wellness journey #day4 あなたに会ええて嬉しいです。

「こんにちは、会いたかったです」

ご存知、韓国の名プロデューサーJ.Y.Park氏の言葉。

はじめて会う人にこの言葉を言われて、

一瞬で恋に落ちるか
ダッシュで逃げるか

その違いは、
その言葉を発する側のココロが真実かどうか
その言葉を受け止める側のココロが真実かどうか

その言葉を聞いて
ふとあることを思い出した

昔、休日に母親とお買い物に出かけた時のこと。

その日は、台風が近づいていて天気予報では夕方には大荒れになるとのことだった。でも、朝起きた時点では天気は晴天だったし、前の日から母が私の家に遊びに来て、狭い家でいるより、ふたりとも外に出かけたい気分だった。

私たちは、外に散歩に出かけた。
外苑西通りから六本木通りに出て、裏道を通りながら乃木坂方面へ行き、青山墓地の中をうろちょろ探索しながら246に出た。「もう少し」外苑の銀杏並木を見に行きたかったのだ。

天気はだんだんと曇ってきて風も強くなってきた。

外苑の銀杏並木道に到着すると、銀杏はまだまだ色づいてなかった。よく考えたら色づくのは秋も深まった11月頃、、、(よく考えたら分かるのに)

がっくりとしてふてくされてる私に、母は気遣うように、
「でもここまで歩いてきて、途中でいろんな景色が見れてとても楽しかったわ!」と笑顔で言う。

私は素直になれずに「えー銀杏が見たくて来たのにぃ」とふてくされる。
本当は、足が痛い母にこんなに歩かせて折角ここまで来たのに、見せたかった風景も見せれず、自分がとても嫌になっていたのだ。私はいつもこう。

そこから、246を表参道に向かってまたゆっくり歩き出した。
空はだんだん暗くなり風が強くなってきた、でもまだ雨は降らない。
いつもは賑やかな通りなのに、人も車もほとんど居ない。
不思議な風景だった。

紀伊国屋の交差点まで来た時に、
「お腹すいちゃった」と母が言う。

確かに、
結局朝起きて軽くパンを食べてからなにも食べてない。
本当は目指してたイタリアンがあったのだけど、台風で休みだった。
もう時刻は6時ぐらい、ずっと歩き続けている。

私は、もう直ぐ家だから我慢しようと言ったけど、
目の前にあったolive pastaに入ろうと言う。
今思うと、お腹が空いたのではなく多分相当足が痛かったんだと思う。

お店に入ると店内にはお客は誰も居ない。
台風だからお店早めに閉めるつもりなのかなと思って、ウエイトレスの女の子に、すみません開いてますか?と声をかけると、奥に確認に行ってから戻ってきて、はい大丈夫です!とすごく感じの良い笑顔で言った。

窓際の席に座って、
ねずみ色に覆われ暗くなる空、ますます強くなる風
誰もいない、車も1台も走ってない246を眺めて
まるで世界が止まってしまったような、
私たちだけがここに取り残されてしまったような、
少しこわいような、心細いような感じがした。

そこに、
「何になさいますか」と、さっきの女の子がオーダーを取りに来た。
若くて綺麗な女の子で、自然な優しい笑顔。
近くの大学の学生さんかな、と思った。

メニューを見ていた母がパッと顔を上げ、
注文するのかなと思ったら、
その子に向かって
「ごめんなさいね!こんな台風の日に来てしまって、、お店も閉めるところだったに、迷惑だったでしょぅ」と言った。

出た、、友達かよ!!!
と思うぐらい、フレンドリー120%だ...

彼女にはこういうところがあるのだ。

そして、
相手の反応は大抵2パターン

引きつった顔で相手してくれる
130%の友達で返してくれる

今回は、
後者だった。

若い彼女は
「いいえ!
 誰も来なくてとても寂しかったので、、、
 来てくださって嬉しかったですっ」

ほぼふたりは
どん引きする私の目の前で
手を取り合ってるように見えた...
ふたり合わせてフレンドリー250%

台風の目に入ったかと思うように
一瞬、後光が差してました。

彼女のあの言葉は
本当に真実のココロだった。

あんな言葉を、咄嗟にすっと言えるなんてすごい。
私はいつもふてくされて、素直になれないのに
他人のあなたが、娘の私より、
どうしてそんなにうちの母親を喜ばすような言葉を言えるの?
私には、絶対に言えない。ココロの底からそう思えないから。

多分これは
焼きもちにも似た気持ちで、、
彼女のことが、彼女の言葉が、
ずっと心の底から離れずにいた。

もうあれから
10年ぐらい経ったかな、

今、
私は言えるようになった、
ココロの底から思えるようになったから。

何が私を変えたんだろう。
不思議だね。

きっと、
はじめて会う人みんなに
あなたに会えて嬉しいですって言えそう。

相手の反応は2つ

一瞬で恋に落ちるか
ダッシュで逃げるか

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