティストの出演が著しく減って、去年からのロックの勢いを引き続き強く感じさせることとなった今年のサマソニ。それをよろしくないとする人も嬉しく思う人もいるだろうけど、とにかくこうしてまたいろんなライブを観ることができたのはよかったし、温暖化の影響を踏まえた開催時期の再検討も必要にせよ、まだまだ長く続いていってほしいフェスだなと改めて思った2日間だった。






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