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「D2Cがトレンドだからやりたい」という理由でD2Cの相談をもらうのですが。

じゅんこ

■はじめに

現在D2Cビジネスが企業間で流行っています。
わたしもSNSのビジネス活用支援を行っていくうえで、D2Cにおける相談が多くなってきているなと感じています。

今回は、その中でも特にクライアントさんにお話しすることが多い

・D2Cの定義とは?【=WHAT】
・企業がD2Cをやる意義とは?【=WHY】
・D2Cブランド立ち上げに向いている業種、向いていない業種【=WHO】

というトピックを中心にお話できればと思います。
ぜひ読んでいただけますと幸いです。

■D2Cの定義とは?

1-1 辞書の定義

新しい消費の価値観を持つミレニアム世代以下のターゲットに対し、ユニークな世界観を下敷きにしたプロダクトとカスタマーエクスペリエンス、SNSや店舗を通じた顧客とのダイレクトな対話、垂直統合したサプライチェーンを武器に、VCから資金調達を行い、短期間に急成長を目指すデジタルドリブンなライフスタイルブランド

参考:「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略(P3)

辞書で見てみると、ターゲットや手法などいろいろな要素が出てきました。次の項目で、1つ1つ整理してみましょう。

1-2 通常ブランドの違い

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参考:「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略(P3)

D2Cの定義として、一番わかりやすい項目が「デジタル起点で顧客に直接販売すること」かなと思います。Direct to Consumerの名前の通りです。
具体的に説明をすると、小売店や量販店、Amazonや楽天といったサイトを介さずに直接商品者に販売を行うのがD2Cです。
また、ターゲットがミレニアム世代中心の商材で、かつ訴求軸が世界観・ライフスタイルであることもD2Cの特徴です。
プロダクトアウト(商品があってそれをどう売るのかを考える)のではなく、マーケットイン(顧客の解決したい課題や可能性創造を行い、それに適した商材を作っていく考え方)で商品開発・プロモーションを行っているのがD2Cです。

1-3 D2Cブランドと自社ECの違い

先ほどD2Cの定義の1つとして、「デジタル起点で顧客に直接販売すること」と申しました。では、既に企業が取り組んでいる自社ECサイトでの販促活動はD2Cではないのでしょうか?

ECの通販は、その目的が効率化です。
またシンプルに機能的価値を訴求すべく商品をオンラインで売っています。一方のD2Cは、世界観訴求をするためにサイトを活用し、顧客(=ブランドのファン)の声を聞きながらブランドの運営をしているのが特徴です。

ユーザー側からしたら、Amazonや楽天に商品を出してもらった方が見つけやすく楽なのですが、それでも企業がECに取り組む理由として大きいのが、購入したユーザーのデータを活用できる、という点です。
さらに言うならば、D2Cはユーザーの意見をしっかり耳を傾けたうえでコンテンツを作ったり、商品開発につなげたり、販売チャネルを選んだりしていますので、従来のEC通販よりもよりデータを用いたPDCAを回していると言えると思います。

■D2Cブランドがなぜトレンドなのか?

D2Cが流行っている背景として、主に下記3つの理由が挙げられます。

消費者の主要チャネルがデジタルになりつつあるから
②機能的価値から情緒的価値
が求められる時代になってきているから
③顧客起点のマーケティングが重要視されているから

①消費者の主要チャネルがデジタルになりつつあるから
コロナとD2Cの活性化とは直接因果関係はないと思いますが、このご時世柄、デジタル化がより促進され、消費者もデジタル上での購買体験を必要としているためです。

機能的価値から情緒的価値が求められる時代になってきているから
ブランドが多様化し、細かい機能だけだと差別化しにくくなっているという前提がありつつ、これからの消費のメインを担うミレニアム世代は、モノ消費よりコト消費重視する傾向があります。(家や車といった物欲よりも、友達と過ごす時間に対してお金をかけたい人が多く、物は所有せずサブスクサービスなどで体験できればOK)

ミレニアム世代をターゲットに商品販促を行う際に「この商品はこういった機能が付いていまして~」といった機能的訴求ではあまり刺さらなく、「こういった背景から商品ができてこういうターゲットの人に買ってもらいたいです」という情緒的訴求が好まれると考えられております。

顧客起点のマーケティングが重要視されているから
顧客の声を聞きならが商品開発をしていく必要があるということです。
無作為に抽出された多数のデータに基づいた「これがいい」という考えだけで動かず、n=1の1人のペルソナ像とも照らし合わせてブランドを作っていくことにより、D2Cブランドのストーリーへと昇華させることが必要です。

補足

そもそもD2Cは、ビジネスモデルではなく、思想なのでは?という意見もありますね。
最近になってここまでD2Cが注目され始めたのは、アメリカのスタートアップのD2Cが大手メーカーをしのぐ勢いで成長を遂げたという背景があり、日本のビジネスでも注目され始めたとも言われています。

