もっと狂え俺

アメリカに着いてから2週間はホント必死だった。
食べ物、人、天候すべてが日本と違っていて、周りの環境に慣れるのに大変だった。

どこに行ってもカバンは前に持っていたし、いつ変な人に襲われるか分からないので常に注意して歩いていた。
近くのスーパーに行っては、ありとあらゆる食材の値段を調べて、大体1日何ドルかかるかを計算していた。
電車に乗るにも、車内の治安が悪いから壁を後ろにして常に注意して乗った。
だから最初の3日間は来た目的を忘れるほど、生きるのに必死だった。

来て5日くらい経ってから、映画関係の人との人脈を作るべく、大学に突撃してはただひたすらに声をかけまくった。
周りから見たらナンパ師にしか見えなかっただろう。

とりあえず日本人、韓国人の映画関係者を探しまわった。
それもあってか、名門映画学部に通う日本人に出会えた。

あの時の僕は、ありとあらゆるものを吸収して帰ろうと必死だった。
なんで俺はアメリカに来たのか。
それを常に自問自答しながら、自分を奮い立たせていた。
慣れない異国の地で、一人がむしゃらに頑張った。

人間全然違う環境に放り出されても、どうにかなるんだなっていうことを身に染みて学んだ。

アメリカから帰ってきて1ヶ月が過ぎたが、その時のハングリー精神がどんどんなくなっていると思う。
あの時みたいに、毎日が刺激的な日ではない。
でもそんなの言い訳だ。
毎日刺激だけあっても、毎日遊んでばっかりでやることサボっていたら何の意味もない。

地味な日常をいかに楽しめるかどうか。
平凡に思える毎日をいかに充実させて、意義あるものにするか。
全部自分次第だ。
他責ではなく、自責を。
全部自分の非として捉えろ。
お前はまだまだやれるし、全然足りない。
もっと作品に狂え。
その先にしか未来はない。

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