考え方自体は前からあったものの、アメリカの事例などがきっかけで注目されD2Cと呼称されるようになったものと私は認識をしていますが、ビジネスモデルともとらえることもありますので、一概にこれという定義があるわけではないのが現状です。

■D2Cブランドに向いている企業・向いてない企業

という見出しを書いたものの、特段向いている向いてないの議論はあまり意味をなさないかもしれません。
なぜならファンの声を聞きデジタル起点で販促するということはどこのブランドにとっても今後必要になってくるからです。

とはいえ、D2Cの特徴を生かしやすい・参入障壁が低い(=ブルーオーシャン)な業界はどこかという問いにはある程度お答えできるかもしれません。

それは「ちょっとした贅沢品として顧客ニーズがあるもの」です。

D2Cは「マスブランドの上位互換」という言い方をとある本ではしていました。
D2Cは小売店など挟まない分、コスト(販売原価)を抑えることができるため、原価を抑えた分、より質の良いものをよりお手頃な価格でユーザーに届けることができます。

そういった意味で、「ちょっとした贅沢品」はD2Cに向いていると思われます。

▼例:ミスターチーズケーキ

また、コスメ関連などは、OEMで生産を委託することができ、原価率も低いので、比較的参入がしやすいです。
※ただその分レッドオーシャンなので、有名なインフルエンサーが立ち上げる・企画性に富んだブランドにする等何かしら差別化要素がないと、展開が難しくなってきています。

▼例:ユアンジュ※ゆうこすさんのブランド

商品の購買行動が個人にパーソナライズ化されているものも、ユーザーの声を聞きながら購買活動をサポートするという意味で、D2Cに向いているかもしれません。
※コスメ、アパレル、小物など身に着けるもの

▼例:Warby Parker

※史上でもっとも成功したオンラインブランドと言われています。

商品だけではなくコンテンツを売りにしているD2Cブランドもあります。

スーツケースのD2Cブランド「AWAY」は、元編集者を雇い「HERE」という旅雑誌も刊行。スーツケースという商材特性上購買頻度が高くないですが、その分雑誌というコンテンツを武器にD2Cブランドを展開しています。

▼例:AWAY



■大手企業がD2Cを行うにあたり必要なことは?


大手企業がD2Cに参入する必要性があるのか?という話に関しては個人的にこちらのnoteで理解を深めました。

このnoteには大手がD2Cに参入する必要性について書かれていますが、結論からいうと、ユーザーの意見を聞くという場を設ける必要性はあると書いてあります。

大手だからやるべき、やる必要はない、という議論は不要だと思っていますが、大手で今まで直接お客さんとコミュニケーションをとれていなかったのであれば、そういう意見を聞きそれを商品開発に生かすような場を作るという意味で、D2Cは有効だと思います。
※単に流行っている、売上が上がりそうという理由でD2Cに力を入れるのであれば、改めてその企業がやる意味を見直した方がいいかもしれません。

■終わりに~今後D2Cブランドが求められること~

前提として、今後はD2C戦国時代となりD2Cブランドの差別化や顧客のロイヤリティの向上・クロスセルなどを促進していかなければなりません。
そのために、顧客のエンゲージメントを高めるような企画をブランド主導で仕掛けていく必要があります。

たとえばeverlaneというファッションブランドは、SDGsの取り組みの一環として、ブラックフライデー基金というプロジェクトを刊行。こういった企画を推進することによりファンのエンゲージメントを高めます。

そんな前提がありつつ、興味深いnoteを紹介させてください。

D2Cブランドにはそのブランドを立ち上げるにあたった「ストーリー」がありますが、D2Cブランドの多様化・競争激化し、ストーリーのコモディティ化が既に起こり始めているのでは?ということを言っているnoteです。

今回わたしが伝えたいのは、単にストーリーを付けただけでは徐々にユーザーからは興味をもってもらうことができなくなってしまうので、エバーレーンのような企画を作り顧客のLTVを高めていくなどしていく必要がある、ということです。

D2C事業はトレンドとなっていますが、業界によってはかなり競争が激化してきているので、
・どういったニッチな市場で戦うのか?
・どんなコンテンツや顧客体験を提供できるのか?
・どんな企画を仕掛けられるのか?
そういった緻密な設計が求められそうです。

わたしが所属するテテマーチでもサポート型コスメブランド「BeMe」と伊ブランドを先日リリースしました。SNS中心としたD2Cブランドの支援も行っていますので、お気軽に相談ください!


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じゅんこ
テテマーチというSNSマーケティングの会社でプランナーをしています。 #若年層マーケ/#SNSマーケ/#Instagram/#Twitter